冬の車中泊で快適に過ごすには!? 寒さ対策に必要なグッズを解説
寒さが厳しくなる秋冬に、車中泊を計画している人も多いのではないだろうか。一般的なキャンプと異なり、外で寝るわけではないからと寒さ対策を怠ると大変なことに……。冷気が入ってくる車内はとても寒く、地域や標高によっては氷点下になることも。
今回は、秋冬の車中泊に役立つアイテムや注意点などを紹介する。
楽観視は禁物!秋冬の車中泊時に役立つ寒さ対策グッズと注意点
1.寒さ対策:窓からの冷気を遮断するシェード
外からの冷気は、主にガラス窓を通して伝わってくる。窓に取りつけるシェードは、外からの視線や光を遮ってくれるだけでなく、冷気を遮断し車内の温度を保ってくれる保温性も高い。
窓にぴったりとフィットするジャストサイズを選ぶことで、隙間からの冷気を防ぎやすくなる。車種専用のシェードも多く販売されているため、適合商品をチェックしてみよう。費用を抑えたいなら、アウトドア用の銀マットを使って自作する方法もおすすめだ。
2.快眠をサポートする:4つのアイテム
車中泊はテント泊に比べ地面からの距離はあるものの、底冷え対策は欠かせない。快眠をサポートするために、マット・寝袋・ブランケット・電気毛布などをうまく組み合わせて活用しよう。
●マット
アウトドアブランドが展開する登山用の高機能なマットは、車中泊でも頼りになる。「R値」が高いマットを選べば、冷気を遮断して体温管理に役立つ。収納しやすいコンパクトなタイプは、車内スペースを有効に活用できるためおすすめ。
●寝袋
寒さを乗り越えるには、「快適使用温度域」が重要だ。車内の最低気温よりも-5℃低い設定のモデルを選ぶと安心して使える。ダウン素材の寝袋は保温性が高く、軽量のため持ち運びしやすい。
●ブランケット
車内の冷気を抑えるのは、厚手のブランケットがおすすめ。特にフリース素材やウール素材のアイテムは、寒い夜の追加アイテムとして重宝する。昼間はひざかけや肩かけとしても使える汎用性が魅力。
●電気毛布
車中泊用の電気毛布を選ぶ際は、消費電力の低さがポイント。ポータブルバッテリー(500W程度)があれば対応可能なモデルが多く、寒い夜も快適に過ごせる。温度調節機能のあるタイプなら、一晩中使用しても安心だ。電気湯たんぽやヒートマットを併用することで、さらに暖かさを確保できる。
3.防寒小物で首元・足元を暖かく:ネックウォーマーや靴下
車中泊時に特に寒さを感じやすい首元と足元は、重点的に防寒することで快適さがぐんとアップする。ネックウォーマーや靴下などの防寒アイテムを取り入れよう。
●ネックウォーマー
首元を暖めることは、体全体の体温を保つためにも欠かせない。裏起毛素材やフリース素材でつくられた物は、保温性が高いためおすすめ。顔全体をカバーするタイプなら、特に冷え込む夜間にも暖かさをプラスできる。防風性を備えたアウトドア仕様のものを選べば、外気を完全にシャットアウト可能だ。
●靴下
厚手のウール素材や裏起毛仕様の靴下は、足元の冷え対策におすすめ。冷え性の人はフットウォーマーや電池式の加熱ソールをプラスしてさらなる保温を。地面からの冷えを防ぐために、厚みのあるマットとの併用も効果的だ。
4.アナログな防寒グッズ:カイロや湯たんぽ
車中泊では、電気を使わないアナログな防寒対策グッズも活躍する。特に湯たんぽやカイロは、低コストで手軽に取り入れられる便利なアイテムだ。冷えやすい手元や足元を暖めること、快適さが一気に向上する。
●カイロ
使い捨てカイロ、手軽に取り入れられる暖房アイテム。手首や足元、腰など冷えを感じやすい部分に貼りつけるだけで、快適な眠りをサポートしてくれる。貼らないタイプのカイロは、ブランケットや靴下の中に入れると保温性がアップ。
長時間肌に触れたままだと低温やけどのリスクがあるため、就寝中の使用は避けよう。
●湯たんぽ
じんわりとした自然な暖かさで体を暖めてくれる。お湯を沸かす手間はかかるが、就寝前に足元に入れるだけで、長時間暖かさをキープする。アウトドア専用のケースや耐久性の高い素材の湯たんぽも選択肢に入れてみよう。
秋冬の車中泊における注意点
秋冬の車中泊は、春や秋に比べて厳しい環境下で行うことが多いため、特別な注意が必要なことも。適切な準備を怠ると、命に関わる危険もあるため以下のポイントをしっかりと確認して、安全で快適な車中泊を実現しよう。
1.寒さ対策はマスト
基本的に車中泊はエンジンを停止して行うことが多い。特に標高が高く、直接風が当たるような場所は夜になると車内の温度も急激に低下する。なるべく風が当たらず、暖かい場所を選んで行うようにしよう。適したエリアを事前にリサーチしておくことも大切だ。
2.エンジンをかけたまま寝るのはNG
冬の車中泊で最も危険なことは、アイドリング状態にしたまま暖房を使用すること。特に降雪地帯では、寝ている間に積もった雪がマフラーを塞ぎ、排気ガスが車内に逆流し一酸化炭素中毒を引き起こす可能性がある。
車内を暖めた後はエンジンを停止し、暖かさを維持する防寒アイテムを活用しよう。
念のため、一酸化炭素警報機を携行しておくと安心だ。
3.天候が悪い時に行わない
大雪や大寒波が予想される場合、車中泊を強行するのは危険だ。無理に車中泊を行うと予期せぬトラブルが起こる可能性が高まる。特に雪道の運転は慣れていない人にとっては、とても危険。車中泊時も想像しないほどの寒さに襲われ、タイヤハウスに雪がこびりつき、タイヤが回らなくなるなどのトラブルにつながる。
悪天候が予想される場合は、事前にホテルや宿泊施設を予約するなど、別の選択肢を用意しておこう。
4.食料と飲料水の準備を
十分な食料と飲料水を確保し、非常時に備え非常食も用意しておくと良いだろう。
もしものために、充電式バッテリー、懐中電灯、救急キット、スコップなども車内に常備しておくと安心だ。
5.環境に配慮し、マナーを守る
車中泊を楽しむ際には、周囲の環境や他の利用者に配慮することも大切だ。ゴミは持ち帰り、車中泊禁止のエリアではルールを守ろう。
冬の車中泊におすすめのアイテム11選
【寝袋】
1.NANGA オーロラライト600DX
日本発のアウトドアブランド「NANGA(ナンガ)」が誇る、高機能な防水透湿軽量シリーズ。独自に開発した防水透湿素材AURORALIGHTを採用し、蒸れにくく快適な寝心地をかなえる。内部にはボックスキルト構造を採用し、600gのダウンを封入することで優れた保温性を発揮する。チタンスパックリング材により、蓄熱性も高められている。
マイナス11℃まで対応できるため、寒冷地でのキャンプから車中泊まで幅広く使える。多用途に使える高性能アイテムだ。
2.ISUKA ダウンプラス デナリ
厳冬期のあらゆる山岳に対応できる高機能シェラフ。720フィルパワーの高品質なダウンを1100g封入し、マイナス30℃までの低温環境にも耐えられる仕様に。シェル素材には丈夫でしなやかなポリエステルマイクロファイバーを使用し、快適な肌触りを実現する。
ショルダーウォーマーが冷気を防ぎ、ファスナー内側のドラフトチューブが寒さの侵入を徹底的にシャットアウト。冬の車中泊や登山におすすめ。
3.THERMAREST ベースキャンプ
使用時には5cmの厚さとなり、下からの冷気をしっかりと遮断する自動膨張式マットレス。一年を通して使える設計で、コストパフォーマンスも抜群だ。折り畳むと軽量でコンパクトになるため、持ち運びしやすい。
バルブを開くだけで自動に膨らみ、手間なく設置できる。キャンプはもちろん、冬場の車中泊にもおすすめできるアイテムだ。
4.4Monster ダウンブランケット
アウトドアシーンに最適なダウンブランケット。内部には上質なダックダウンを使用し、優れた保温性を発揮する。表地には撥水加工が施されており、突然の雨や水滴にも安心だ。
両サイドに配置されたドットボタンを使えば、ひざかけや毛布、肩かけ、腰巻きスカートとなどさまざまな使い方が楽しめる。冬場の車中泊で活躍してくれること必至だ。カラーやサイズ展開が豊富に揃う。
【ブランケット】
5.Power ArQ 電気ブランケット
暖かさだけでなく、快適さにもこだわった掛け敷き兼用の電気毛布。アウトドアでの使用を考慮して設計されており、効率的な消費電力で高い保温性を発揮する。4層構造で寒さが厳しい冬場の車中泊でも暖かい。
表面にはポリエステル素材を100%使用し、耐久性に優れているため長期間愛用できる。寒い季節のアウトドアや車中泊に取り入れたい。
6.5050WORKSHOP ヌークブランケット&クッション
一台二役のUSB式電気ブランケット。ファスナーを閉じてクッションや枕として、開いて大判のブランケットとして、シーンに合わせてチェンジできる。
無骨でミリタリー感のあるデザインは、アウトドア派やカジュアルなスタイルにもぴったり。10000mAhバッテリーを内蔵し、最大7時間のコードレス使用ができる。
【ポータブル電源】
7.Jackery ポータブル電源600 Plus
電気毛布やブランケットなど、電気を使った暖房器具を使う際に便利なポータブル電源。電気毛布や電気湯たんぽ、携帯の充電など最大6台の機器に同時に給電できる。
コンパクトな設計のため、車内に置いても場所をとらず扱いやすい。安全基準もクリアしていて安心だ。キャンプや車中泊などのアウトドアシーンにぴったりのおすすめモデル。
【湯たんぽ】
8.POST GENERAL 電気式湯たんぽ
充電式で繰り返し使える便利な湯たんぽ。約15分の充電で、布団や寝袋内で7時間、膝上などで3時間ほど暖かさをキープする。
フリース素材を使用したコミカルな柄のデザインもポイント。カバーはファスナーテープ式で取り外して、簡単に洗濯できる。
9.マルカ 湯たんぽ
湯たんぽの専門メーカーが手がける、昔ながらのアルミ製湯たんぽ。水を入れて直火やIH、ガス、焚き火で暖めるだけで使える。焚き火で使用する際は、ススが付着するため注意が必要だ。口金部分のスリット設計により、水切れが良く内部に水が残りにくい。
肌触りの良い専用カバーが付属しており、優しい暖かさをキープする。シンプルながら安全性に優れ、キャンプや車中泊好きにもファンの多いアイテムだ。
【ネックウォーマー】
10.ROCKBROS ネックウォーマー
首からの冷気をしっかりとガードし、フェイスカバーとしても使えるネックウォーマー。防寒性に優れた裏起毛のフリース素材でつくられており、柔らかい肌触りと抜群の暖かさを実現する。寒さが厳しい車中泊やキャンプシーンで大いに役立つアイテムだ。
顔まで覆うことができる設計により、冷たい風や粉雪からも肌を守る。軽量でコンパクトなため携帯性にも優れ、使わない時はバッグにすっきり収納可能。寒い季節には必須の防寒アイテムとして、日常使いからアウトドアまで幅広く活躍できる。
【ルームシューズ】
11.MIZUNO
内側にふかふかの中綿を封入したルームシューズは、足元の冷え対策として効果抜群。足裏には滑り止めがついており、自宅でのフローングからテントシューズ、車中泊時など幅広く使える。
内側の底部分もボア仕様になっているためさらに防寒性がアップ。甲上部のゴムベルトはしっかりと足をホールドしてくれ、シューズのなかで足がずれにくい。
秋冬の車中泊はしっかりと対策をして「寒さ」すら楽しもう!
秋冬の車中泊において防寒対策はマストだが、しっかりと防寒対策さえすれば楽しさにも変えることができる。さまざまなアイテムを有効に活用して、車内をいかに快適にするか工夫するのも車中泊の醍醐味のひとつ。秋冬にしか出会えない景色や、寒いなか食べる料理など、その先の楽しさを体験してみよう