今年は日曜!行きやすい!!【2025富山の節分】寺社で福豆、福飴をゲットしよう!そもそも節分って何!? 専門家の節分解説も
スーパーマーケットやコンビニで節分豆や恵方巻を見かけるようになってきました。
1月があっという間にすぎ、早くも節分の時期ですね。
富山県内の寺社では、毎年、豆を打って邪気を払う節分祭や節分会が行われます。2025年の節分は日曜ということで、例年は仕事や用事を優先する人でも参加しやすい曜日まわりです。これまで参加したことがない人、チャンスです。
ところで、「日曜って2日でしょ? 節分って2月3日じゃないの?」と思った人、いますよね? 実は、節分って年によってずれるんです。そもそも節分ってなんなのか、専門家にも聞きました。
そもそも節分ってなんの日?
そもそも「節分」って、どういう日か知っていますか?
節分とは、文字の通り「季節の分かれ目」のこと。大寒、立春など、1年を季節や気候によって24等分する暦の二十四節気の考え方では、立春・立夏・立秋・立冬を起点に四季が分かれるとされます。そのそれぞれの前日が「節分」とされ、実は2月の節分だけでなく、春夏秋冬、1年間で計4つの節分があります。
昔は災害や疾病は鬼の仕業と考えられ、特に季節の変わり目は邪気が入りやすいとされてきました。そこで、節分に邪気を払うための法要や祭などの行事が行われました。中でも冬から春に移る立春は旧暦では新年の始まりとなるため、特に重きが置かれるようになり、現在では単に節分といえば春の節分をイメージする人が多くなりました。
豆をまくのはなぜ?
節分には豆まきというイメージがありますが、日本でいつごろから行われるようになったかはわかっていません。しかし、15世紀半ばごろには公家や武家だけでなく一般の人の間でも「鬼は外、福は内」と唱えながら豆まき(豆打ち)が行われていたことを示す史料が残っており、江戸時代には歌舞伎役者が豆まきをする様子を描いた錦絵が残っています。
豆を使う理由についても諸説あり、現在のように大豆ではなく小豆を使っていたという記録や米・麦・粟などの五穀が使われていたという記録も残っています。なぜ大豆が主流になったのかも定かではありませんが、中国の医学書に書かれていたという説や「魔滅(魔を滅する)」をまめと読んだという説、五穀の中でも手に入りやすいのが大豆だったという説や大きな穀物のほうが鬼退治に適しているという説など、さまざまな推測がされています。
また、北海道や東北などの雪がたくさん積もる地域では、まいた豆をひろい集めやすく、衛生的でもあるという理由から、大豆ではなく落花生を使う土地もあるそうです。
富山県内の寺社の豆まき行事
全国的に有名なのは千葉県の成田山新勝寺の豆まき行事ですが、富山県内の寺社でも毎年、豆をまいて邪気を払う節分行事が行われています。
2025年の節分は、2月2日(日)。
日曜日ということで、普段は仕事などで参加できない人も、2025年は参加しやすそうです。
【富山市・日枝神社】節分祭 2/2(日)16:00~
日枝神社 節分祭
日 時:2月2日(日)16:00~
住 所:富山市山王町4-12
問合せ:076-421-6318
「山王さん」の愛称で親しまれている富山市の日枝神社では、毎年、節分の日に節分祭を行っています。矢をつがえずに弦を引いて、 その音を鳴らすことによって悪鬼・邪気をはらう「鳴弦(めいげん)の儀」を行ったあと、豆を打って邪気や災いをはらい、幸福を祈願します。
小袋に入った節分豆は参拝者にもわけられます。ちなみに、日枝神社では「神社に鬼はいない、境内に魔物はいない」ということで、「鬼は外」とは言いません。「福は内」と言いながら豆を打ちます。
【高岡市・射水神社】節分祭 2/2(日)15:00~
射水神社 節分祭
日 時:2月2日(日)15:00~
住 所:高岡市古城1番1号(古城公園内)
問合せ:0766-22-3104
射水神社の節分祭では、「鳴弦の儀」と「鬼追いの儀」を行います。
「鬼追いの儀」は、本殿に差し掛かる手前の中門に現れた“鬼”に向かって、宮司が「鬼遣(や)ろう!」の掛け声とともに豆を打って鬼を追い払います。
この時、鬼は宝物である「打ち出の小槌」を落として行くため、その小槌を振ってお祈りする参拝者の姿を見ることもできます。
そして、「福は内!!」の声に引き寄せられ、福の神が現れます。
射水神社の「福の神」は、御祭神・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の神話「天孫降臨」に由来をするお導き・縁結びの神様・天宇受賣命(あめのうずめのみこと)とされていて、手にした熊手で “幸せ”をかき寄せながら届けてくれます。福の神がまいた豆には福引券がついていて、縁起物や恵方巻が当たる人もいるんだそう。
【南砺市・高瀬神社】節分祭 2/2(日)15:00~
高瀬神社 節分祭
日 時:2月2日(日)15:00~
住 所:南砺市高瀬291
問合せ:0763-82-0932
南砺市井波地域にある高瀬神社でも、毎年、立春の前日に節分祭を行っています。
祭典のあとの豆まき神事では、神前に供えた豆で参列者の災いをはらい、無病息災と家内安全を祈ります。
この時、豆を受け取れなかった人も安心を。神事の後に福豆・福飴が配られます。
【富山市・成田山富山分院 富栄寺】節分会 2/3(月)15:00~
成田山富山分院・富栄寺 節分会
日 時:2月3日(月)15:00~
住 所:富山市石金2丁目3−6
問合せ:076-423-4431
大相撲力士や芸能人の豆まきで有名な成田山新勝寺。真言宗智積院を総本山とする不動尊信仰の総府とされ、その全国に71ある別院や分院のうち、富山にあるのが成田山富栄寺です。
2025年の節分は2月2日(日)ですが、富栄寺の節分会は例年通り、2月3日(月)に行われます。
節分会では、福男福女が「福は内」と言いながら、豆の入った小袋を投げ入れます。準備されるのは、大豆7000袋、落花生1000袋の予定。豆まきで邪気を払って身を清め、旧暦の新年にあたる立春を迎えます。
成田山では本尊の不動明王の慈悲よって「鬼も正しい道へと改心する」と言われていて、「鬼は外」とは言わないのが習わしです。
2025年の節分はどうして2月2日?
ところで、節分といえば2月3日というイメージの方も多いでしょう。
二十四節気や暦は地球と太陽の位置関係を基に割り出されていますが、うるう年があることからもわかる通り、地球の公転はぴったり24時間ごとの日数で割り切れるわけではないため、毎年、位置関係と暦は少しずつズレていきます。
富山市科学博物館の学芸員が解説してくれました。
節分を決めるための「立春」とは
前項で説明した通り、「節分」とは立春の前日のこと。年によって節分の日が変わるといっても、この定義が変わるわけではありません。
というわけで、節分が2月2日になったり4日になったりするのは、実は、立春の日が変わってしまうからです。
では、「立春」は何を基準に決められているのでしょうか。
二十四節季において春の始まりとされる「立春」ですが、二十四節気は1年を4つの季節(春夏秋冬)に分け、そこからさらに6分割して24等分したものです。
季節が変化するのは、地球の自転軸が公転方向にたいして約23.4°傾いているためです。公転によって位置が変わると太陽の高さも変わり、昼と夜の時間も変わります。
そこで、二十四節季では地球の公転軌道も24個に分割して、それぞれの位置を通過した日を変わり目にしています。たとえば公転軌道上の「立春」と定められた点を通過した次の日が、「立春の日」となるのです。
1年は365日と6時間弱。うるう年があっても、まだズレてる!!
地球は1年をかけて太陽の周りをまわりますが、ご存知のとおり、365日ピッタリではありません。
正確には、365.2422日。1年で約6時間、4年で約24時間となるため、4年に1度、うるう年が設けられていますが、それでもズレは完全に解消されるわけではありません。
そのズレが、400年でおおよそ3日。
そこで、100年ごとに「本当はうるう年だけど、うるう年とカウントしない年」などのルールを定めて、微妙なズレを修正しています。
こうして、公転軌道上で定められた二十四節季の基準となる点と、そこを実際に地球が通過する月日は、その年によって微妙に早くなったり、遅くなったりします。そのため、「立春」となる日がズレ、その前日と定められている節分の日も変わってしまうというわけです。
ちなみに2021年の節分は2月2日で、これは1897年の2月2日以来124年ぶりのことでした。2025年の節分は2021年以来4年ぶりで、このあともしばらく4年ごとに2月2日になります。
逆に遅くなることもあり、約40年前の1984年には2月4日が節分の日でした。
節分が1日ずれたからといって、私たちの生活が大きく変わるわけではありませんが、邪気を払い、1年を健やかに過ごしたいと願う年中行事を1日間違えた…なんて、縁起がいいものではありません。2月2日の節分に厄を払って、清らかな気持ちで3日の立春を迎えたいですね。