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バラのようなカップケーキや季節感じるマフィンがおすすめ!国立『Unicorn Bakery』でガツンと甘い欧米の味を楽しむ

さんたつ

国立 Unicorn Bakery

ツタが絡まる古い木造アパートに木枠のガラス戸、ブルーの看板に書かれた文字がノスタルジック。『Unicorn Bakery(ユニコーンベーカリー)』は、まるで絵本に出てきそうな店構えで、通りがかると足を踏み入れずにはいられない。ベイキング(ケーキやパンをオーブンで焼いて作ること)が上手だと評判の母と娘が開いたお店で、カップケーキやスコーン、マフィンをメインに週末にはシナモンロールなども並ぶ。

Unicorn Bakery(ユニコーンベーカリー)

子供のころから評判だった母の味でお店をオープン

『Unicorn Bakery』は、アメリカ育ちのイギリス人、塩原スーザン(しおばらスーザン)さんと娘の島澤安從里(しまざわあんじゅり)さんが2013年にオープンしたお店。

日本で「ベーカリー」というと、生地を発酵させて焼くパンをメインに扱う店を思い浮かべるが、『Unicorn Bakery』は焼き菓子がメイン。

「焼き菓子を売っているお店も、英語ではベーカリーと呼びます。週末には、発酵させて作るパンも並びます」と安從里さん。マフィンやスコーン、クッキーなどを中心に、毎日20種類近くが店頭に並ぶ。

塩原スーザンさんと島澤安從里さん母娘。

母のスーザンさんが日本に住むようになったのは50年近く前のこと。当時の日本はフランスパンがブームで、アメリカやイギリスで食べられるお菓子や、雑穀が入ったヘルシーなパンをお店で見かけることはほとんどなかった。

当時からスーザンさんはお菓子やパン作りが得意で、その味は友人たちの間で評判となっていた。外国人家庭から頼まれて、バタークリームでデコレーションしたバースデーケーキを作ったり、今も週末だけ店頭に並ぶセブン・グレイン・ブレッド、ハニー・オーツ・ブレッドなどを焼いたりしていたのだとか。

2017年には『ユニコーンベーカリーの焼き菓子』(世界文化社)として安從里さんがレシピ本を出版※現在は電子書籍のみ入手可能。

お店を開いたのは2013年で、安從里さんの子育てが始まったタイミングとほぼ同時期だ。安從里さんはデザインや絵の勉強をして、出産前は都内のインターナショナルスクールに勤務。やはり学校の子供たちのためにバースデーケーキを焼いて喜ばれていたのだとか。子育てを機に通勤しない働き方を模索した結果、ベイキングが上手な母と娘の2人でお店を開くことにした。

甘いものはしっかり甘く。ジャパナイズしない本場の味

『Unicorn Bakery』は、2人のルーツ、イギリスとアメリカのスタイルそのままの味が魅力だ。「外国人のお母さんがおやつに作るようなお菓子で、ジャパナイズしない本場の味です」と安從里さん。日本人の口に合うようなアレンジはせず、甘いものはガツンと甘い。週末にお店に並ぶシナモンロールも、シナモンがしっかり効いた味だ。

バラのようにバタークリームを絞ったカップケーキ320円。

『Unicorn Bakery』のお菓子の中でも、冷蔵ケースに入っているカップケーキは心ひかれる商品のひとつ。日本ではあまり目にしないような鮮やかなクリームは、バラのように絞られていて華やかだ。土台のカップケーキは甘さ控えめだが、上部のバタークリームは舌に砂糖の粒を感じるほど甘さがしっかり。

週末の人気商品、シナモンロールは大きさによって値段が異なり、小さいものが250円〜。ピーカンナッツが香ばしい。

毎日5種類ほど並ぶマフィンや、3種類ほどあるスコーンは甘さ控えめ。「アメリカのお菓子はすごく甘いイメージがあるけど、マフィンやバナナケーキなど朝ごはんに食べることも多いので、そんなには甘くありません」と安從里さん。

マフィンは常時4、5種類。リンゴなど季節に合わせたものも。

ひとつでお腹を満たせるボリュームがうれしいマフィンは、定番のブルーベリーやチェリー、バナナのほか、冬はリンゴを使ったものが登場。スコーンも冬には柚子を練り込んだものがお店に並ぶなど、季節を感じるラインアップも。

定番メニューのひとつ、コーンブレッドは300円。

コーンブレッドやビールを加えたビールブレッドなど、クイックブレッドと呼ばれる商品も並ぶ。発酵の力ではなく、ベーキングパウダーや重曹で生地を膨らませるパンで、やはり朝ごはんなどで食べられることが多い。

一般的なパン屋さんやケーキ屋さんでは並ばない、外国の日常的な味が試せることも『Unicorn Bakery』の魅力だ。

季節のイベントはにぎやかに。カラフルな店内演出

レモンをたっぷり使ったレモンバーは300円。日本で作っているお店はまだ少ない。

店名は、安從里さんが小さい頃から好きだという伝説の一角獣、ユニコーンからつけた。「いい意味で変わっているとか、ミステリアスとかスペシャルといった意味合いがあります。英語圏では『あいつはユニコーンだ』と褒めることもありますよ」とのこと。

ここ数年、素朴な焼き菓子をメインにしたお菓子屋さんは増えてきたが、あえて日本人好みに寄せないところがユニークな『Unicorn Bakery』。本格的な外国の味は、意欲的に参加している中央線沿線や多摩地区で行われるパンや焼き菓子のイベントでも大人気だ。

イベントがない時期にも、ふたりのセンスが光る装飾が。

1月後半からはバレンタイン、10月にはハロウィン、12月はクリスマスなど、季節のイベントが近づくと、カラフルにデコレーションした焼き菓子が増えてにぎやかだ。お店の飾り付けもイベントの雰囲気を存分に感じさせるものに変わる。まるで海外を散策中、通りがかったお店を訪ねるようなワクワク感を楽しんでみてほしい。

Unicorn Bakery(ユニコーンベーカリー)
住所:東京都国立市中1-1-14/営業時間:13:00~17:00(日は11:00~14:30)※売り切れ次第終了/定休日:水・木/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩6分

取材・撮影・文=野崎さおり

野崎さおり
ライター
2016 年よりライターとしての活動を開始し、複数のweb媒体で食べ物やお出かけネタを中心に執筆。おいしいものはもちろん、作る人とその背景に興味あり。都内をバスか徒歩で移動するのが好き。

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