厚木市 視覚障害者、アプリで支援 オペレーターが音声案内
厚木市は、視覚障害者がスマートフォンのアプリでオペレーターと通話しながら、カメラ映像を基に外出時や家庭内での生活支援などを受けられるサービスを5月から始めた。日常生活での困りごとなどをリアルタイムで解消できるとし、市では「利用者の生活の質向上につながれば」と期待を寄せる。
市が導入したアプリ「アイコサポート」は、視覚障害者が持つスマホからオペレーターと直接通話し、位置情報やカメラ映像を共有して道案内や障害物の有無、文字の代読などの支援をリアルタイムで受けられる。自治体の導入例は、鹿児島県阿久根市、鳥取県に続いて全国3例目となる。
視覚障害者の外出支援には、障害者福祉サービスで定める「同行援護」がある。しかし利用には事前予約が必要で、一人での外出時や在宅時にとっさの支援が必要となるケースで利用できないなどの課題があった。
アプリはSOMPOホールディングスのグループ企業が開発したもので、オペレーターは自動車保険のロードサービス業務にあたるスタッフが必要な研修を積んで対応。午前9時から午後9時まで365日、予約不要で月2時間まで利用できる。
市障がい福祉課によると、アプリの利用対象となる市内で身体障害者手帳を持つ18歳以上の視覚障害者は約400人。導入に向け、昨年12月に市視覚障害者協会の協力でアプリの利用体験会を開いたところ、多くの参加者から好評だったという。
同課では「お店で商品を選ぶ際の手助けや、自宅での家事援助、郵便物の読み上げなどさまざまな場面で利用できる」といい、「視覚障害者の社会参加を後押しするきっかけになれば」と話している。
アプリに関する問い合わせや申請は同課【電話】046・225・2221へ。