800年の時を経て蘇る萩姫伝説。本宮市のロードサイドオアシス
第85回「五百川食堂」
第85回の「ふくしま定食部」は、秋の好天に誘われて、ちょっとだけ足を伸ばしてみることに。
ウォーキングで福島駅へ向かい、13時39分発の東北本線に乗り込んだら今回の降車駅を五百川駅に決定。
ウォーキングで来たのはもちろん「健康」のため。
駅に降りたら14時15分。「五百川食堂」さんのラストオーダー14時30分に間に合いそうだと、国道4号線へ向けて歩幅を広げます。
その間も、ずっと並走するようにビールタンクが視界に入り続けます。
ウォーキングで来たのはもちろん「健康」のため。
国道へ出たなら郡山方面へ左折。暑さとウォーキングで、すっかり喉も乾いたタイミングで「五百川食堂」さんへ駆け込むように入店です。
「五百川食堂」さんは、食べ応えのあるメニューと、かつての五百川ドライブイン時代を踏襲した広くて活気あるお店。
遅めのお昼になりましたので、ボリューミーなチキン南蛮定食をオーダーです。そして、やっぱり瓶ビールで喉を潤すことに。
ウォーキングで来たのはもちろん「ビール」のため!
ほどなくして瓶ビールの到着です。銘柄はもちろん、お膝元のアサヒ一択。窓の外のビール工場に思いを馳せれば、ここはもう“ビール園はなれ“。
オーダーに配膳にとテキパキ動かれるスタッフのみなさん。この雰囲気がビールをより美味しくしているんだと思います。
ここで壁際に目をやると、見つけたらやらずには居られない星座占いを発見。やぎ座に矢印を合わせたら、レバーを引いて…。結果はどうあれ、占ったという不思議な充実感に包まれました。
店内の情緒に浸っていると、220gの大振りチキン南蛮がドドンと到着。南蛮酢がよく染みた表面には、五百本の川を彷彿とさせるマヨネーズ。
すぐ傍を流れる、店名でもある五百川。南北朝時代の昔、京都の萩姫が病に伏していたときに、「京都から北に五百番目の川を上りなさい」と言われ旅をしました。そして五百番目の川がある磐梯熱海温泉に入ると、たちまち完治したとされる萩姫伝説。
マヨネーズの川を越え進むレモンに萩姫の姿を重ねたら、伝説が今日、皿の上に蘇ったような気分になりました。甘酢餡とマヨネーズが相まったコクのある味わいは、やわらかジューシーな鶏肉にぴったり。
そして驚くのは、ややしっかりめに炊かれたご飯の美味しさ。料理長も「オーナー自らが農家さんと契約する自慢の米は、皆さんからも好評なんです」と仰います。
チキンの下に敷かれたシャキシャキなレタスやキャベツも、甘酢餡を引き連れて口まで運んでくれるので、最後まで余すことなく堪能。
「五百川食堂」さんのメニューはどれも、一度決定したオーダーを何度も覆すほど魅力的。
F1のステアリングサイズな名物「大名とんかつ定食」は脂身も美味しいジャンボなロース。国道沿いの立地でドライバーさんなどの訪問も多いため、ボリュームのあるメニューが多いそうですが、特にとんかつとチキンカツは双璧。
モツ系ツートップも人気。
創業当時からのメニュー「モツ焼き定食」は、濃厚味噌で炒められたたっぷりのモツがライスに合いまくり!
もうひとつの「モツと野菜炒め定食」も、ホルモンとは違うまさにもつ。ぷにクリと異なる部位がもたらす歯応えと、野菜の歯触りが融合した満足の一品。
こってり/あっさりが選べるラーメンも充実。バイクにサイドカーの如く「こってり醤油ねぎラーメン」に「ミニチャーハン」を添えた組み合わせも魅力的。
他にも、甜面醤が効いた甘めのタレに豚バラ・キャベツ・ニンジン・タケノコ…と考えただけで涎が出る「回鍋肉定食」もあって毎回オーダーが決まりません…。
平日はドライバーやサラリーマン、土日は家族連れでにぎわう人気食堂。70年以上前から続くドライブインの雰囲気と、若き料理長によって進化を止めないメニュー。
この先800年続いて伝説になってほしい本宮の名店。
満腹満足で、グラスに残ったビールを飲み干したらお会計です。
次回も歩いてこようかな。
ウォーキングで来たのはもちろん「健康」のため。ですから。
ごちそうさまでした!
五百川食堂
住所
本宮市荒井陳場37-1
電話番号
0243-36-2582
営業時間
11:00〜15:00/17:00〜21:00
休み
毎週木曜日
駐車場
あり