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爬虫類と勘違いされた古代のクジラとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

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爬虫類と勘違いされた古代のクジラとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

バシロサウルス

爬虫類と勘違いされた古代のクジラ

古第三紀の始新世に入ると哺乳類はさらに多様性を増していき、ヒラコテリウムという原始的なウマやパキケタスという最初期のクジラが誕生します。どちらも現生のウマやクジラのイメージからは遠く、ヒラコテリウムはいまの小型のイヌほどの大きさでしたし、パキケタスは四足歩行で水辺に暮らしていました。そして始新世の終わりごろには、完全に水中で暮らす全長20メートル以上の肉食のクジラ、バシロサウルスが登場しました。

バシロサウルスの前足は泳ぎに適したヒレに変化していました。頭は大きく、体はヘビのように寸胴で、後ろ脚には3本の指があるのが特徴です。

しかし、体の大きさと比べると後ろ脚はとても小さく、泳ぐのにはあまり役に立たなかったかもしれません。また、現在のクジラは水面で呼吸がしやすいよう、頭の上に鼻孔(噴気孔)がありますが、バシロサウルスの鼻孔は鼻先近くにあります。これは陸から海への生活圏の移行という、クジラの仲間の進化の過程を示すものだといえます。

バシロサウルスの胃からドルドンという小型のムカシクジラ類が見つかり、バシロサウルスが当時の海の猛者であったことがわかります。化石が見つかった場所から、比較的浅い海でも暮らしていたとみられます。

哺乳類なのにサウルス(トカゲ=爬虫類)という名前がついているのは、化石発見当初、海に住む爬虫類だと考えられていたころの名残です。

しかし、歯の形状などから哺乳類だとわかりました。バシロサウルスは 鯨偶蹄類(ムカシクジラ類)というグループに属しています。この仲間は絶滅しましたが、そのあとに登場したハクジラ類もヒゲクジラ類も大海原を泳いでいます。

長い身体が特徴のバシロサウルス

バシロサウルス
古第三紀始新世
新生代 哺乳類 有胎盤類 鯨偶蹄類
ムカシクジラ類

大きな歯 ヒレは短い 約20メートル

ハクジラからヒゲクジラへ

エティオケタス
エティオケタスは歯とヒゲの両方をもったクジラで、これは、ヒゲクジラがハクジラから進化した仲間であることを示している。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之

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