西宮ウォーキングガイド|夏の終わりを河原に探して編
そろそろ夏が終わりそうな気がします。
かつては空気感や匂いから感じることができた夏の終わりを、最近あまり感じなくなってきました。歳を重ねて感性が衰えつつあるのか、それとも過去と比べ夏が長くなっていると考えるべきか。
夏が終わるころになると、なんとなく脳内に音楽が流れまして。私の場合は、これかこれかな。世代や自身のおかれた環境によっても違うのかもしれません。
そんなノスタルジックな夏の終わりを、武庫川と仁川が合流する河川敷エリアにて探すウォーキングをしてきました。公園として整備されているため、河原に近づかない限りは平坦で足もとも安定したコースです。
今回のコースは、①仁川口橋近辺をスタートし、仁川霊園と川西川の間を通って武庫川河川敷へ出て、②その後は武庫川沿いを西宮と宝塚の市境まで北上。③市境のあたりで折り返し、仁川との合流地点まで戻り(②)、④さらに南下して武庫川サイクリングロードの近辺までを歩くルートです。
河川の名称については西宮市のサイトを参照しています。
全体的に川沿いのため日陰はないものの、風を感じることもでき、街中よりは涼しく感じました。ウォーキング、ランニング、ジョギング、サイクリングなど利用者は多く、明るいうちは安心して利用できます。日が落ちると照明等は少なそうなので要注意です。
所要時間の目安は①~②が10分、②~③が30分、③~②が15分、②~④が10分ほどの全体で1時間強のコースです。平坦ですがムラのある歩き方をしたため、スムーズに歩けば40分ぐらいでも行けそうです。
ちなみに筆者は大柄な40代男性です。写真を撮ったりメモを取ったりしながら歩くので、のんびりかつ安定しない速度で、行きつ戻りつしながら適宜休憩もしています。移動時間は大体の目安にしてください。
今回は万歩計を忘れたため、歩数は不明です。
8月末晴天のある日、16:45ごろ仁川口橋の西側からスタートしました。万代仁川店の近くですね。
空は高く、気温は35度くらいでしょうか。日差しは強いですが、八月前半のジリジリと焦げてしまいそうな強さはないです。
名前の通り仁川上を通っている橋なのですが、この日の仁川は水が流れていませんでした。カラカラ。
そのまま橋の先に渡ると「田近野公園」があります。公園の裏側には川西川が流れており、向いは仁川霊園です。
川西川にかかる橋もわたり、川の土手の上の霊園横の道を歩くことにします。水面から出ているのは鯉か何かの背びれのようです。
川沿いは車道からも離れ、長閑な雰囲気でした。水は思っていたより透き通っており、川底までが見通せました。水深は深いところで1メートルくらいかな?
今年は蝉が少なかったようですが、少し寂しくツクツクボーシの鳴き声が聞こえていました。
サギの類も木ノ下で夕涼みしています。水音が心なしか涼しく感じました。
写真には収められませんでしたが、あたりには多くの赤トンボが飛び交っていました。
川べりは緑も多く、深呼吸すると草の匂いがします。
ウォーキング開始から10分ほどで武庫川と仁川の合流する付近の三角形の中州のあたりにつきました。土手の上のため、直接は川までは降りることができません。遠くに見える武庫川の水辺までは石ころの転がる風景が広がっています。
霊園沿いの道は土手の上を囲んでいるため、途中でぐるっとターンしています。河原に向けた脇道から降りていきます。
バッタの仲間のギー、スズムシのコロコロといった鳴き声が多く聞こえます。車道のあたりでは気づけない音ですね。
太陽は少し沈み、風が吹いているのを感じます。河川敷公園は日焼け対策をきっちりしたランナー、ジョガー、ウォーカーが多いです。しかしながら、近所の人の散歩する姿もあります。
ちょっと大きなトリが水面をバタバタしていました。水浴びでもしているんでしょうか。自分も、しがらみや大人の自覚などを捨てれば水に入って行ける気がします。
河原の植物はたくましいですね。「雑」草の名に恥じない力強さです。
西宮市ではこの日から小中学校の二学期が始まっており、川の反対からチャイムが聞こえたため近隣も同様なのでしょう。この近辺は川幅が広く、武庫川の膨大な水量を感じます。
草だけでなく、川べりには木々も繁っています。どんぐりかな?秋の準備も始まっているようです。
大人しく歩いていたのですが、この辺りで我慢ができなくなり、草むらに足を踏み入れました。草の中から出てきたバッタが飛び交います。さすがに追いかけまわす元気まではありませんでした。
河原の風景の小さな変化を拾いながら歩きます。
青い箱は簡易トイレ、このコースでは貴重です。また、茶色の四角形は武庫川河川敷野球練習場でした。グーグルマップ上では西宮市となっていますが、看板には兵庫県宝塚土木事務所の記載があり、この辺りから宝塚市との市境なのでしょう。
最近草刈りが行われたと思しいエリアにミステリーサークル感がありました。
17:30ごろ、西宮市から出てしまいそうなのでUターンし、武庫川沿いをそのまま戻っていきます。日差しの角度が変わり、雲の色は赤みを帯びてきました。
目に写る色合いから沸き上がったワードは「河原のエモさ」。「エモい」って、いろいろ便利すぎる言葉なのであまり使いたくないのですが、他に思い当たらず。
こんな空気感なので、ハトも黄昏ているようでした。
湧きだす夏休みが終わってしまう寂しさ。もう夏休みなんてないのに。
17:45ごろ仁川霊園の南橋あたりまで戻ってきました。行きは30分、帰りは15分、それだけ見どころがあったということでしょう。
仁川をまたぐ低い橋のあたり。水面までの距離が近く、よく子ども連れの姿をみる気がします。
最大7~8センチくらいの魚影が、石の囲みや橋の下をチョロチョロと。
一本だけ河原の低いところに見えるのは柳でしょうか。葉の向きなのかシルエットなのか、周りから浮いて見えました。
18:00前に武庫川サイクリングロードの始点のエリアに。この辺りから松の木が増えるのは治水関連ですかね。
ベンチにポツンと残されたメガネが「もう家に帰らなきゃ」といっているようでした。
18:00ごろ、報徳学園のあたりで川べりを離れました。
茜色の夕日が撮りたかったのですが、どこから撮ったものかわからないまま住宅街を帰っていきます。どこからか夕飯を煮炊きする香りが漂っていました。今日は肉じゃがかな。
武庫川と仁川の合流するエリアは足元もよく整備され、散歩に、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどにも適したコースです。街中のうるささからも離れた時間が過ごせます。
注意点として、大雨の後や天気が悪くなりそうなときはやめておきましょう。また、日差や熱中症対策を行っておきましょう。自販機やトイレは少ないため注意し、ゴミは持ち帰ります。
どうしても草むらを駆けまわりたい場合には、虫よけスプレーや長ズボンがおすすめです。