【OK/NG事例でわかる】介護職の心構え3ヵ条!プロ意識が身につくマインドセット
介護の現場では、介護技術と同じくらい「心構え」が大切です。
「準備不足で先輩に迷惑をかけた」、「指示がないと動けなかった」などは新人時代に誰もが一度は経験する場面です。とはいえ「気をつけよう」と思うだけでは、行動を変えるのは難しいもの。
今回は、新人介護士「カイゴさん」とおせっかい猫の「うめ」との会話を通して、今日から現場で使える心構え3ヵ条を具体例付きで解説します。
登場キャラクター
カイゴさん
現場に入って間もない新人介護士1年目。分からないことだらけでも日々奮闘中!
うめ
介護に詳しくて、少しおせっかいな猫。カイゴさんの頼れる相談役。
1.事前準備で先回り行動をする姿勢
NG:約束の時間に間に合わず焦ってしまう状態
朝の送迎の時間が近づいているにもかかわらず、必要なものが見当たらないカイゴさん。
カイゴさん
あれ…送迎用の連絡帳が見当たらない…!はやく見つけないと遅刻だ!
慌てて集合場所へ向かったものの出発の時間に5分遅れてしまい、利用者さんや先輩に迷惑をかけてしまいました。
カイゴさん
うめさん聞いてください…。今日送迎に遅れてしまって…。
うめ
あら、大変でしたね…。何かあったんですか?
カイゴさん
それが…連絡帳が見つからなくて、探していたんです…。結局見つからなくて、利用者さんを待たせてしまいました…。
うめ
それは焦りますね…。
カイゴさん
そうなんです…。なんでいつも約束の時間に間に合わないんでしょう…。
うめ
カイゴさんは、どうすれば余裕を持って行動できると思いますか?
カイゴさん
うーん…先に必要になるものを準備しておくとか…?
うめ
そうですね!前日に少し準備の時間をとるだけで、気持ちのゆとりを持つことができますよ。
カイゴさん
なるほど!基本的なことだけど、目の前の仕事に追われて、事前に準備ができていませんでした。
うめ
では、具体的な準備の方法を一緒にみていきましょう!
OK:事前準備で先回り行動ができる状態
カイゴさんは前日のうちに連絡帳と必要書類をカバンにセットしておき、朝は出発の15分前に準備が完了しました。
カイゴさん
今日は事前に準備したおかげで余裕があるから、先に利用者さんの情報や道順を確認しておこう。
カイゴさんは余裕をもって送迎の準備を終え、出発時間の前に必要な情報を確認しておくことができました。
カイゴさん
うめさん、前日準備したら時間の余裕も、気持ちの余裕もできました!
うめ
素晴らしいですね!あと、時間に余裕があると、気持ちに余裕ができるので思いがけないことが起きても対応できるんですよ。
カイゴさん
確かに!今日の送迎時に少し渋滞してましたが、早めに行動したおかげで時間通りに着きました!
うめ
いいですね!それが利用者さんやご家族様との信頼関係構築の第一歩ですよ!
POINT
・準備は直前ではなく事前が基本
・15分前行動でミスや忘れ物を防ぐ
・余裕を持つことで信頼・安心感が生まれる
2.主体的な行動と+αの提案
NG:指示を待っているだけの姿勢
午後のレクリエーションで、習字をすることになりました。準備の時間になりましたが、カイゴさんは何をして良いのかわからず先輩の指示があるまで待っていました。
カイゴさん
何かした方がいいのかな…?でも何も言われてないし…どうしよう…?
そうこうしているうちに先輩が慌ただしく道具の用意を始めます。カイゴさんも急いで準備するものの、時間がかかってしまい、スムーズなレクリエーションの開始ができませんでした。
カイゴさん
ってことがあったんだけど、あの時どうすればよかったんだろう…?
うめ
その時、何をすればよいか分からなかったんですね。
カイゴさん
そうなんです…。指示がなかったから、余計なことをして迷惑をかけたくなくて…。
うめ
その考えも大切ですね。ただ、現場では「いま何が必要かを観察する力」も求められるんです。
うめ
では、その時の現場を思い出してみましょう!カイゴさんなら何ができたと思いますか?
カイゴさん
うーん…。あの時、墨汁や筆は先輩が用意していたから、先に習字用の紙や筆を洗うためのバケツを用意しておいた方がよかったかもしれません…。
うめ
いいですね!まずは今なにが必要かしっかり観察すること。それが主体性を持つ姿勢の第一歩ですよ!
うめ
では、具体的な行動例を見てみましょう!
OK:状況観察から行動プランを考える姿勢
カイゴさん先輩、そろそろレクリエーションで習字をする時間ですよね。机の上に必要なものを準備しておきます!注意事項もあれば教えてほしいです。
指示を待つだけでなく、自分で気付いたことを実際に行動に移したおかげでスムーズに準備を進めることが出来ました。
カイゴさん
うめさん、自分から動いてみたら、レクリエーションがスムーズに始められて利用者さんにも喜ばれました!
うめ
素晴らしいですね!観察して、考えて、行動する。それが現場では大切なんですよ。
カイゴさん
他にも、利用者さんに分かりやすいよう、習字のお手本を掲示することを提案してみました!
うめ
おぉ!指示されたこと+αの行動までできていますね!素晴らしいです!
カイゴさん
ありがとうございます!普段から色々な気付きをメモして、自主的に行動できるよう意識します!
POINT
・気づいたことを行動に起こす
・指示を超えた「+α」の行動を提案する
・「あったらいいな」をメモして改善案を蓄積する
3.失敗を学びに変える気持ち
NG:落ち込んだまま振り返り不足
カイゴさんは、車いすの移乗介助中、車いすのフットサポートに利用者さんの足をぶつけてしまいそうになりました。
カイゴさん
すみません!大丈夫ですか?
幸い怪我には至りませんでしたが、その後、カイゴさんは落ち込んだまま一日を過ごし、介助に苦手意識をもつようになってしまいました。
カイゴさん
うめさん…さっき危うく利用者さんに怪我をさせそうになってしまって…もう介助するのが怖いです。
うめ
それは辛かったですね…。今はとても怖いかもしれませんが、落ち着いてから一度失敗と向き合ってみるといいかもしれません。
カイゴさん
そうですね…。同じ失敗を繰り返さないように、振り返りやってみます!
うめ
素晴らしい!自分の失敗を分析することは、必ず今後の成長につながりますよ!
うめ
では失敗を今後に活かす具体的な方法を見てみましょう!
OK:失敗を次に活かす工夫で再発防止
カイゴさん
昨日の失敗は車いすのフットサポート位置の確認不足が原因でした。移乗介助前のチェックリストを作成したので確認していただけないでしょうか?
カイゴさんは失敗を次に活かすため、移乗介助の際に確認すべきポイントをまとめたチェックリストを基に先輩に相談しました。先輩はカイゴさんと一緒にチェックリストを確認しながら、安全な移乗介助方法を教えてくれました。
カイゴさん
うめさん、チェックリストを使って先輩に相談したら、より安全な介助方法を教えてくれました!
うめ
おぉ!何が起きたか、なぜ起きたかだけでなく、どう改善するかも含めて自分のミスを分析できていて、素晴らしいです!
カイゴさん
ありがとうございます!フットサポートの確認だけでなく、声かけのタイミングも工夫してみました!
うめ
素敵です!失敗を恐れるのではなく、次への学びに変えられていますね。
カイゴさん
はい!失敗した時は辛かったけど、今は貴重な経験になったと思えます!
うめ
その前向きな姿勢が成長につながっているんですね!
POINT
・失敗の原因とそこからどう改善するかを記録する習慣をつける
・毎日5分でも振り返る時間を確保する
・チェックリストを作成し、失敗を次回の成功に活かす
まとめ:介護の心構え3ヵ条!
うめ
今回の話をまとめると「介護の心構え」3ヵ条は以下の通りです!
カイゴさん
なるほど!この3つを意識して、一人前の介護職員を目指します!
この心構えは、介護の現場だけでなくどんなビジネスの現場でも役立つものです。自分ひとりで頑張るのではなく、先輩や同僚も含めたチームで協力していくことで、自分の成長だけでなく、チーム全体の成長にもつながります。
うめ
次回は『タスクの整理方法と優先順位の付け方』を紹介!新人介護職の皆さん、次の更新もお見逃しなく!
カイゴさん
次回も必ずチェックします!