市場中市場小平安小 独自教科に「鶴見ふるさと科」 地域愛の醸成を目的に
鶴見区の市場中学校ブロックの3校(市場中、市場小、平安小)が今年度から、独自教科「鶴見ふるさと科」を導入している。小中学校9年間の連続性のある学びの中で、地域の一員として自覚を持ち、地域への愛情を深めてもらうことなどを目的としている。
横浜市教育委員会では、義務教育9年間の連続性ある学びを目的に、市内の公立小中学校を地域ごとにブロック分けしている。中でも、地域の特性を生かした「併設型小・中学校ブロック」を7つ設けており、市場中ブロックはそのひとつとして定められている。
市教委では、併設型ブロックでの先進的な取組みとして独自教科の導入を進めており、今回の「鶴見ふるさと科」はその一環。市場中ブロックでは昨年度の試行期間を経て、今年度から本格的に実施する。
「鶴見ふるさと科」で目指すのは、地域の一員として自覚を持てるように、地域を知り、地域の人とふれあい、地域への愛情を深めることができるようになること。総合学習の時間など、従来からの授業の一部を独自教科に充てるため、トータルでの授業コマ数はこれまでと変わらない。市教委では「学校だけでなく、地域との関わりやまちへの参画を通じて、地域の特色を生かした取り組みを目指してほしい」と独自教科の成果に期待する。
学年に応じた学び
連続した学びのために3校では学年別に取組みを実施。例えばこれまでも、平安小学校では3年生の「まちたんけん」で地域を知り、5年生では地域住民を招いて過去の鶴見川の氾濫の歴史などを学び、6年生では総合学習の時間でまちの活性化のために自分たちができることなどを話し合ってきた。市場中学校では地域福祉活動として、自分たちの住んでいるまちの花壇整備や清掃などを住民と一緒に行うなど、様々な取組みを進めてきた。今回の本格実施に合わせ、3校は合同研修会などを通じて各校での「鶴見ふるさと科」の実施状況を共有していく。
市場中学校の生徒と一緒に活動を行った学校・地域コーディネーターでバードウッド鶴見自治会会長の菅野陽子さんは「地域の大人たちとふれあい、自分たちが活躍できることを知ることで、地域への愛情を育んでもらえたら」とし、「重い物を運んでくれたり、積極的に活動を手伝ってくれて本当にありがたかった」と話した。
また、平安小学校の中村浩子校長は昨年度の試行期間を振り返り、「自分たちの地域に興味を持つことで、子どもたちが地域の人の顔を覚え、登下校を見守ってくれている人たちの名前を覚えるなど、良い影響が出ている」と手ごたえを語る。
独自教科は今年度、併設型7ブロックの小中学校のほか、義務教育学校3校で実施されている。