ブラッド・ピット、アメコミ映画は「やめろ、死ぬぞ」若手に警鐘 ─ ハリウッドの風潮に危機感
いまやハリウッド屈指の重鎮スターとなったブラッド・ピットが、昨今のハリウッドをとりまく「フランチャイズ主義」に、俳優としての危機感を抱いていることを明かした。
映画『F1/エフワン』で、一度は引退した伝説のレーサー役を演じたピット。過酷なレースの世界で若い世代とぶつかり、最終的には彼らを引っ張ってゆく“老兵”を演じきったが、自身もハリウッドでキャリアを重ねてきた今、業界の変化をどう見ているのか?
ポッドキャスト「」では、具体的な名前こそ挙げなかったものの、新世代の役者たちを快く受け止めていることを語った。「僕は、新しい世代が持ち込んでくるものを見るのが好きです。彼らが課題に直面し、それらをいかに切り抜け、乗り越えていくのかを見るのはいいものですよ」。
ピットが強調するのは、自分自身が若手だった当時と現在のハリウッドに大きな違いがあることだ。新しい世代は、課題にぶつかることさえ「楽しんでいる」という。
「僕たちはもっとピリピリしていて、とにかく演技のことばかりでした。自分を安く売るな、信念を持ってやれと。けれども今の時代は、“僕たちはいろんな分野でアーティストになれる。まずはやってみよう、楽しもう”という感じ。」
ただしピットが警鐘を鳴らすのは、以前はなかったひとつの風潮だ。「彼らは“フランチャイズに出なければいけない”とか、“スーパーヒーロー映画に出るべきだ”という問題に囚われてしまいかねません。僕は、“やめろ、やめろ! 死ぬぞ!”と何度も言っているんです」。
笑顔を見せ、ユーモラスな語り口ではあるが、フランチャイズ映画への警戒感があることは確かだ。ホストが「死ぬまで働かされますよね」と口にすると、ピットは「その通り」と応じている。
ちなみにピットの発言は、同じく長年にわたりトップを走り続けてきたレオナルド・ディカプリオの言葉にも重なる。新世代スターの代表といえるに対し、「NOハードドラッグ、NOスーパーヒーロー映画」とというエピソードがあるのだ。
これまで、ピットは『オーシャンズ』シリーズを除いてフランチャイズに出演せず、スーパーヒーロー映画にも『デッドプール2』(2018)へのカメオ出演でしか参加してこなかった。現在は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2018)の新作映画をほか、『F1/エフワン』の続編もというから、フランチャイズ展開を拒んでいるわけではないのだろう。ただしピットの場合、若手俳優とは発言権の大きさも、キャリアの厚みも違うのだ。
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