鉄製ドアを破壊せよ 解体前の病棟で消防訓練
建て替えが予定されている藤沢湘南台病院(高倉/熊切寛病院長)2号館で22日から24日、藤沢市消防局による現場実践訓練が実施された。
1974年に竣工し、半世紀にわたり地域医療の中核を担ってきた2号館。老朽化に伴い、同院は建て替えを決断したが、市民の安全安心を守る消防隊員の訓練の場になればと、解体前の病棟を活用してもらうことにした。
訓練には、市消防局の北救助隊、高度救助隊など8部隊が参加。鉄製ドアをバールやアックス(斧)を使用し、てこの原理でこじ開けたほか、エンジンカッターで開口部を切断後、突破した。
市消防局警防課長の三橋計三さんは「我々は日頃から災害対応に備えているものの、特殊な訓練ができる場は限られている。地震発生時にはドアがゆがみ、うまく開けられない場合も想定されるので、こうした機会はありがたい」と感謝の意を述べた。
2号館にあった療養病棟と回復リハビリ病棟の機能は、敷地内に移設。解体工事は25日から始まり、新棟は2027年春頃に完成予定という。