小学校でiPad59台が消えた 盗難?誤廃棄? 紛失までの経緯や発覚後の対応に疑問の声
■保管庫に鍵なし 部屋は夜間と休日に施錠
静岡県菊川市の小学校で学習用タブレット端末のiPad59台がなくなった。学校側は盗まれた可能性もあるとみて、市は警察に相談している。ただ、紛失が分かってからの対応には疑問の声が上がっている。
タブレット端末の紛失を明らかにしたのは菊川市にある小笠北小学校で、児童の学習用に使う目的で2015年度に購入した。学校の会議室にある保管庫に置いていた76台のうち、59台がなくなった。保管庫に鍵はなく、会議室は夜間と休日に鍵がかけられているという。
タブレット端末の紛失が発覚したのは昨年12月16日だった。職員が1年生の授業で使おうとしたところ、数が足りないことに気付いた。全てそろっているのが最後に確認されているのは昨年8月29日で、3か月半ほどの間に紛失したことになる。
タブレット端末は盗まれたのか誤って廃棄してしまったのか、それとも別の場所に置いてあるのかなど現状では分からないという。盗難の可能性もあることから、市は今年1月10日に菊川署へ相談した。紛失が発覚してから公表まで1か月かかった理由については「小学校でタブレットを探したり、教職員に聞き取りをしたりする時間が必要だった」と説明している。
■紛失発覚まで3か月半 公表まで1か月に疑問の声
紛失が発覚するまでの経緯や発覚後の対応には、インターネット上で疑問の声が上がっている。最後に確認されてから紛失に気付くまで3か月半も空いていることに「この学校はタブレットを授業で使う気があるのか?教師がデジタルに対応できていないと、子どもたちがかわいそう」、「たいして使わないタブレットを紛失。1台5万円と計算して、300万円近い税金を無駄にしている」といったコメントが並んだ。
また、紛失が分かってから公表まで1か月かかったことについても、「何で、そんなに期間がかかるのか疑問。盗まれて売られているとしたら、時間がかかるほど見つけるのが困難になる」、「全ての対応が後手後手。大ごとにせず隠そうとしているように感じる」などの声があった。
紛失したタブレット端末は昨年度末にデータを削除した状態で保管されていたため、児童の個人情報が流出する恐れはないという。菊川市はタブレット端末の管理に不備があったとして、再発防止に努めるとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)