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【今週の『ONE PIECE』の話題は?】ロキ出生の秘密に「重すぎ…」「仲間になれ」の声。ハイルディンの母にも注目集まる<1153話>

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載27年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。

6月23日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1153話“ロキ誕生”では、ハラルド王の過去とロキの誕生秘話が描かれました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。

※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1153話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。

 

 

ついに明かされたハラルドの過去

過去編にフォーカスした第1153話では、ハラルドの過去とロキ誕生の経緯が明かされました。

若い頃は慢心極まる暴虐な迷惑人間で、クズと称されていたハラルドですが、南の海(サウスブルー)・サムワナイ島出身の巨人族の女性・イーダとの出会をきっかけに、見違えるほどに改心していきます。

これまで周囲に苦言を挺してくれる人などいなかったハラルドにとって、イーダは新しい教えをくれる存在。ハラルドは世界の文化を学び、種族を越えた国交を通してエルバフを豊かにしていきます。人間にエルバフの航海術を伝えたというのも彼の偉業のひとつでしょう。これこそが、ハラルドが名君として慕われる所以だったんですね。

イーダからの厳しい言葉も、新しい知見も素直に取り入れ、エルバフならではの“戦士”の側面も残しながら文化的な国を目指していくハラルドの姿勢は、これまで「黒幕」「悪政王」と考察されていたイメージをあっという間に覆しました。

しかし、そんな彼がなぜ神の騎士団と関わりを持ち、殺害事件が起こるまでに至ったのかは疑問が残ります。ロキの「おれが本当に殺意を持って親父を殺したなんて思ってねェよな」という言葉を思い返せばなお、謎は深まるばかり。

ハラルドの「悪者かと思いきや、実は国のために尽力していた王」という設定はワノ国の将軍・光月おでんの悲話を彷彿とさせるようでもあります。だからこそ、「エルバフを人質にとられ、悪魔化を余儀なくされた」「政府から国益になる話を持ちかけられたが嘘だった」「悪魔になりきる前の微かな自我でロキに自身を殺すよう申し出た」など、さまざまな顛末を妄想せずにはいられません。

当初読者の間で予想されていた「実はロキがいいヤツでハラルドが裏切り者だった」という構図よりも、もっと複雑で悲しく、理不尽極まりない真相がある予感……。

余談ですが、今回ハラルドの過去が語られるなかで「血の蛇」という言葉が登場し、これが赤い土の大陸(レッドライン)を指すものだと判明しました。

第129話でドリーとブロギーが覇国を放つ際に描かれたセリフ「我らに突き通せぬものは“血に染まるヘビ”のみよ」について、読者の間では長年にわたり赤い土の大陸(レッドライン)の比喩表現ではないかと予想されてきましたが、ついに正解が提示されることに。

 

ロキとハラルドの好みは同じ? イーダの人格者っぷりが話題。サウロと同郷の可能性も

ハラルドを導き、彼の人生及びエルバフという国までも大きく変えた存在と言って過言ではないイーダこそ、ロキの腹違いの兄・ハイルディンの母でした。

数々の航海を通し絆を深めていったハラルドとイーダですが、子どもを設けてもなおエルバフ王族は純血でなければならないと結婚を認められることはありませんでした。それでも「これも文化よ」「感情的に盾突くものじゃない」と納得し、その後新たにハラルドの子が生まれたことを知ってもポジティブな反応をみせます。イーダという母の元、ハイルディンが真っ直ぐ育ったのも納得です。

たった1話でありながらイーダの人格者っぷりは凄まじく、ほかにも「同じ目線で見るのよハラルド」「世界に壊していいものなんて一つもない」「人と人が結びつかなきゃ国と国は仲良くなれないって事!!」など、種族差別や身分格差の蔓延る作中の世界においては珍しいほどに、懐の深い言葉がいくつも飛び出しました。

ハラルドはそんなイーダの“心の美しさ”や“ハラルド相手でも物怖じしない平等さ”に惹かれたであろう点から、SNSでは「ロキがローラに求婚したのも、ハラルドがイーダに惹かれたのと同じ理由なんだろうな」「ロキはきっと父親と女性のタイプが一緒なんだ」といった感想もポストされています。

そんなイーダは南の海(サウスブルー)・サムワナイ島出身。同じ巨人族であるサウロも南の海(サウスブルー)出身であることから、同郷である可能性や親戚など血の繋がりがある可能性も考えられるでしょう。

イーダはドリーやブロギーと同年代のはずなので、エルバフのどこかでまだ生きていてほしいと願うばかりです。一部では、彼女が“モサ公”の正体ではないかという声も。生まれたばかりのロキに「会いたい」と言ったイーダが、姿を見ることは叶わずともロキと雪電伝虫でつながる仲になっているとしたら胸が熱くなりますね。

 

ロキの出生秘話が激重だった…「辛すぎ」「もう仲間になれ」

ハラルドが正式に王妃として迎え入れることになったのは、エルバフの権力者の娘・エストリッダという女性でした。ロキはハラルドとエストリッダの間に生まれたのです。

しかし、エストリッダは見た目が恐いという理由で、生まれた瞬間ロキを怪物呼ばわり。ひと抱きすらせず、小さなロキを冥界に落としてしまうのでした。確かに一風変わった目元ではありますが、何の罪もない赤子を殺しにかかるエストリッダの姿はあまりに狂気的でショッキング。

本作の世界では、青鼻で生まれたチョッパーや、不思議な産声をあげたデュバルのように、特徴のある赤子は「気味が悪い」「呪われている」と親にすら疎まれ見放されてしまうことがあるようです。今回に関しては、同じハラルドの子でもイーダの子は愛され、エストリッダの子は捨てられるというギャップがより心苦しさを倍増させているように思います。

あまりに悲しいロキ誕生の物語に、読者からは「重い……」「辛すぎるよ」「子どもが辛い目に遭うの本当に胸が苦しい」と悲痛な感想が。また、前話でルフィがロキを仲間に誘ったことを受けて「ルフィと絶対仲良くなれるこれは」「もう本当に仲間になろ?」「ロキ、お前船乗れ!物理的に乗れないけど」とロキの一味加入を望む声も多く見られました。

現在ロキがいつも目に包帯を巻いているのは、忌むものとされてしまった特徴ある目元が理由だったようです。しかし、現在のロキの姿であの目を露出させたなら、そのかっこよさが倍増することは間違いありません。この先ぜひ素顔で戦う姿を見せてほしいですね。

 
[文/まりも]

 

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