【島田・たいやきや】抹茶たい焼きとラーメンが共存! 路地裏の隠れた名店
静岡・島田市の大井川鉄道・家山駅から徒歩5分。地元に愛され続けるたい焼き店があります。たい焼き店ですが、実はラーメンも人気メニュー。抹茶香る緑色のたい焼きと、優しい味わいのラーメンが同時に楽しめる不思議なお店を訪ねました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへいつも見慣れた街並みも裏を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットをお散歩します。今回は、島田市を流れる大井川の中流、大井川鉄道・家山駅周辺を散策しています。
謎の動物たちがお出迎え?裏路地の不思議な光景
家山駅から西へ進み、最初の角を左手へ。細い路地に入りました。
そこに突然現れた動物の遊具。
公園でも動物園でもない場所に、パンダやゾウなどの動物がずらりと並んでいます。
この不思議な光景については後ほどまた追究しますが、まずは目的地へ向かいます。
すてきな街並みを進んでいくと、風情のある店が見えてきました。
お店の入り口には緑のちょうちんがかかっています。
1961年創業、65年目となる「たいやきや」は地元に愛される歴史のあるお店です。
店内にはカウンター席、テーブル席、座敷席があり、入口の見た目よりずっと広いお店です。
たい焼き店なのにメンマ? おでん? ラーメン?
店内に入ると、たい焼き店とは思えない光景が。カウンターには黒いスープの静岡おでんが並び、メンマまで販売されています。
たいやきや 2代目店主・南原喜一さん:
これは最近うちで出しているラーメンのメンマですが、おいしいと言われるので売っています
メンマは1パック300円で売られていました。
「たい焼き店ではないのですか?」と尋ねると、「たい焼き店です」と即答。
しかしラーメンもあるというのです。一体どういうことでしょうか。
川根茶香る抹茶たい焼き
まずは看板メニュー「抹茶たい焼き(200円)」を注文しました。
大きな羽が特徴的な鮮やかな緑色のたい焼きは、作り置きはせず、いつも焼きたてで提供されています。
電話で予約すれば、時間に合わせて焼いてくれますよ。
かぶりついたらカリッと音がしました。羽がパリパリしておいしいのです。
そして、ふわっとお茶の香りが広がります。
たいやきや・南原喜一さん:
お茶は川根茶を使っています。抹茶で色づけして、味は川根茶を一緒に生地に練り込んで出します。そうすると香りがすごくいいのです
川根茶を練り込んだ生地の中には、たっぷりのあんこ。
あんことお茶の組み合わせは絶妙で、まるでおだんごとお茶をセットで楽しんでいるようでした。
意外な名物 たい焼き店のラーメン
抹茶たい焼きと人気を二分するのが、「らーめん(750円)」です。
たい焼き店なのにラーメンというギャップはありますが、一口すすると思わず「おいしい!」と声が出るほどの優しい味わいです。
たいやきや・南原喜一さん:
鶏のスープなんですけど、決して沸騰させません。沸騰させちゃうと色が濁ってしまうのです。スープに透明感があっていいでしょう?
沸騰寸前でコトコトとじっくり火にかけるのがポイントです。
細麺がこのスープと絶妙に絡み合い、すっきりと飲みやすく、深いうま味が楽しめるラーメンとなります。
お持ち帰り用も販売しているほどのメンマは、柔らかくてみなさんが欲しがるのも納得でした。
たい焼き店のラーメン 誕生秘話
ところで、なぜたい焼き店でラーメンを出すようになったのでしょうか。
たいやきや・南原喜一さん:
お昼時にたい焼き買いに来る人がいて、たい焼きを待つ時間に何か食べたいなと言われました。それから始めたのがラーメンと焼きそばなんですよ
たい焼きを買いに来たお客さんの「何か食べたい」という声から生まれたメニュー。
お客さんのニーズに応えた結果、今ではたい焼きと並ぶ人気メニューになったのです。
謎の動物たちの真相は?
最後に、気になっていた裏路地の動物たちについて尋ねてみました。
たいやきや・南原喜一さん:
動物たちがいる場所の隣の家の人に聞いても知らないと言うんです。「知らないうちに置いてあった」と。
なんと、だれも真相を知らないとのこと。しかし、動物たちはピカピカに磨かれていることから、多くの人に愛されていることは間違いありません。
子供たちの遊び場になっているそうです。
謎は解けないままでしたが、それもまた裏路地の魅力なのかもしれません。
家山駅から徒歩5分の場所で65年も地元に愛され続ける「たいやきや」。たい焼きとラーメンという異色の組み合わせながら、どちらも絶品で地元の人々の胃袋をつかんで離さない理由がよくわかりました。
■店名 たいやきや
■住所 静岡県島田市川根町家山668-3
■営業時間 10:00~13:30
■定休 火・水・木
■問合せ 0547-53-2275