「教育の機会均等」教育現場の現状に大竹まことらがコメント
12月17日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、教育現場の実態や国からの助成金に関する東京新聞
本音のコラムを取り上げた。
記事によると、現在86ある国立大の教職員の人件費などに使う運営交付金は国立大学法人化後の20年間で1600億円削減、私立大への助成金は経費の1割以下となっている。
武田砂鉄 僕は今、岩波書店の『世界』という雑誌で教育現場の方々にインタビューをするという連載をやっておりまして。結構小学校、中学校、高校で教員の自腹が問題になっているというインタビューをしたんですけれども、文房具とか色々なものにお金を使えないとなったときに、学校の先生がいちいち申請をしてなんやかんややるよりも自分で買っちゃった方が良いというふうになっていて。そのほうがすぐに仕事ができるわけじゃないですか。そういうのが積もり積もって結構な値段になるんだけれども、あまり議論されずに教員がただ自腹で支払っているだけになってしまっている実態があったりするので、教育にどういうふうにお金がかかっているのか、どういうところにもっとお金を注ぎ込まなければならないのかというのが取材をしているとよくわかるなと思いますね。
大竹まこと 国が教育にお金をかけない分、子供1人大学卒業させるのに1000万負担があると。家庭でかかる教育費の割合もめちゃくちゃ多いと。
武田砂鉄 保護者側はこんなものをこちらに払わせないでくださいよって言うし、教育者側は保護者にあんまり言えないなとなっている。鎌田さんの議論にもありますけど、もっとお金を注がなくちゃいけないということですよね……
小島慶子 教育の機会均等ってとっても大切なことで。これを聞いているみなさんもそうですけど自分で選んで生まれてきてないですよね?いつ、どこで、誰のもとに、どんな身体で、どのような自分で生まれてくるかってことは私たちは何一つ選べないで生まれてくるわけです。だからこそ不利な立場に生まれたり、不都合があったり、思うようにならないことが多い巡り合わせに生まれてきてしまったとしても、他の人と同じように教育を受けたり、仕事に就いたり、自由に生きる権利が保証されるような仕組みが必要だというのが人権の基本的な考え方ですよね。だからどんなところに生まれたとしても等しく教育が受けられる機会を国が保証しなければならないのは当たり前だと思います。
もう一点は、やっぱり教育者が幸せであることっていうのが教育の質を高める上で、それから質の高い教育を長く維持するためには私は不可欠だと思っています。つい最近もニュースになってましたけど、教員の試験を受ける人自体は減ってないそうなんですけれども、実習をしてやりがいは感じた、でも教師にはならないって思ってしまう若者が多い。つまり、やる気もある人がいて、関心を持っている人もいるんだけど、待遇が悪くて。働き方があまりにも過酷なのを目にしてやりたい仕事だしやりがいもありそうだけどやらないという結論を出してしまう人が多いからなり手が少ないわけです。やっぱりその方々が安心して自分と、家族がいる方は家族と暮らしていけるだけのお金をちゃんと手にできて、それから自分たちが幸せに暮らすためのプライベートな時間も確保できるような働き方を作らなきゃだめですよね。