初老の元ヤクザが守る、“小さな愛”とは?裏社会のなかで芽生えた父性愛を描く『サイレントナイト』予告編
主演・菅田俊×藤原健一監督の映画『サイレントナイト』が、11月22日(土)より公開される。このたび、ポスタービジュアルと予告編が解禁となった。
裏社会のなかで芽生えた“父性愛”を描く
かつて極道の世界に身を置いていた男・久能慶蔵は、過去を捨て、静かに小樽の片隅で働きながら暮らしていた。彼は毎年、極道時代の舎弟・光村の娘・文香に叔父という名目でクリスマスプレゼントを用意していた。文香は平穏な日々を送る高校生だが、記憶障害を患っている。来春、高校を卒業する文香は、母の兄だという叔父に会い、どうしても聞きたいこと があった。それは薄っすらとしか記憶のない母の所在。届いたプレゼントから叔父の住む街・小樽へ向かった文香は、叔父こと久野のもとにたどり着く。驚きつつも嬉しさを隠せない久野。訳あって名乗ることはできないが、文香は実の娘だった。だが、二人を巡り、久野が背負う因縁から裏社会の 抗争が激化していく。父とは名乗れない久野だったが、娘の未来を守るために立ち向かっていく——。
主人公の久野を演じるのは、国際俳優として活躍が著しい菅田俊。本作は、菅田ありきで企画された作品。汚れ仕事を請け負う不器用なヤクザが、殺しの現場で幼い子供と出会い、その子を守るためにヤクザから足を洗って違う土地でひっそりと暮らす。生き方を変え、小さな愛だけを支えに生きる男を演じている。
文香を演じるのは、オーディションで選ばれた矢野優花。幼い頃に母親が失踪、微かな記憶を頼りに母親の幻影を追い続ける高校生の文香は、本音を内に秘めて日々を過ごす。そんな感情の見えにくい難しい役柄に挑戦し、見事に演じ切った。そのほか、高岡蒼佑、小木茂光、赤井英和、荒井敦史、永倉大輔、大友康平、渡辺哲、芳本美代子、宮田早苗というベテラン俳優陣が脇を固める。
メガホンを取ったのは、藤原健一監督。本作は、『虎狼の群れ』に続く、菅田俊とのタッグ作になる。美しい小樽の街並みを背景に愛憎渦巻く裏社会と記憶で結ばれる父娘の愛を描く。
<コメント>
菅田俊
一昔前、映画館にお客さんが全然入らなかった時期があって、その中で渋谷の単館でゲリラ的に上映していた松田優作さんの遊戯シリーズに胸躍らされた事を今でも覚えています、映画館にお客さんが戻ってきた今あえて単館のB級映画に自分だけの楽しみを見つけてもらえたらです。アウトローだった先輩方の思いに対する晩年の挑戦です。
藤原健一監督
菅田俊さんと出会って20年以上になります。これまで自分の作品にたくさん出て頂き、たくさん助けられ、多くの事を学びました。今回は主演作品であります。昭和の男…人生を消した不器用な男が、優しさと激しさで、一つの命を守る物語です。役者菅田俊の全てが詰まった映画を感じて欲しいと思います。
『サイレントナイト』は11月22日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー