伊良湖沖のカットウ釣りで良型ヒガンフグ&カワハギ続々【愛知】船宿の身欠き処理で持ち帰りも安心
10月に入り朝晩は肌寒く感じる日が増え、ようやく秋らしく感じられるようになってきた。伊良湖沖ではカワハギやフグが好調。いよいよ本番を迎えるカットウ釣りによるフグ釣り最前線の状況を確認すべく、23日に愛知県・南知多町片名漁港から出船する人気船宿、おざき丸に乗船。同船者は15人とほぼ満船。人気の高さがうかがえる。
伊勢湾のフグ釣りの魅力
フグ釣りは例年10月ごろから始まり、水温が下がる冬にかけて最盛期を迎える。伊良湖沖のフグは身が締まって味が格別。
特にヒガンフグやショウサイフグは、その食味の良さとゲーム性の高さで釣り人たちを魅了する。
初心者でも大丈夫!カットウとは?
カットウ仕掛けは、主に以下の2つの要素で構成される。
エサバリ
アオヤギやアルゼンチンアカエビなどのエサを刺し、フグを誘う。
カットウバリ
エサのすぐ下に付いたイカリのような形をした鋭い4本バリ。
フグやカワハギはエサをかじり、ボロボロにしてから食べる習性がある。このサイレントなエサ取り名人のフグやカワハギを、カットウバリで引っ掛けるのがこの釣りの醍醐味だ。
カットウ仕掛けでの基本の釣り方
仕掛けを海底まで落とし、オモリで底をトントンとたたいてエサを小刻みに動かして誘う。アタリは、コンッとかモゾッという小さな感触で伝わってくる。アタリを感じたら、間髪入れずサオを大きくシャクり、フグをカットウバリに掛ける。この小さなアタリを感じる集中力と、瞬時にアワせるスリルがカットウ釣りの最大の魅力だ。
だが冬の海は風が強くバタついたり、ウネリで大きく上下に揺れてアタリが取りにくいことも多い。そんなときは3~5秒に1回空アワセを入れる、タイム釣りという釣法が有効だ。
いざ実釣
午前5時半に出船。約1時間でポイントに到着すると、近くのテトラポッドを波が乗り越えている。水深は8m前後と浅めで、船長から根掛かりの注意喚起とともにスタートの合図が出た。
この日カワハギ&フグ初挑戦の3人組は、オールレンタルロッドにカワハギ狙いの胴つき仕掛けをセット。船長からレクチャーを受け、アサリをエサにチャレンジ。
ウネリに苦戦しながらも積極的に誘うが、根掛かりが頻発し底を攻めきれず。なのに、仕掛けを上げるとエサのアサリは全て取られている。悩みながらも数投目、コンッという明確なアタリに反応。反射的にアワセを入れた川本さん。巻き上げてみると…、20cmほどのカサゴだった。
珍客も登場
船中カサゴが釣れ上がるなか、根掛かり上等で底を探った人からコモンフグが釣れ始め、時折良型のヒガンフグも上がる。そんななか、ひと際大きくサオを曲げたのが左舷ミヨシの松本さん。40cm超のイシガキフグを釣り、船長も同船者も見慣れぬ全身トゲを持つ珍客に盛り上がった。
中盤には左舷胴中で奮闘するチャレンジャー3人組の1人、内木さんが覚醒。良型カワハギを連発させていた。終盤サイズアップを狙い、水深20mの深場へ移動。
この日カワハギに的を絞っていた木村さんが追加。さらに数を稼ぐべく仕掛けを落とすと、今度は特大カサゴを釣り上げ周りを驚かせた。
右舷トモで黙々と釣り上げていたのは小原さん。序盤から好調にヒットが続き、良型ヒガンフグをはじめコモンフグ、カワハギ他、35cm超のキジハタも手にして見事サオ頭となった。これからさらに季節が進み水温も下がれば、カットウフグも最盛期となる。
プロの処理で安心安全
フグには毒があるため、フグ調理師の免許が必要だ。おざき丸では、船長夫婦で丁寧に下処理をしてくれる。身欠きと呼ばれるむき身にして持ち帰れるので、帰ってからはとても楽ちん。
冬の味覚フグ&カワハギで船釣りデビュー
「船釣りは敷居が高い」「フグ釣りは難しそう」と思っている人にこそ、伊良湖沖のフグ釣りをお勧めしたい。
おざき丸の船長が初心者にも親切に釣り方を教えてくれる。必要な道具はレンタルも可能。仕掛けやエサも船内で購入できるので、手ぶらで挑戦できる。ぜひおざき丸で船釣りデビューを飾ってほしい。
<週刊つりニュース中部版・編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年11月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。