「今年の夏は『着せ恋』一色になってくれたら嬉しいなと思います!」──『その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする』 Season 2 喜多川海夢役・直田姫奈さん×五条新菜役・石毛翔弥さんインタビュー
2022年の『Season 1』放送から約3年……ついにTVアニメ『着せ恋』が帰って来る! 2025年7月5日(土)24:00より、TOKYO MX、BS11ほかにて順次放送の『その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする』 Season 2が放送開始となります。
これを記念し、アニメイトタイムズでは喜多川海夢役・直田姫奈さんと五条新菜役・石毛翔弥さんへインタビューを実施! アフレコの様子をはじめ、海夢と新菜の関係性の変化など、『Season 2』の魅力をたっぷりと語っていただきました。
『Season 1』から変わらぬ良さと、『Season 2』に向け変化した環境でさらに強固な結束を見せるアフレコ現場。『着せ恋』ならではのピュアな輝きが詰まったインタビューをお楽しみください!
【写真】夏アニメ『着せ恋』Season 2 直田姫奈×石毛翔弥インタビュー
「ついに始まるんだ……!」3年間で積もった嬉しさと期待
──『Season 2』の放送を控えた今のお気持ちをお聞かせください。
喜多川海夢役・直田姫奈さん(以下、直田):また海夢ちゃんとごじょー君に会えて嬉しいです!
──ファンも続編の放送を、今か今かと待っていました。
直田:3年前のイベント(『テレビアニメ「その着せ替え人形は恋をする」~マ!?みんなに会えてヤバヤバのヤバなんだけどっ!~』)の際に、制作決定と発表されてから、私もファンのみなさんと同じ気持ちで、「いつやるんだろう?」と楽しみに待っていました。
ただ、いざアフレコが始まるとなると、「3年経ったけれど、海夢ちゃんを演じられるかな……!」という不安な気持ちもあって。海夢ちゃんたちの時系列で言えば夏休み明けの数週間しか経っていませんが、私たちは3年が経ち、その分歳も重ねていますから。
『Season 1』で『着せ恋』を知って「見てみようかな」と、そのままご覧になった方がたくさんいらっしゃったと思います。対して『Season 2』は、「待ってたよ!」と思いながら見てくださる方が多いと思っています。その期待に自分は応えられているのか……そんなドキドキがありました。
五条新菜役・石毛翔弥さん(以下、石毛):この3年間で、『Season 2』の放送を心待ちにする声を様々な方々からいただいていました。実際に収録が始まるとなった際、スケジュール欄に仮のアフレコの日が急に入れ込まれていて、「ついに始まるんだ……!」と驚いた記憶があります。
──スケジュール欄で、アフレコの開始を知ったのですね。
石毛:そうなんです。「しれっと入ってる!」と思いました(笑)。これからまた五条くんを演じることができるんだ、という楽しみな気持ちと、3年の間にハードルが上がっていた感覚もあって、プレッシャーを感じていました。もちろん楽しみな気持ちのほうが大きかったのですが、アフレコが始まるまでは複雑な気持ちでもありました。
──そんな本作のアフレコはどのような雰囲気で行われたのですか?
石毛:コロナ禍中に行われていた『Season 1』の収録と圧倒的に変わったのは、スタジオに集まるキャストの人数でした。当時は最大でも4人ほどで行われていたのが、登場キャラクター数も増えたことも相まって、『Season 2』スタートから『着せ恋』ならぬ人数感だったといいますか……(笑)、最初の話数からワイワイ収録させていただけたので、楽しい始まり方をしたなと思います。
直田:本当に人が多くて、ビックリしながらアフレコをしていましたね。対して、スタッフさんたちの作品への真摯な向き合い方や、妥協をしない環境は『Season 1』から変わらなかったところかなと。むしろ今回のほうが熱くなっているのではないかと思うくらい、高い熱量のもとで毎話録っていただきました。
あと……監督、『Season 1』のときより、ちょっとフレンドリーになりましたよね?(笑)
一同:(笑)。
石毛:あはは! ちょっと語弊がありますよ!(笑)
──『Season 1』を経て、さらに、ということですね(笑)。
スタッフ:「フレンドリーに」「現場で笑顔」が、『Season 2』の目標だったようです。
直田:そうだったんだ! 気づけてよかったです!(笑)
石毛:(笑)。『Season 2』は、アフレコが終わると必ず外で待っていてくださって、「今日もとても素敵でした!」と拍手で迎えてくださったんです。
直田:そうそう! 『Season 1』とは違ってスタッフさんとの距離が縮まった状態でのアフレコだったので、とても嬉しかったです。スタッフさんたちとも交流ができたことで、「一緒に作っているんだ」と感じることができました。より強いチームになったなと感じています。
──熱意はそのままに、結束がさらに強固なものになったアフレコだったのですね。
直田:「やるぞ!」みたいな雰囲気がありましたね!
石毛:『Season 1』から引き続きご出演されているみなさんはもちろん、『Season 2』から新たに仲間に加わったキャストのみなさんも、元々原作を読んでいて、『着せ恋』を好きな方が多くて。そういった意味でも良い現場になったな、と思います。
──先ほど直田さんが、3年ぶりに役を演じることについて「不安な気持ちもあった」とおっしゃっていましたが、アフレコを進めていく過程ですんなりと役に戻っていけたのでしょうか。
直田:元々、アフレコの準備をする段階で『Season 1』を見返すなどして調整はしていました。いざ演技を音響監督に聞いていただくと、「『Season 1』からそのままだよ!」「二人とも、その調子で」とおっしゃっていただいて。海夢ちゃんでいられたんだ、と安心しました。
「キャラクター感を掴み直す」という観点で言うと、苦労はそれほどなかったのですが、『着せ恋』はとにかく会話のテンポが早くてセリフ量も多いので、「これが『着せ恋』だ!」と、アフレコが進む中で思い出してきて。洗礼を浴びながらアフレコに臨みました(笑)。
──『着せ恋』ならではのテンポ感があるのですね。
直田:間を置かずに次々とシーンが変わっていく場面もあって、それが『着せ恋』の魅力のひとつでもあると思っています。そんなスピード感を体感して、「そうそう、これこれ!」と思いながら収録していました。
──石毛さんは、キャラクター感を掴み直すことについて、いかがでしたか?
石毛:『Season 1』を見返したり、原作を読み返したりして準備をしていたこともあり、「五条くんって、どんなキャラクターだっけ?」となることは一切ありませんでした。あと、これは『Season 1』から変わらない意識なのですが、演じる僕がなるべく邪な気持ちを持ち込まないように、『Season 2』ではより心がけて収録に臨んでいます。
『Season 2』の最初の話数で五条くんが「行動力……!」と言うシーンがあるんです。再度役を演じるにあたって緊張はあったのですが、そのセリフを言ったことで、すべての感覚が戻ってきました。「そうだ。五条くんはコレだ」って(笑)。そのシーンのあとは少し落ち着いて、すんなりと五条くんを演じることができました。
──『Season 1』第1話の「なんですって?」などの、特に印象的なセリフに通ずるニュアンスだったのでしょうか。
石毛:そうですね。『Season 1』の要所で表現したニュアンスが重なってきたときに、指針を掴むことができたといいますか、すんなりと入ってきました。
──そんな『着せ恋』は、キャラクターが持つ「好き」という気持ちが原動力となり、物事に取り組んでいきますが、お二人が感じる、ご自身の「好き」がもたらす原動力とは何でしょうか?
直田:私は漫画やアニメが好きで、その想いだけでこの業界に飛び込みましたし、その気持ちだけで、今もお仕事を続けさせていただいています。なので、好きの原動力が人生を作っているのかなと。ちょっと壮大ですが……(笑)。
プラスαとして、自分が演じさせていただくキャラクターたちのことも、本当に我が子のように可愛くて大好きなんです。大好きな子たちを自分が演じるということは、その子たちを輝かせられるのは自分自身じゃないですか。そう思うと、お芝居もより頑張りたいと思いますし、最高のものにしようと思う。好きだからできることなのかなと思います。
──本作のアフレコやイベントなどで、一緒に過ごすことも多かったと思いますが、石毛さんは直田さんの「好き」の原動力を感じられる瞬間はありますか?
石毛:イベントもアフレコも、お芝居の際も、お話をしているお姿を見ていて、好きなものに対しての愛や熱量が言葉から伝わってきています。その熱が周りにも伝播しているのかなと思いますね。
──石毛さんの「好き」の原動力についてもお聞かせください。
石毛:やはり大前提として僕はお芝居が好きだからこそ、このお仕事も頑張れていると思っています。それに加えて、ここ最近は特に、僕が関わらせていただいた作品において、「僕ではなく僕が演じたキャラクターが良かった」と思ってもらえることに喜びを感じます。演者の顔が浮かばないのは声優冥利に尽きるといいますか。
「一緒にお芝居をしていて楽しい」「一緒にお芝居をしたい」と思っていただける同僚の方、スタッフの皆様がこれからも増えたら嬉しいなと思います。このような気持ちが、今お仕事をするうえで原動力といいますか、そんな役者になりたいと思いながら仕事をしています。
──ご共演されている直田さんは、実際に石毛さんのお芝居をご覧になられていかがですか?
直田:私が「ひとまずやってみよう!」という気持ちでどんな変化球を投げても、全部受け止めてくれるんです。何事も冷静に、お芝居を返していただけるので、臆することなく投げちゃえる人、球を受け取ってくれる方だと思っています!
今年は『着せ恋』一色の夏に!
──『Season 1』にて距離が縮まり、視聴者がヤキモキしてしまうような関係性の海夢と新菜ですが、直田さんと石毛さんが考える『Season 2』における二人の関係性の魅力について教えてください。
直田:『Season 2』においては、ごじょー君に対する気持ちがよりハッキリした海夢ちゃん、という描写が多いのかなと思います。『Season 1』から、恋心が成長しつつあるのかな。
『Season 1』でも、おうちデートの妄想などをたくさんしていた海夢ちゃんですが、まだ気持ちがポワポワしている段階だったんだと思います。
石毛:五条くんの視点で言うと、縮まった距離感に本格的に気がつくのは、『Season 2』よりもっと先なんですよね。なので『Season 2』では、五条くんと喜多川さんの意図せぬすれ違いも描かれて、そこを楽しんでいただけるのかなと。
──新菜が海夢に向ける感情も複雑なものがありますよね。
石毛:そうですね。五条くんはまだ経験が少ないから、自分の感情がどのようなものなのかがわかっていないだけで、喜多川さんに対する何かしらの想いは絶対に持っていると思っています。
──そして、『Season 2』放送開始に向けて、様々なPVが公開されています。先日、スピラ・スピカさんの「アオとキラメキ」が使用された映像も公開されましたが、ご覧になっていかがでしたか?
直田:またスピラ・スピカさんにオープニングをご担当いただけることが嬉しかったです!
石毛:アフレコの素材としてVTRをもらった際には、もうOPの音源が入っていて。流れたものを聴いた瞬間に「幹葉さんだ!」と思いました。『Season 2』では爽やかなシーンも多く描かれますので、幹葉さんの明るいハツラツとしたエネルギーがとても合っていて……個人的な思い入れも含めて、泣きそうになってしまいました(笑)。
直田:わかります! 幹葉さんの歌声で、爽やかに『着せ恋』が始まるのが嬉しいですし、ファンの方も幹葉さんの歌声を聴いて『着せ恋』が始まる感覚を持っている方々も多かったと思いますから。
映像も『Season 2』から登場する新キャラクターが登場していて。色がついて、しっかりと動いている新キャラクターたちを映像で見るのはPVが初めてだったので、「可愛い……!」って思いました! ファンのみなさんと同じ様な高まり方をしていたと思います(笑)。
──キャラクターもヌルヌルと動いて、超美麗な映像でしたよね。
石毛:ヌルヌルでしたね! 喜多川さんがスマホの画面をスクロールする指の動きとか。
直田:細かいなぁって思いました(笑)。
石毛:あの細かさが随所に全編通して組み込まれているので、楽しみにしていただければと思います。
──そんな『Season 2』の中で、お二人が注目してほしいキャラクターについて教えてください。
石毛:これだけは言いたかった! 宇佐見さんです。
直田:うんうん!
石毛:実は『Season 1』のときから宇佐見さんの登場を楽しみにしていました。『Season 2』では宇佐見さんが登場するのか、登場するならどのように出てくるのか気になっていて。アフレコをしていて、「こういう風に出てくるのか……!」と思いました。
ユザワヤさんのシーンで掛け合いをさせていただきましたが、本当に素敵でしたね。ずっと楽しみにしていたシーンだったので、より感慨深く感じました。
きっと宇佐見さんの登場を楽しみにしているのは僕だけじゃないと思うんですよね。みなさんが期待しているようなシーンになっているのではないかと思います。
直田:アフレコ現場でも「宇佐見さん、待ってました……!」と二人で言っていて(笑)。
石毛:(笑)。
直田:きっとみなさんもそう思っていただけると思いますので、宇佐見さんのシーンは必見でございます!
あとは、みなさんが気にされているのは(姫野)あまねさんかなと。原作を読んでいて、あまねさんの声を勝手に想像していたのですが、いざ蓋を開けたら本当に想像の通りで……! ご本人にはお伝えしていないのですが、アフレコをご一緒できて、あまねさんを演じてくださって……。私は幸せでした。
──「楽しかった」「嬉しかった」を飛び越えて「幸せでした」なんですね(笑)。
直田:幸せでした! もちろん声優として学ぶことも多かったですし、ただのオタクとしても「本当にありがとうございます!」という気持ちでした。
──そして、『Season 1』に引き続き、「その主人公声優は服を縫う」も「Season 2」として復活するとのことですが、意気込みをお聞かせください。
石毛:先生にご指導いただきながら、今回もイチから服を縫います。『Season 1』のときから「縫いたいな」「縫えたら素敵だな」と思っていた候補衣装がありまして、それを縫えることになりました。
前回は未経験という免罪符があったのですが、今回は3年のブランクはあるものの、一度完成させてしまったがゆえのプレッシャーもあって……(笑)。ミシンもそうですが、全体的な出来栄えに関しても、前回よりも精度を高めて作れたらいいなと思います!
──直田さんから石毛さんにエールをお願いします。
直田:3年間貯めていた「縫いたい!」という欲が解放される企画だと思いますので、思う存分縫ってもらいたいなと(笑)。この企画では、私が協力できることがあまりなくて歯痒いのですが……身体を壊さないように頑張ってほしいです!
──ありがとうございます。最後に、『Season 2』の放送を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。
石毛:『Season 1』からピュアな物語が展開された『着せ恋』ですが、『Season 2』ではよりキャストが増えて、より熱い、キラキラした青春が描かれます。3年間楽しみに待っていただいたと思いますが、引き続き『着せ恋』を応援していただけたらと思っています!
直田:“青春らしい青春”、“高校生の青春”を感じることができるお話から、ラブコメ全振りの甘酸っぱい恋のお話など、広い振り幅で色々な楽しみ方ができるのが『Season 2』です。
二人のキュンキュン、ピュアピュアな恋を見て、「やられちゃうぜ!」と思うときもあれば、一緒になって応援したくなるシーンもあります。もう……没頭して見てください(笑)。思わず引き込まれる作品になったと思いますので、ぜひのめり込んで、今年の夏は『着せ恋』一色になってくれたら嬉しいなと思います!
【インタビュー:西澤駿太郎 撮影:胃の上心臓 編集:太田友基】