地方鉄道に移籍したロマンスカーを追跡 ロマンスカーミュージアムで「Romancecar Reborn」(神奈川県海老名市)
10月14日の「鉄道の日」にあわせた催しとして、小田急電鉄海老名駅直結のロマンスカーミュージアムが〝鉄道のSDGs〟をテーマにしたイベントを開催する。タイトルは「Romancecar Reborn(ロマンスカーリボーン=ロマンスカー再生)」。
開催期間は2024年10月9日~11月18日。小田急から他社に譲渡されて活躍した、ロマンスカーや各種車両の歩みを振り返る。
小田急からの車両譲渡では2023年9月、8000形電車の西武鉄道への移籍が発表されて話題を呼んだが、看板車両のロマンスカーも地方鉄道で第二の人生を送っている。今回は車両や部品の再利用による環境負荷低減という視点で、鉄道のリユースやリサイクルを考える。
イベントで注目するのは、長野電鉄の1000系(小田急10000形=HiSE)と、富士急行(富士山麓電気鉄道)の8000系(小田急20000形=RSE)。かつてのロマンスカーは、編成両数やカラーリングを変えながら今もなお現役だ。
あまり知られていないのが、部品の再利用。一例は香川県の高松琴平電気鉄道(ことでん)の700形電車で、譲受前は名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)の電車だった。ことでんでの冷房化時、小田急3100形(NSE)の廃車発生品をリユースした。
ミュージアムのホールでは、長野や山梨への移籍後の様子などをパネルで紹介する。
館内イベントも多彩だ。「鉄道の日」当日の2024年10月14日、通常は非公開のNSEの展望席や喫茶カウンターを開放。レアな写真撮影などを楽しんでもらう。
先行して今週末の10月12、13日には、「吉久館長と行く!1000形リニューアルの謎探検隊」を開催。ミュージアムに隣接する海老名車両基地を訪問し、床下を見ながら、小田急で2014年からのリニューアルを担当した吉久治朗館長の解説を聞く。参加有料で、申し込みはホームページ経由で10月11日まで。
次いで、10月27、28日には西武に譲渡される8000形電車をプリントした、オリジナルトートバッグづくりのワークショップ。11月16、17日には「ことでん社員トークショー」などで、四国を走る地方鉄道の魅力を発信する。催しの詳細は、ホームページで案内する。
記事:上里夏生
(写真:ロマンスカーミュージアム)