由比ガ浜中央 市内初の県商店街大賞 マップとSNSで集客
神奈川県内の商店街の優れた取り組みを表彰する「かながわ商店街大賞」。13回目の今年度は、鎌倉由比ガ浜中央商業協同組合の似顔絵つきマップやSNSでのPR活動が評価され、鎌倉市内初の大賞を受賞した。1月7日には授賞式が行われ、黒岩祐治県知事から表彰状が贈られた。
江ノ電・和田塚駅から六地蔵交差点までと、同交差点から由比ヶ浜大通りを西に進んだ300mほどのエリアを中心とする同商店街。築100年超の店から観光客に話題の新店まで、新旧さまざまな会員店舗72店が軒を連ねる。
商店街の街路灯には、初夏のアジサイをはじめとした季節の花、冬はイルミネーションを飾るのが定番となっている。
20代が活躍中
昨年4月には、会員店舗の特徴や店主の姿を描いた47個の似顔絵つきのマップ3千部を発行。絵やデザインを担当したのは、「理容みやかわ」店主の孫で、ラッパー、タトゥーの彫師として活動しているT(ティー)―TANGG(タング)さん(28)。マップ作成の話が持ち上がった時、「デザイン担当」として白羽の矢が立った。
商店街を何往復もし、店らしさが分かる構図を考えて写真を撮影。1枚1枚スケッチブックに描き起こした。子どもの頃通った店では「コロッケ買ってくれてた子じゃない!」と声をかけられたと笑顔で振り返る。
「顔出し」を遠慮する人もいたが、マップを見た人からは「よくできてるね」「似ている」と好評で、喜んでくれる店主も増えたという。
SNSで商店街PRを続けるのは、飲食店「鎌倉海鮮びより」のスタッフ・金子直樹さん(24)だ。SNSマーケティングや店のSNS担当の経験を買われ、昨年から広報担当に。インスタグラムやTikTokで商店街の店の魅力や祭り、イベントの様子などを紹介している。
「商店街のPRは初めてなので探りながらというところもあるが、大通りの魅力も含めて、商店街の良さを伝えていけたら」と意気込む。
安齊敬理事長は、「若い子が力になってくれるのはうれしい。今後もアイデアを聞きながら進めていけたら」。