アニメ『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』名言まとめ│それぞれの願いをガンダムに託した4名のマイスターと、キャッチーな台詞で大人気を博したグラハムやコーラサワーの名言を集めました
2007年から2009年にかけて、2期全50話で放送されたアニメ『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』)。ガンダムシリーズ通算12作めとなる本作は、武力をもって戦争根絶を提言する私設武装組織「ソレスタルビーイング」に所属する4名のガンダムマイスターたちとそのメンバーたちの死闘を描いた物語です。
紛争やテロ、モビルスーツ同士の戦い等、凄絶なシーンも多い『機動戦士ガンダム00』ですが、目を惹くのはストーリーを彩る珠玉の名言の多さです。ここでは、メインとなる4名のガンダムマイスターたちの名言はもちろんのこと、放送当時、そのキャッチーさに話題が沸騰したグラハム・エーカーやパトリック・コーラサワーの名台詞までをまとめてご紹介します。
ガンダムマイスターの名言
私設武装組織「ソレスタルビーイング」に所属する、ガンダムパイロット。彼らは量子型演算処理システム「ヴェーダ」によって選ばれた4名。
互いの素性や経歴も知らず、コードネームを名乗るマイスターたちでしたが、彼らに共通していたのは「戦争根絶」という目的でした。
刹那・F・セイエイ「目標を駆逐する!」
中東にある「クルジス共和国」出身。本名はソラン・イブラヒム。
幼少期にゲリラ組織による洗脳を受けた結果、自ら両親を手に掛けてしまうという凄惨な過去を持つ。
ファーストシーズン(以降「1st」)では未成熟なところのある少年だったが、激しい戦闘での出会いや別れにより、セカンドシーズン(以降「2nd」)では人間的に成長した青年となる。
俺がガンダムだ、これがガンダムマイスターだ(1st・2話)
本作を通して何度となく紡がれてきた刹那の口癖とも呼べるセリフ。
選ばれしガンダムマイスターであるという誇りと、ガンダムで武力介入をすることによって成し遂げる戦争根絶、という強い責任感が全面的に表れた言葉。
戦う相手に宣言するほか、時には自分に言い聞かせるかのようにつぶやくこともあり、同じ言葉でありながら状況によってさまざまな意味合いを含むセリフとなっています。
俺の存在そのものが理由だ(1st・7話)
幼少期に刹那を洗脳したゲリラ組織の指導者、アリー・アル・サーシェスとの邂逅時に、秘匿義務のあるその姿をさらしてしまったことを、同じくマイスターのティエリア・アーデに非難された場面。
刹那がマイスターとして選ばれた理由に疑問を呈するティエリアに対して、ためらうことなく出たこの返答には、自身の信念に基づいて戦うことのみを正義と信じる刹那の心情がよく表れていますね。
俺は……ガンダムにはなれない(1st・12話)
刹那の出身国「クルジス共和国」をかつて滅ぼした「アザディスタン王国」内で起こったクーデターに武力介入した刹那。銃を持って抗い、倒れていく幼い少年兵たちに、自身の幼少期の姿を重ねた刹那は、呆然と立ち尽くすのでした。
誇りと自信を胸に「俺がガンダムだ」と言い放っていた刹那の、心折れた瞬間でもありました。
戦え。お前の信じる神のために(1st・13話)
戦わず、対話することで人々はわかり合えると信じる「アザディスタン王国」第一皇女マリナ・イスマイールに対し、刹那が伝えた言葉。
「アザディスタン王国」は信仰心の強い民が多く、自身も神を信じているマリナ。戦うことしか出来ない刹那が、戦わない方法で和平を願う彼女の信念を認め、自分の出来る戦いをするよう促すこのセリフで、2人がわかちあう第一歩を進み始めたように感じるセリフとなっています。
この歪んだ世界を変えてくれ。だが生きているならオレは戦う。ソラン・イブラヒムとしてではなく、ソレスタルビーイングのガンダムマイスター・刹那・Fセイエイとして(1st・19話)
両親と妹が亡くなったテロに、幼少期の刹那が少年兵として参加していたことを知ったマイスターの1人、ロックオン・ストラトス。
家族を亡くしたことが自身の「戦う理由」であったロックオンは、その仇である刹那に銃を向けます。
ロックオンに撃たれる覚悟がありつつも、これからもガンダムマイスターとして戦うことを宣言する刹那の、強い信念が表れたセリフでしたね。
オレは生きる。生きて明日を掴む。それが、俺の戦いだ。生きるために戦え。(2nd・22話)
ガンダムの存在に執着するミスターブシドーと刹那との対決。ガンダムに勝利することだけを望んだブシドーでしたが、トランザムしたガンダムにあと一歩のところまで追い詰められます。
しかし、とどめを刺さない刹那。その理由を問われた際の名言です。
自身と同じく、刹那も戦うことしか出来ない、勝利こそすべて、と信じていたブシドーにこの言葉が突き刺さったシーンでした。
「変革」しつつある刹那の生き様が感じ取れる言葉となっています。
ロックオン・ストラトス「狙い撃つぜ!」
狙撃を得意とするガンダムマイスター。4人のマイスターたちの中でアニキ分のポジション。
テロにより両親と妹を失ったことが戦う理由となり、ガンダムマイスターに。
ロックオンの本名は「ニール・ディランディ」。戦いの中で、マイスターの1人であるティエリア・アーデをかばった際、利き目を負傷してしまい、それがあだとなって戦死を遂げる。
2ndではニールの双子の弟「ライル・ディランディ」が、コードネーム「ロックオン・ストラトス」を引き継ぎガンダムマイスターに就任する。
悪いか?テロが憎くて悪いか? (1st・7話)
ソレスタルビーイングの武力介入を、民間人への無差別テロによって抑止しようとする動きが出た中、ティエリアの皮肉めいた「そんなにテロが憎いですか?」に対する返答。
普段は冷静なロックオンが、無差別テロに対する憎しみをあらわにしたシーン。彼の「戦う理由」が鮮明となった場面でした。
ニールだ。オレの本名、ニール・ディランディ。出身はアイルランド。両親はテロで殺された。(1st・9話)
プトレマイオス(ソレスタルビーイングの輸送艦)のクルーであるフェルト・グレイスから、幼少期に両親を亡くしたという打ち明け話を聞いたロックオンが、「教えてもらってばかりでは不公平」という理由で、秘匿義務のあった自身の素性を明らかにしたシーン。
ニールの優しさが表現された場面でもあり、フェルトがニールに淡い恋心を抱くきっかけとなっています。
よぅ、お前は満足か、こんな世界で。俺は嫌だね(1st・23話)
家族を失うこととなったテロを首謀していたアリー・アル・サーシェスとの戦いで追い詰められたロックオン。
大破した機体から降りたロックオンはGNアームズに移動し敵を撃ち抜いたものの、相討ちとなり、GNアームズの爆発とともに散ることに……!
爆発に巻き込まれる直前、目に映った美しい地球を手で狙い撃ったロックオンの、最期の言葉となりました。
アニュー、お前のおかげで、人と人が分かり合える世界も不可能じゃないって思えたんだ(2nd・24話)
プトレマイオスの新しいクルーとなったアニューと心を寄せ合ったライルことロックオンでしたが、実はアニューはソレスタルビーイングが敵対するイノベイターの一員でした。
イノベイターとして覚醒したアニューを必死で取り戻そうとするロックオン。しかし覚悟を決めた刹那の攻撃によりアニューは最期を遂げることに……!
散る間際、GN粒子の影響によって再び心を通わせることの出来た2人。悲しい別れの中でも、愛し合った記憶はロックオンを失意から再び奮い立たせるのでした。
アレルヤ・ハプティズム/ハレルヤ「I have control. 介入行動に入る」
人類革新連盟(以降「人革連」)の「超人機関研究施設」で生まれた「超兵」の1人。「被検体E-0057」と呼ばれるだけであったが、同じく「超兵」として生まれたマリー・パーファシーとの出会いから「アレルヤ」と名乗ることとなる。
「超人機関」での過酷な人体実験により、第二の人格である「ハレルヤ」と共存しているアレルヤ。戦いを極力望まない穏やかな性格のアレルヤは、ハレルヤの出現により好戦的な「真の超兵」へと変貌するのでした。
そんな戦いの中で、人革連のパイロットであった「ソーマ・ピーリス」と出会ったアレルヤは、彼女が「マリー」であることに気づき……!
<アレルヤ編>
ハレルヤ、世界の悪意が見えるようだよ(1st・1話)
初めての武力介入、創設者イオリア・シュヘンベルグによる宣戦布告により、全人類を敵にまわしたソレスタルビーイング。
そうした情勢を感じ取ったアレルヤの一言。ストーリーの導入部分にアレルヤの別人格である「ハレルヤ」の存在を初めて示唆したシーンでもありました。
撃ちたくないんだよぉぉぉ! (1st・11話)
自身の出身でもある人革連「超人機関」を武力介入の候補としてソレスタルビーイングの戦術予報士スメラギ・李・ノリエガに進言したアレルヤ。
自分と同じような立場の人間がこれ以上生まれないことを望むアレルヤでしたが、その一方で超人機関への攻撃をためらい、最後まで「どうにか保護できないか」と苦悩・葛藤しながら、その引き金を引くことに……!
心優しいアレルヤの、戦争根絶への強い決意が垣間見える場面でした。
自ら引き金を引こうとしないなんて! 罪の意識すら持つ気がないのか! (2nd・5話)
地球連邦軍「アロウズ」が反連邦組織「カタロン」を襲撃。無人兵器である「オートマトン」で無差別に蹂躙していくその様子を見たアレルヤの言葉。
自らの意思で「超人機関」への引き金を引いたアレルヤにとって、なんの罪の意識もなく襲撃することに対する強い憎しみが込められています。
撃ってください。その代わり、二度とマリーを戦争に巻き込まないと誓ってください。(2nd・7話)
地球連邦軍「アロウズ」との戦いの中でソーマ・ピーリスの機体とともに墜落してしまったアレルヤ。アレルヤの必死の問いかけに、気を失っていたピーリスの中の「マリー」が覚醒し、2人は再会します。
いち早く救助に来た人革連のセルゲイ・スミルノフ大佐がそんなアレルヤに銃を向けましたが、アレルヤはひるむことなく、ピーリスの父代わりとなっていたセルゲイにそう訴えかけ……アレルヤのひたむきな愛を感じさせる言葉となりました。
そんなセルゲイもまた、娘のように接して来たピーリスがマリーとして人を愛する姿に触れ、「ソーマ・ピーリス殉死」を選択──さまざまな愛が絡み合う名シーンとなっています。
<ハレルヤ編>
いい度胸だなぁ、女ぁぁぁ! (1st・10話)
人革連との戦いの中で、アレルヤの第二の人格・ハレルヤが出現。機体の一部を破損しながらも、超兵としてガンダムに立ち向かおうとするソーマ・ピーリスの戦闘意思に、ハレルヤが好意的・好戦的に叫ぶシーン。
このあとも積極的に相手を殺そうとするハレルヤの残虐性が浮き彫りとなるシーンの連続により、ハレルヤが温厚なアレルヤとは対照的な存在であることを強く印象づけられる場面となっています。
立場で人を殺すのかよ? 引き金くらい感情で引け! 己のエゴで引け! 無慈悲なまでに! (1st・11話)
自らの提案でありながらも、直前になって超人機関への武力介入をためらい始めるアレルヤに対し、ハレルヤが言い放った言葉。
覚悟を持ってガンダムマイスターとなったアレルヤでしたが、今一度、引き金を引く責任の重さを実感させられる場面となっており、戦争根絶の目的のため、時に無情にならざるを得ない状況を痛感させられたシーンでした。
反射と思考の融合。それこそが徴兵のあるべき姿だ! (1st・25話)
対照的な人格であるがゆえ、激しい戦いをする中でハレルヤとも葛藤を続けていたアレルヤ。全世界との戦いの意味を求めるべく、統合軍に追い詰められた苦しい状況の中で、改めて「生きる」覚悟を強く決めたアレルヤに対し、ハレルヤも同調します。
反射(ハレルヤ)と思考(アレルヤ)の融合。
人体実験を受けた末の二重人格を乗り越え、超兵としてさらに強さを得たシーンとなっています。
ティエリア・アーデ「目標を破壊する」
ガンダムマイスターの1人ではあるが、実は量子型演算処理システム「ヴェーダ」によって生み出された「イノベイド」。
当初は人間のように振る舞っていたが、感情の振り幅も狭く、「機械的」「冷徹」「厳格」「完璧を求める」判断や言動ばかりをしていたティエリア。
自分だけに許されていた「ヴェーダ」へのアクセス権を失って絶望したり、自分をかばったためにロックオンが負傷したことを気に病むなど、完璧な存在ではなくなっていく自身の弱さを痛感していくことになるティエリア。
そんなティエリアはマイスターたちとの交流によって、次第に人間らしい温かみのある言動をするように変革を遂げていく──
敵に鹵獲された!? 何という失態だ! 万死に値する! (1st・10話)
脳量子波の影響で変調をきたし気を失ったアレルヤが、人革連に機体ごと鹵獲されてしまったことを知った際の、ティエリアの名セリフ。
ミスを許すことの出来ないティエリアが、最も秘匿義務のあった機体を奪われたことに対する最大級の叱責の言葉であり、冷徹な人物像が浮かびあがる場面でもありました。
何という失態だ。こんな早期にナドレの機体をさらしてしまうなんて。計画をゆがめてしまった。あぁヴェーダ・・・オレは・・・僕は・・・私は・・・! (1st・10話)
人革連のガンダム鹵獲作戦であと一歩のところまで追い詰められてしまったティエリアは、乗っていた機体・ガンダムヴァーチェの真の姿である「ナドレ」の装甲で窮地を脱します。
しかし、「ナドレ」は限られた人員のみ知る機体であったこと、その存在を敵にさらす時期ではなかったこと、「ヴェーダ」の推奨する作戦を遂行できなかったことなどに対し、自責の念に駆られるティエリア。
一人称のゆらぎが、ティエリアの自尊心の崩壊を表わしているかのようなシーンです。
僕はマイスターにふさわしくない(1st・22話)
疑似太陽炉を搭載した各国の機体との戦いの中、ヴェーダの介入によりガンダム4機がシステムダウンしてしまいますが、スメラギ・李・ノリエガの機転でなんとか再起動を果たします。
しかし、ティエリアの機体だけがシステム変更されず、ダウンしたまま敵からの攻撃に晒される事態に……! 激しい攻撃からティエリアを守ったのは、身を挺してかばったロックオンでした。
これが元となりロックオンは利き目を負傷し、機体は甚大な損傷を負うことに。「ヴェーダ」に揺るぎない自信と信頼を持っていたティエリアの自尊心はことごとく折られることとなりました。
かつて刹那やアレルヤに向けて放った「ガンダムマイスターにふさわしくない」事態が、自分に起こってしまったことで茫然自失してしまう場面です。
自分は違う。自分には関係ない。違う世界の出来事だ。そういう現実から目を背ける行為が無自覚な悪意となり、このような結果を招く! (2nd・6話)
ソレスタルビーイングから反連邦組織「カタロン」に身柄を移された沙慈・クロスロードが、戦いを拒むあまり単独でカタロンを抜け出し地球連邦軍に拘束されてしまう。
それがきっかけとなり、地球連邦軍の放った無人兵器「オートマトン」によって多くのカタロンの人々が犠牲となる事態に──
その軽率な行動が多くの人命を奪う結果となった現実を沙慈に突きつけるティエリア。その言葉尻には以前のような傲慢さや冷酷さなどはなく、無責任さをしっかりと自覚させるような響きの、人間味のあるセリフとなっています。
ガンダムマイスター以外の名言
グラハム・エーカー/ミスターブシドー「あえて言わせてもらおう。グラハム・エーカーであると!」
三大国家のひとつである「ユニオン」のエースパイロット。
軍事演習に現れたガンダムに心惹かれ、以来執拗にガンダムという存在に執着をするようになる。
1stで甚大な負傷を負うも、2ndでは地球連邦軍「アロウズ」に所属し、顔の傷を隠すような仮面をつけた「ミスターブシドー」となって再びガンダムに相まみえる。
キャッチーなセリフと、卑劣な行為を厭うような「武士道」精神とも呼べる振る舞いもあり、ガンダムマイスターに匹敵する人気を誇るキャラクターでもある。
<グラハム・エーカー編>
グラハム・エーカー。君の存在に心奪われた者だ! (1st・2話)
セカンドミッションで、セイロン島の紛争に武力介入したソレスタルビーイング。そこに現れたのは「ユニオン」の機体「フラッグ」に乗ったパイロット、グラハム・エーカーでした。
「何者だ!?」と問う刹那に対し、包み隠すことなくガンダムへの愛を口にするグラハム。この先に待ち受ける、グラハムのガンダムに対する愛と執着の戦いを予感させられるシーンでした。
よもや君に出会えようとは・・・乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じられずにはいられない(1st・3話)
刹那が乗ったガンダムエクシアと交戦することになったグラハム。心奪われたガンダムとの念願の邂逅に対してあげた歓喜の名セリフです。
この「乙女座」というキーワードは、のちに登場した謎の人物「ミスターブシドー」が口にした「自分が乙女座であったことをこれほど嬉しく思ったことはない」というセリフによって、彼がグラハムであることを示唆する大事なシーンにつながるため、要チェックなセリフでもありますね。
抱きしめたいな!ガンダム!/まさに眠り姫だ(1st・15話)
ユニオン、人革連、AEUによるガンダム鹵獲作戦に対し、耐久戦を強いられていたマイスターたち。そんな中、ユニオンの機体・フラッグに乗ったグラハムがロックオンのガンダムデュナメスに迫ったシーン。
長時間の戦闘で疲弊するロックオン・デュナメスに猛突進し、その言葉通り「抱きしめ」る形で押し倒したグラハム。戦闘不能状態となったデュナメスを「眠り姫」と表現するあたり、「乙女座」というワードが象徴するようなロマンチストな面を感じるセリフとなっています。
やはり私と君は運命の赤い糸で結ばれていたようだ。/この気持ち、まさしく愛だ!(1st・25話)
再びガンダムと念願の邂逅を果たしたグラハム。通信でガンダムマイスターとコンタクトを取ったグラハムは、彼が以前地上で出会った少年・刹那であることに気づきます。
心奪われたガンダムと、いつかの少年との再会。さらに、戦死した仲間の仇を取る好機となったこの場面で、グラハムはガンダムに対する愛と憎しみの感情を叫びます。
ガンダムに対する表裏一体な感情を表わすグラハムの名シーンとなりました。
<ミスターブシドー編>
なんという僥倖!生き恥を晒した甲斐があったというもの!(2nd・4話)
刹那の乗ったガンダムエクシアと相討ちのような形となり、消息がわからなくなっていたグラハム。彼は九死に一生を得たのち、日本の「武士道」に傾倒したようで「ミスターブシドー」と名乗っていました。
以降、グラハムことミスターブシドーからは「武士道」を連想させる日本的なワードが多数飛び出します。この名言もそのひとつ。
ガンダムとの再会を果たすため、修行を重ねて来たブシドーの執念を感じさせる名言となっていますね。
もはや愛を超え、憎しみも超越し、宿命となった!これが私の望む道・・・修羅の道だ!(2nd・21話)
初めてガンダムを目にした日から、何度も交戦を重ねて来たブシドー。時には性能差に撤退し、時には仲間を失い、自らの名前も捨てガンダムを倒すことだけに執着して来ました。
グラハムとして愛を語り、ブシドーとなって憎しみを晴らそうとして来た彼が行き着いたのは、その出会いが「宿命」であったという事実でした。
そんな彼の半生を表わすような名言。ブシドーの胸に去来する思いを見せつけられた場面でした。
武士道とは・・・死ぬことと見つけたり。武士道とは……? (2nd・22話)
ガンダムに勝つために死をも辞さぬ勢いで戦い続けるブシドーに対し、「生きるために戦え」と言い放った刹那。
潔く死を選ぶような「武士道」に傾倒したブシドーにとって、刹那の言葉はどのように響いたのでしょうか。最終的に「武士道とは……?」という自問自答の言葉へと変化を見せており、とても気になるシーンとなりました。
パトリック・コーラサワー「不死身のコーラサワー改め、幸せのコーラサワーになりましたぁ」
三代国家「AEU」に所属するパイロット。類い希なる楽天的な価値観の持ち主。
全世界に初めてガンダムという存在が知らしめられた現場で、ガンダムと交戦したモビルスーツのパイロットでもある。どんなに敗戦を喫しても、生きて戻ってくるところから「不死身」というあだ名がつくほど。
AEUの戦術予報士であったカティ・マネキンに惚れ、彼女が配属された地球連邦軍「アロウズ」にも志願。脳天気な軽いノリに最初は呆れていたマネキンも、次第に彼の熱烈なラブコールにほだされて……?
命のやりとりをする厳しい戦いの場に置いて、場違いなほどの明るさを発揮するコーラサワーはいつしか視聴者からも人気となり、彼の恋愛の行く末までもが注目を集めることとなった大人気キャラクターです。
俺は! スペシャルで! 2000回で! 模擬戦なんだよぉっ‼︎(1st・1話)
AEUのエースという自負の元、モビルスーツの性能を披露する軍事演習にパイロットとして参加していたコーラサワー。
思いがけないガンダムの介入により、全世界に醜態をさらすことに……!
これは、AEUのモビルスーツの性能を発揮しようとしていたコーラサワーの、ガンダムに瞬殺されてしまった際の捨て台詞となっています。この頃はまだ、モブのような存在のコーラサワーなのでした。
いい女じゃないか。惚れたぜ(1st・14話)
カティ・マネキンのAEU就任初日に遅刻したコーラサワー。普段の軽いノリで入室する彼を鉄拳で迎え入れるマネキン。
最初こそひるんだものの、この出会いで堅物のように見えるマネキンに恋心を抱き、食事に誘ったり従順に作戦指示に従うなど、アプローチをし始めます。
マネキンから見ても、頼りない部下に映ったかもしれないコーラサワーとのこの出会いの場面ですが、これが凄惨な戦いを繰り広げる本作の清涼剤のような役目を果たすことになろうとは、視聴者すらも予測出来なかったシーンでした。
大佐のキッスはいただきだぁー! (1st・21話)
ヴェーダへのリンクが出来ずシステムダウンした機体に絶望するガンダムマイスターたち……という悲壮感漂うシーンを尻目に、武功をあげてマネキンの関心を得られることを予期するコーラサワーの、潔いまでの軽いノリ。
ストーリーが絶望感に満ちていくほど、コーラサワーの存在感が視聴者の救いとなっていくという、新しい価値観が生まれ始めた場面。
あくまでも真面目に任務を遂行しているコーラサワーの、視聴者の好感度が爆上がりするきっかけになったかもしれない名セリフでもありました。
仲間からついたあだ名は「不死身のコーラサワー」です(2nd・8話)
どんなに敵襲を受けても、必ず無傷な姿で帰艦するところから、ちょっとした皮肉もこめてコーラサワーにつけられた通り名。
それを褒め言葉として受け入れ、マネキンにもアピールしてしまえるコーラサワーの素直さ・無邪気さが前面にあふれていたシーン。
作戦を指揮するマネキンにとっても、その愛称(?)や彼の言動は、一種の救いであったかもしれない、と想像を掻き立てられる場面となっています。
オレの大佐に手を出すなぁ! /大好きです。カティ(2nd・23話)
地球連邦軍「アロウズ」の悪行の数々に反旗を翻したマネキン。敵対していたソレスタルビーイングに加担し、アロウズの殲滅を図ります。
そんなマネキンのいる艦隊に迫りくる敵陣。それを察知したコーラサワーは、彼女を守ろうと身を挺して艦隊を守ろうとした際に飛び出したセリフです。
しかし、容赦ない攻撃はついにコーラサワーの乗った機体を撃破して……!
いつも軽いノリで愛を叫ぶコーラサワーの、マネキンに向けた最後の愛の言葉に、視聴者はもちろんマネキン自身も彼の安否に思いを馳せてしまいます。
「不死身のコーラサワー」の行く末は……!?
最後に
壮絶な戦いが繰り広げられる中で紡ぎ出された名言の数々、いかがだったでしょうか。
どの人物にもそれぞれの「戦う理由」や理想とする「未来」があり、そのために彼らは戦いに身を投じています。
キャッチーな言葉の中にも、その人物なりの深い信念が垣間見えて、おのおのが信じる正義のための命のやりとから目が離せません。
彼らの台詞以外にも気になる名言が多い「機動戦士ガンダム00」。10数年経過した今でも見劣りのしないクオリティを誇る本作を、改めて見直して見るのもよいのではないでしょうか。
◆[文/おかもとみか]
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