【育児と仕事の両立を実現!】毎日忙しく働くママやパパに大切なこと[専門家監修]
毎日の家事に追われ、「子どもとの時間が足りない」「仕事との両立がうまくいかない」と悩む方も多いのではないでしょうか?
たとえば、フルタイムで働くママのAさんは、仕事を終えた後に保育園へ急ぎ、帰宅後はすぐに夕食の準備や子どもの入浴をこなしています。しかし、気づけば子どもとの触れ合いはわずか30分程度。これに罪悪感を感じ、体力的にも精神的にも疲れてしまう日々が続いていたそうです。
ですが、工夫を取り入れれば、こうした負担を軽減し、無理なく育児と仕事のバランスを取ることができます。
この記事では、絵本未来創造機構代表の仲宗根敦子さん監修のもと、仕事と育児の両立を成功させるためのポイントを紹介します。育児と仕事の両立に悩むすべてのママやパパに、役立つ情報をお届けします。
育児と仕事の両立に悩むママやパパたちはたくさんいる
多くのママやパパが、育児と仕事の両立に苦労しています。たとえば、乳幼児を育てる家庭では次のような悩みがよく挙げられます。
子どもの世話や家事に追われ、自分の時間が全く取れない将来のキャリアプランが見えず、不安を感じる仕事中も子どものことで頭がいっぱいになり、集中できない
これは決して他人事ではなく、現代の多くの家庭が直面している課題です。特に共働き家庭では、両親がそれぞれの役割を曖昧にしたまま育児や家事を進めると、どちらか一方に負担が偏りがちです。
育児と仕事の両立を難しくする3つの要因とは?
育児と仕事の両立に悩む人のほとんどが、家事・育児の負担、家族からの協力不足、仕事への集中ができないという3つの課題に直面しています。これらの要因は、特に乳幼児を持つ親にとって深刻な問題となっており、キャリアの継続に大きな影響を与えています。
ここからは、育児と仕事の両立を難しくしている3つの要因について解説します。これらの要因を把握することで、より効果的な両立の方法を見出すことができるでしょう。
家事の負担
大きな負担のひとつが毎日の「料理」。献立を考えるだけでも頭を悩ませる上、買い物や調理、片付けまでセットで対応する必要があります。お子さんが小さいと献立のメニューを変える必要があったり翌日のお弁当作りがあったりと、「料理」は家事の中でも大きな負担になっていると思います。
改善例
Bさん夫婦は、週末にまとめて食材を買い込み、夫婦で一緒に作り置きをするようにしました。平日の夕食準備はレンジで温めるだけで済むようになり、家族で過ごす時間が大幅に増えたそうです。
家族からの協力不足
「夫が育児に関わらない」「パートナーとの役割分担が曖昧」という声は多く聞かれます。こうした状況は、特に片方の親にとってストレスの大きな原因です。
改善例
Cさん夫婦は毎週日曜夜に「家庭会議」を行い、翌週の予定や育児・家事の分担を話し合っています。「次の週はパパが保育園の送迎を担当する」「ママは土曜の午後に1人時間を取る」など、役割を明確にすることで協力体制が整いました。
(※参考/WLBが家庭及び家族に与える影響について 東京都産業労働局が出している資料によると夫の家事・育児への関わりが高く、妻のストレスが低い家庭では、子どもの社会性の発達も良好であることが示されています)
仕事への集中困難
子どもの急な発熱や保育園からの呼び出しで、予定外の休暇が必要になることもあります。また、育児による睡眠不足が仕事のパフォーマンスに影響を与えることも。
改善例
Dさんは職場の上司に相談し、週に2日は在宅勤務に切り替えました。これにより、子どもの急な体調不良にも柔軟に対応できるようになり、仕事への集中力も上がったそうです。
在宅勤務制度やフレックスタイム制の活用により、より効率的な業務遂行が可能となります。相談できる人は一度会社/職場と話し合ってみてもいいかもしれません。
働くママやパパの1日のタイムスケジュール例
育児と仕事の両立において、効率的な時間管理は必要不可欠です。フルタイムで働くママやパパのほとんどが時間管理に課題を感じており、特に朝の準備から夜の家事まで、限られた時間を最大限に活用する工夫が求められています。
ここからは、フルタイム勤務とパートタイム勤務の具体的なタイムスケジュール例を紹介し、時間管理のコツを説明します。これらの例を参考に、ご自身の生活リズムに合った効率的な時間の使い方を見つけてみましょう。
フルタイム勤務の場合
フルタイム勤務の場合、効率的な時間管理が育児と仕事の両立の要となります。以下に、1日のタイムスケジュール例を紹介します。
5:30 起床、朝食準備、お弁当作り6:30 子どもを起こし、着替え、朝食7:15 保育園の準備、身支度7:45 保育園送り8:30 出社17:30 退社18:15 保育園お迎え(延長保育)19:00 帰宅、夕食準備19:30 家族で夕食20:30 子どもの入浴、寝かしつけ21:30 家事(翌日の準備、洗濯など)22:00 リフレッシュタイム22:30 就寝
フルタイムで働くEさんは、時間の「見える化」で生活を整えました。次のような工夫をすることで、育児の質を落とすことなく仕事もこなせています。
朝は夜のうちに準備しておいた服や持ち物を使ってスムーズにスタート夕食は平日の手間を減らすため、休日に作り置きしたおかずを活用子どもとのお風呂時間を「今日あったことを話す場」にすることで、短時間でも密なコミュニケーションを取る
このスケジュールのポイントは、「前日準備の徹底」と「時間の見える化」です。特に朝の時間帯は、前夜に衣類の準備や持ち物チェックを済ませておくことで、余裕を持った行動が可能となります。
また、夕食は作り置きや時短レシピを活用し、入浴は子どもと一緒に済ませるなど、時間の効率化を図ることが重要です。さらに、週末に翌週分の献立を決めて食材をまとめ買いすることで、平日の負担を大幅に軽減できるでしょう。
パートタイム勤務の場合
パートタイム勤務では、勤務時間を調整することで、育児と仕事のバランスを取りやすい特徴があります。
6:30 起床、朝食準備
7:00 子どもを起こし、着替え、朝食7:45 保育園の準備、身支度8:15 保育園送り9:00 出勤15:00 退勤15:30 買い物、家事16:30 保育園お迎え17:00 公園で遊ぶ18:00 帰宅、夕食準備18:45 家族で夕食19:30 子どもの入浴20:30 寝かしつけ21:00 残りの家事、翌日の準備21:30 リフレッシュタイム22:00 就寝
パート勤務のFさんは、退勤後の時間を育児に最大限活用しています。15時に仕事を終えた後は、保育園の迎えや夕方の公園遊びを通じて子どもとのふれあいを増やしました。
このスケジュールの特徴は、午後の時間を有効活用できる点です。特に15時以降の時間帯を活用し、買い物や家事をこなすことで、夜の時間帯にゆとりが生まれます。
また、子どもとの触れ合い時間を確保しやすく、公園遊びや習い事の送迎なども組み込みやすいのが利点です。ただし、限られた勤務時間内で業務を完了させるため、仕事の優先順位付けと効率化が重要となります。
育児と仕事を両立させるための8つのポイント
多くのママやパパは「どのように両立を実現すればよいのか」という悩みを抱えていますが、実践的なポイントを押さえることで、より充実した両立生活を送ることができます。
ここからは、実際に育児と仕事の両立を成功させる8つのポイントを紹介します。
日々の生活ですぐに実践できる方法となっており、育児と仕事の両立をより円滑にする助けとなるでしょう。
1.完璧主義になりすぎない
育児と仕事の両立において、完璧を求めすぎることは逆効果となります。実際、完璧主義的な考えを持つとストレスや燃え尽き症候群になる可能性もあるため注意が必要です。
重要なのは「ほどほど」の基準を設定することです。たとえば、家事は「きれいな状態を保つ」ではなく「衛生的に保つ」、仕事は「常に120%の成果」ではなく「求められる水準を確実にクリア」といった具合です。
特に効果的なのは「80%でOK」という心構えです。これにより、精神的な余裕が生まれます。完璧を目指すのではなく、バランスの取れた状態を目指すようにしましょう。
2.罪悪感を持たないようにする
仕事と育児の両立において、罪悪感は最も克服すべきものです。子供との時間が取れない罪悪感や仕事に集中できていない罪悪感などさまざまです。
どうしても時間が取れないという人は「質」を意識しましょう。15分でも集中して向き合う時間を作るなど、できることから始めるのがおすすめです。仕事に関してもかけた時間よりも結果につながる仕組み作りが大切です。
罪悪感から解放されることで、より前向きな気持ちで両立に取り組むことができます。
3.優先順位の明確化を図る
忙しい毎日の中で、「あれもこれもやらなきゃ」と焦ること、ありますよね。でも、すべてを完璧にこなそうとすると、かえって疲れてしまうものです。そんな時におすすめなのが、やることに優先順位をつけることです。これは「緊急性」と「重要性」の2つの軸で考えると、とてもわかりやすくなります。
たとえば、子どもが急に発熱した場合、それは「緊急かつ重要」です。一方、定例会議は「重要だけど緊急ではない」かもしれません。このように分類することで、今すぐやるべきことと、少し後回しにできることが見えてきます。
やりやすくするための工夫
毎週日曜日に、1週間の予定をざっくり立ててみましょう。そして、やることを以下のように分けてみてください。
A(最優先):必ずやらなければいけないことB(重要):時間を見つけてやるべきことC(あれば実施):余裕があれば取り組むこと
このように分けると、頭の中が整理されて気持ちも楽になります。そして、突発的な出来事が起きたとしても、「次に何をすべきか」が冷静に判断できるようになります。少しの準備で、毎日の時間をもっと有効に使えるようになります。
4.家族との協力体制を築く
家族との協力体制の構築は、育児と仕事の両立において必要不可欠です。
特に重要なのは、「誰が」「何を」「いつまでに」行うかを明確にすることです。たとえば、「パパは平日の夕食後の片付けと子どもの入浴を担当」というように、具体的な役割設定が効果的です。このような明確な分担により、家族全員がスムーズに協力できる体制が整います。
5.家事の時短を図る
家事の時短化は、育児と仕事の両立においてとても効果的な解決策のひとつです。
時短を実現する3つのポイントがあります。
動作の効率化便利な道具の活用ルーティン化
第1に、「動作の効率化」です。たとえば、洗濯物は畳まずにハンガー収納するなど、作業工程を見直します。
第2に、「便利な道具の活用」です。食洗機やロボット掃除機など、家電の活用で大幅な時短が可能です。
第3に、「ルーティン化」です。献立を固定化したり、掃除の順序を決めたりすることで、考える時間を省きます。
これらの工夫により、家事の質を落とすことなく効率化を図ることができ、育児や仕事により多くの時間を割くことが可能となります。
6.働き方の見直しをする
働き方の見直しは、育児と仕事の両立を実現する上で最も効果的な方法です。
特に効果的なのは、テレワークと時差出勤の組み合わせです。これにより、子どもの急な体調不良や保育園の送迎にも柔軟に対応できるようになります。実際に、これらの制度を導入している企業では、働くママやパパが仕事と育児の両立の満足度が向上したと言われています。働き方の見直しができそうな場合は会社/職場に一度相談してみるのもいいのではないでしょうか。
7.地域の子育て支援サービスの活用をする
地域の子育て支援サービスは、育児の負担軽減と子育ての質の向上におすすめです。主な支援サービスには、子育て支援センターでの育児相談や親子交流、一時預かり、病児保育、ファミリーサポート、訪問型の育児支援などがあります。
特に子育て支援センターでは、専門家による相談やほかの親子との交流機会が提供され、育児の孤立防止に効果を発揮しています。
これらのサービスを効果的に活用するには、まず地域の子育て支援センターに足を運び、利用可能なサービスの情報を収集することが大切です。地域によって提供されるサービスは異なりますが、積極的に活用することで、より充実した子育て環境を整えることができるでしょう。
8.子どもと触れ合う時間を確保する
子どもとの触れ合い時間は、量より質が重要です。効果的な触れ合い方には3つのポイントがあります。
子どもと向き合う時間を作る子どもと話す時間を作る移動時間も会話を楽しむ
スマートフォンやテレビを消して子どもと向き合ったり、寝る前の30分は必ず子どもと過ごす時間を確保したりするようにしましょう。また、通園や買い物などの移動時間も会話の機会として活用するのもおすすめです。
重要なのは、子どもと過ごす時間の「濃さ」です。たとえば、一緒にお風呂に入る、絵本を読む、今日あった出来事を聞くなど、短時間でも密度の濃いコミュニケーションを心がけることで、子どもは親からの愛情を十分に感じ取ることができます。
無理なく育児と仕事の両立をしよう
育児と仕事の両立は、容易なことではありません。しかし、完璧を求めすぎず、支援制度を活用し、家族との協力体制を築くことで、無理のない両立は十分に可能です。
特に重要なのは、自分なりの「ちょうどいい」バランスを見つけることです。育児も仕事も、100%の完璧さを求める必要はありません。時には手を抜くことも、助けを借りることも大切です。
ひとりで抱え込まず、周りのサポートを活用しながら、自分らしい両立スタイルを見つけていきましょう。