ぼくの自己肯定感が落ちていたときに元気づけられた「妻のコミュニケーション」
パートナーの自己肯定感が下がっていると、引っ張られるようにして自分や家族の元気もなくなってしまう。そんなことはありませんか? パートナーの自己肯定感が落ちきってしまわないように励ましてあげることも、夫婦の大事な役割。 今日は、ぼくが落ちていたときに元気づけられた妻のコミュニケーションをご紹介します。
自分を否定してしまうときがある
仕事がうまく行かず、自分がおこなっていることや考えていることが間違っているんじゃないか、もしくは無駄で無意味なことをやっているんじゃないか。そんな風に自分を追い詰めてしまっている時期がありました。
何をやってもうまくいかないんじゃないかというネガティブな気持ちは、普段の生活をネガティブに苛立たしくしていきました。
家族の中にイライラしている人がいると、どうしても家の空気も重たくなってしまいます。ぼくだってそんなことはわかっていました。だけど、自分の力だけではどうしても気持ちを好転させることができません。
そんなぼくの空気に、妻も引っ張られてお互いにイライラした雰囲気になってもおかしくなかっただろうと思います。
だけど、妻は根気強く接してくれたのです。
そっとしながら、話を聴いてくれた
男性は自分の悩みや苦しみを打ち上げるのが苦手、とよく言われますが、ぼくもそうでした。
「〇〇に悩んでる」と、自分で具体的に理解できていれば、相談もできます。ですが、べつに相談しても自分の仕事がうまくいくわけでもないし、下手に励まされても余計に自己肯定感が下がってしまいそうな気がしていたのです。
・なんて相談したらいいかわからない
・相談しても解決しなさそう
だから、できるだけイライラを隠そうとして自分の中に抱え込んでしまう。
でも隠しきれないし、隠そうとすることでさらにストレスが溜まってしまい、空気が重たくなる。そんな悪循環だったのです。
この状況に対して妻は、無理に話を聞き出そうとはしませんでした。
「どうしてイライラしてるの?」「何があったの?」
問い詰めることはなく、できるだけ普段通り過ごしてくれていました。
でも、ぼくが愚痴のように悩みを漏らし始めたとき、それを真正面からちゃんと聴いてくれたのです。
早く解決しようと問いただすのではなく、自ら話し始めるまで信じて待っていてくれた。
そのおかげで、少しずつ妻に話をすることができるようになったのだと思います。
共感よりも、理解。
妻が話しを聴いてくれる中でありがたかったのは、わかったような共感をしなかったことです。よく傾聴では共感が大事だと言われます。でも、うわべの共感って逆効果になりかねません。
わかったように「〇〇だから辛かったんだね」「〇〇は苦しいよね」と、話をまとめられると「何がわかるんだよ」と思ってしまうのは、ぼくが天邪鬼だからでしょうか。もちろん一概にそれが嫌、ということではありませんがただ共感を示されても反発心が芽生えてしまうことがあるのも事実です。
ですが妻は共感ではなく、ぼくの話を理解してくれようとしました。
うまく言葉になっていないことを、掘り下げて聴いてくれたり。
「それってこういうこと?」と自分なりの言葉で言い換えてくれたり。それに対して「そうそう」とか「いや、そうじゃなくて」とさらに言語化していくことで、自分の中のモヤモヤやイライラが手に取れる「悩みごと」に形成されていく気がしました。
話を聴くというのは、ただ共感するだけではありません。
相手を理解しようとすることで、一番理解してくれている、という信頼感が高まるのだと思います。
アドバイスじゃなく、応援
「こうした方がいいよ」というアドバイスが参考になることも、たしかにあります。ですが、自己肯定感が下がっているときって、そのアドバイス通りにできないから苦しんでいるのだったりします。
ぼくが何よりもありがたかったのは、妻が答えを求めず、ただただ応援してくれたことです。
ぼくが仕事を辞めようと、このまま続けようと、違う道を模索しようと、それを決めるのは自分自身。でも、どんな選択肢を取ったとしても、その決断を妻は全力で応援すると言ってくれました。
その上で、家族としてできることを考えてくれたのです。
たとえば、家事育児のことだったり、早く家に帰るようにしてくれることだったり、休みの日にひとりになる時間を作ってくれることだったりしました。
そうした話ができたことで、妻がぼくを応援してくれていることが伝わってきたし、その後の生活の中でも助けようとしてくれているとしっかり伝わりました。
それがぼくにとってどれだけ励みになったか、はかりしれません。
家族の自己肯定感が下がっているときに話を聴いてあげるって、根気のいることだと思います。ですが、それによってパートナーだけじゃなく家族みんなが元気になれるのも事実です。
妻が辛いときには、ぼくが常に妻の味方であることをちゃんと伝えていきたいと思っています。
三木智有/家事シェア研究家