【債権者がゆく】倒産したアリシアクリニックの予約日が来たので一応行ってみた!
昨年12月10日にいきなり倒産した医療脱毛大手の『アリシアクリニック』。債権者(被害者)は約9万人といわれており、何を隠そう私もそのうちの1人である。私が最後にアリシアを訪れたのは12月2日のことだ。
あくまで個人的な感覚ではあるが、あのとき「新しくアートメイクのメニューを取り入れたので、ご興味があれば……」と言った看護師女性の瞳に、「騙してやろう」という意図は無かったように思う。従業員の方も知らなかったんじゃないかなぁ? 知らんけど……。
ま、何はともあれ倒産前に入れた予約の日が来た。倒産の時点で予約は白紙になっている可能性が限りなく高いが、万が一ということもあるので一応行ってみたぞ!
・アリシアと私
私がアリシアで脱毛のコースを組んだのは2017年のこと。当時のアリシアには『脱毛し放題コース』というのがあって、いったん金を払ってしまえば毛がなくなるまで永遠に通い続けることができるという触れ込みだった。
『脱毛し放題コース』はいつのまにかアリシアのメニューから無くなっていたのだが、すでに契約している人には永遠通い放題ルールが適用されるようだった。契約した部位のうち「額」「Iライン」「Oライン」に関しては7年間通っても毛が無くならなかったため、私は毛が消滅するまでガチで永遠に通い続けるつもりだった。
正確には覚えていないが、私が一括で支払った金額はたしか35万円ほど。その条件で集客したアリシア側に問題があるとはいえ、冷静に考えると35万で永遠に通われちゃ、たまったもんじゃないよねぇ……って気もしなくない。通い放題コースの残党たちの存在が、経営圧迫の一端であったことは間違いないだろう。
事務所から徒歩5分の距離に店舗があったことも手伝って、私は非常に軽い気持ちでアリシアに通い続けていた。このルートを歩くのも今日が最後になるのかな……?
・わずかな期待
……などと債権者の割にのんきな発言をしてしまっているのは、私がある程度の元を取った “アリシア勝ち組” だから。あの様子では「新規契約した翌日に破産」みたいな目に遭った債権者も多くいると思われる。その人たちのことを思うと、のんきに思い出に浸っている場合ではない。
この角を曲がるとすぐアリシア新宿東口院があった場所だが……もう別テナントが入っている可能性も大いにあるよな。
あっ!!!!!
なんと、破産から3カ月以上たった今(3月27日現在)も看板が残っていた元・アリシア新宿東口院。まさか「予約だけは遂行します」みたいな感じなのか? あるいは看板を外す金もないのだろうか……?
・債権者よ、強く生きよ
なおアリシアのHPにある『重要なお知らせ』を要約すると「契約の時期に関わらず、前払いした金が返ってくる可能性は限りなくゼロ」ということらしい。シンプルに理不尽。
2017年の時点で、数ある脱毛クリニックの中から私がアリシアを選んだ理由は “一番潰れなさそうだったから” である。そんなアリシアでも潰れるのだから、基本的には「もう何も信じない」というスタンスで生きていくべきなのだろう。
ありきたりな慰めになってしまうけど “人生の勉強代” だったと思うしかない。
謎のドキドキを感じながらエレベーターに乗り込むと……
ああ……「7階」ボタンそのものが押せない仕様か。
ってことで倒産したアリシアの予約日に一応行ってみた結果 “店舗に到達することができなかった” ことを謹んでご報告させていただきたい。
ちなみに先ほど「7年通っても毛がなくならなかった」とお伝えしたが、詳しくは「2年くらいで毛の95%は消滅したが、残り5%が5年かかってもなくならなかった」が正しい。毛ボーボーも嫌だが、チョロ毛が微妙に残留している状態も、それはそれでみじめなものだ。
よって私は今、このチョロ毛を撲滅すべく新たに別のクリニックと契約するか、チョロ毛とともに生きていくかの2択を迫られている。支払った金が戻らないばかりか、新たな出費まで発生する……何度も言うけど理不尽すぎて気絶しそう。
それでも私が謎に晴れやかっぽい顔をしているのは、7年間に及ぶアリシアとの付き合いの中で、嫌な思いをしたことがほとんどないから。債権者の中には怒りで眠れぬ夜を過ごしている方も多いと思うが、私のように「ま、世話になったしな……」という心持ちの方も、少なからずおられるのではなかろうか。
っちゅーことで債権者の皆よ、同志よ。我々にできることは1つ「過ぎたことは忘れて稼ぐ」だけ! すぐには気持ちを切り替えられないかもしれないけれど、この出来事を体験談として誰かに語ってあげられる日が、いつかきっとくるはずだ。強く……生きよう。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.