小田川ふれあいウォーキング(2024年6月23日開催)~ 豪雨災害から生まれ変わった小田川の堤防を総勢約200人で歩きました
平成30年7月豪雨で堤防が決壊した小田川。真備町では「真備緊急治水対策プロジェクト」による堤防強化と合流点付替え工事がおこなわれてきました。
2024年3月に工事は完了し、小田川の堤防道路は綺麗に整備され、復興のシンボルとして新設された「まびふれあい公園」も同年7月に開園する予定です。真備町の復興への取り組みが着々と形になっています。
2024年6月23日(日)に開催された「小田川ふれあいウォーキング」は、生まれ変わった小田川の堤防道路を歩き、開園前のまびふれあい公園を間近で見られるイベントです。
普段、真備町に行く機会が少ない私も、イベントをきっかけに小田川に足を運んでみました。当日のようすを紹介します。
「小田川ふれあいウォーキング」とは
「小田川ふれあいウォーキング」は、2024年6月23日(日)に開催されたイベントです。
工事が完了したばかりの「小田川の堤防道路」と、新設された「まびふれあい公園」をお披露目するべく、真備・船穂総おどり実行委員会が企画しました。
まびふれあい公園は、第15回真備・船穂総おどりの会場にもなる予定で、今回のイベントは真備・船穂総おどりのプロモーションとして開催されました。
コースは、2.5kmと6kmの2種類。まびふれあい公園をスタート・ゴール地点とし、小田川の緑あふれる自然や、地域の見どころを探しながら、堤防道路をぐるりと歩く内容です。
コースの途中には休憩スポットや仮設トイレも用意されており、各々のペースでゆったりとウォーキングを楽しめます。
当日は雨天により、スタート・ゴール地点が倉敷まきび支援学校に変更になりました。
イベント当日はあいにくの雨でしたが、真備町だけでなく町外からも参加者が大勢集まり、参加人数は200人を超えました。友人同士で参加する人や、子どもと一緒に参加する家族連れも多く、会場は終始賑やかな雰囲気です。
私は今回、6kmのコースで友人と参加してきました。
イベントに参加しました
当日は朝から雨が降り続けており、スタート地点がまびふれあい公園から倉敷まきび支援学校に変更されました。
雨なので参加者も少ないかと思いましたが、受付開始の午前8時30分の時点で、駐車場には多くの車が駐められていました。
受付に向かうと、想像を超える参加者の多さに驚きます。
会場内は悪天候が吹き飛ぶほどの活気であふれており、子どもと一緒に参加する家族や、友人同士で参加するご年配のグループなど、いたるところで賑やかな声が上がっていました。
受付では、観光スポットの紹介パンフレットと、塩分チャージが渡されました。
パンフレットには「ウォーキングコースから見える(?)」という、はてなマークのついたタイトルが書かれています。
見つけることが難しいのでしょうか。目をよく凝らして歩いてみようと思います。
午前9時には開会式がおこなわれ、真備・船穂総おどり実行委員長の挨拶のあと、参加者全員でラジオ体操をしました。
午前9時10分、いよいよ小田川ふれあいウォーキングスタートです。
小田川の自然を楽しみながら八高橋(折り返し地点)を目指す
倉敷まきび支援学校を出発し、列になって歩いていきます。
色とりどりのレインコートが並び、堤防道路は一気にカラフルに色づきます。
小田川ふれあいウォーキングののぼりを持ったスタッフが先導してくれるので、道に迷うこともなく、コースを進んでいきます。堤防道路に上がったところで列も崩れ始め、それぞれのペースで歩き始めました。
出発して数分後、当初のスタート地点だったまびふれあい公園が右手側に見えてきました。かわいらしい見た目の建物がトレードマークの公園です。
まびふれあい公園の敷地はかなり広く感じられます。今後は、真備・船穂総おどりのような地域イベントの会場として利用されるだけではなく、災害時には約400台の車が避難できる空間を確保し、ヘリポートとしても利用されるそうです。
建物をよく見てみると、壁には竹がぎっしりと使われており、真備町らしさを感じられました。まっすぐな竹が、しなやかな曲線を作り上げていることに驚きます。
開園前なので人影はありませんでしたが、7月13日(土)の真備・船穂総おどりで賑わうまびふれあい公園の姿も見てみたいなと思いました。
まびふれあい公園を通り過ぎ、しばらく歩いていると、いよいよ小田川が間近に見えてきました。
スタッフから「橋の下の道をくぐってください」と案内があり、整備されたばかりの綺麗な堤防道路を進んで橋の下を抜けていきます。
コースの要所にはスタッフが必ず立っており、見守られながら安心して歩いていきます。
宮田橋の看板は、特産品のたけのこがモチーフになっていました。地元の人は見慣れているのか素通りしていきますが、個人的には地域性を感じられるかわいい看板だったので、思わず撮影してしまいました。
ウォーキング中、パンフレットに載っている観光スポットを探してみますが、天候不良で視界がやや悪いせいか、なかなか見つかりません。
遠くの景色を見渡していると、一緒に歩いていた友人から「そこに咲いている白い花、よく見かけるけどなんていう名前なんだろうね」と話しかけられました。足元を見てみると、たしかに道端でよく見かける花が咲いています。
気になって調べてみたところ、ハルジオンとヒメジョオンのどちらかではないかと話が盛り上がりました。普段なら気にも留めない雑草ですが、身近な草花に関心を向けられるのも、ウォーキングイベントならではの楽しみ方ですね。
雨が強くなり始めた頃、ついに折り返し地点となる八高橋に到着しました。
八高橋では、パンフレットで紹介されていた「八高堰(はっこうぜき)」を発見。ようやく出会えた最初の観光スポットです。
八高堰は「ゴム堰」と呼ばれており、ゴム製のチューブを膨らませて川の水をせき止めることで、地域の水田に農業用水を供給する役割があります。間近で見ると非常に大きく、大量の川の水をせき止める姿には迫力が感じられました。
激しい川の流れを見下ろしながら八高橋を渡り、いよいよウォーキングも折り返しです。
雨に打たれながら復路を進む
八高橋を渡り終えて少し進むと、休憩スポットに到着しました。
休憩スポットでは、お茶やスポーツドリンク、塩分チャージが提供され、軽トラで運ばれてきた仮設トイレも用意されています。テントの下では参加者同士が譲り合いながら休憩しており、私も隙間に入れてもらいました。
お茶を飲み終わり再出発しようとしたその時、休憩スポットのすぐ側にある井原鉄道の備中呉妹駅から列車が発車しました。ローカル線ならではの、一両編成のこぢんまりとした列車。タイミング良く走る姿を見られてラッキーです。
折り返しの道中、雨はますます強くなり、レインコートや靴のなかにも水がしみてきました。
普段なら不快かもしれませんが、傘をささずに雨のなかを歩くことはめったにないので、非日常感を味わえてわくわくします。子どもの頃に戻ったような気分で歩いてきます。
天気が良すぎても熱中症になる不安があったので、雨天の涼しい気温で歩けてちょうど良かったかもしれません。
濡れた地面を見てみると、カタツムリも堤防道路を散歩していました。これも雨の日ならではの出会いです。
雨のなかをはしゃぎながら歩いていると、あっという間にゴール地点に近づいてきました。往路で通り過ぎたまびふれあい公園が左手に見えてきたので、ゴールまであと少しです。
約2時間かけてゴールへ到着
午前11時ちょうど、ゴールである倉敷まきび支援学校に戻ってきました。
雨のなか、レインコートを着たスタッフが入り口付近で待ち構えており、「お疲れ様でした」とゴールを温かく出迎えてくれます。約2時間をかけて、6kmを完歩しました。
ゴールした参加者を見てみると、ほとんどの人が足先まで濡れていましたが、歩き終えた達成感で笑顔があふれていました。
終始自分のペースで歩けたので、きつい疲労感も特に感じられず、老若男女問わず楽しめる健康的なウォーキングイベントだったと思います。
受付では、アイスや焼き鳥、飲み物が提供されました。
2時間も歩いてお腹が空いていたので、塩のきいた焼き鳥が特においしかったです。近場で焼いた焼き鳥が会場に運ばれていたので、熱々の焼きたてを食べられました。
さらに、参加賞としてお菓子も受け取りました。友人とそれぞれ違うお菓子が渡されたので、何種類かバリエーションがあるようです。
私と友人が受け取ったクッキーは、倉敷市内にある就労継続支援B型の福祉施設が製造したものでした。
地域の人が作ってくれたお土産に、心が温かくなりました。
おわりに
終始雨に恵まれた小田川ふれあいウォーキング。雨が降る堤防を歩く機会はめったにないので、どしゃ降りのなかを歩けたのは逆に貴重な体験になったと思います。
鏡のように反射する水田やカタツムリなど、雨ならではの自然を楽しめたのも個人的には良い思い出になりました。
堤防道路は道が広く、災害時の移動のしやすさを随所に感じました。ただ綺麗に整備されただけではない、防災面のアップデートを体感できたので、ウォーキングイベントに参加できて良かったと思います。
2024年の真備・船穂総おどりは、7月13日(土)にまびふれあい公園で開催されます。お祭りに行くついでにでも、生まれ変わった小田川沿いにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。