OPとEDのノンクレジット映像が解禁 OneRepublicフロントマンのスペシャルインタビューも公開『怪獣8号』
第14話(第2期2話)の放送でお披露目となったアニメ『怪獣8号』のオープニングとエンディングのノンクレジット映像が解禁。さらにOneRepublicのフロントマン・ライアン氏のスペシャルインタビューが公開となった。
迫力あふれる映像
ノルウェー出身の歌姫・AURORAが、日本のアニメ作品としては初めて主題歌を担当した第2期OPテーマ「You Can’t Run From Yourself」にあわせて展開されるOP映像は、第1期に引き続きスタジオカラーと世界的ビジュアルデザインスタジオ・WOWがタッグを組み、全編ワンカットの3DCGで制作。
謎の小型怪獣を飲み込んだことにより「怪獣8号」となってしまったカフカの心情や苦悩を描いた歌詞に寄り添う形で迫力あふれる映像が描かれ、怪獣9号をはじめとする怪獣たち、そしてそれに立ち向かう防衛隊員たちの姿が映し出されている。
そして、第1期・番外編「保科の休日」に続き『怪獣8号』のエンディングテーマを担当するのは世界的ロックバンドOneRepublic。
第2期EDテーマ「Beautiful Colors」に合わせて展開されるED映像では、第1期から参加している奥野治男が絵コンテ・演出を担当し、作画監督の大久保徹氏ほか、黄瀬和哉氏、竹内敦志氏、江面久氏などProduction I.Gきってのクリエイターが原画に参加。深刻な表情を見せるカフカ達防衛隊員たちの心に希望が灯るのにあわせてカラフルな光が差し込み、世界が色づいていく様子が描かれている。
ラストにはIG3Dによる怪獣8号のアクロバティックシーンが描かれ、圧巻の映像美が表現された。
『怪獣8号』第2期ノンクレジットOP映像
『怪獣8号』第2期ノンクレジットED映像
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最新曲に込めたメッセージ
さらに、ノンクレジット映像解禁に合わせて、OneRepublicのフロントマン・ライアン氏のスペシャルインタビューも公開。第1期からエンディングテーマを担当する想いや、本作の世界観への共鳴、そして最新曲「Beautiful Colors」に込めたメッセージについて語っている。
OneRepublicのフロントマン・ライアン氏 スペシャルインタビュー
Interviewer:それでは、早速質問に入らせてください。
まずは「Nobody」についてです。
第1期で「Nobody」が使用され、大きな話題となりましたが、その後、音楽業界の友人やご家族などから何か興味深い反応はありましたか?
Ryan:去年、日本をツアーでまわったアーティストが何組かいたんだけど、
その中には日本のレーベルと仕事しているマネージャーやクリエイターもいて、ロサンゼルスに戻ってから「日本でめっちゃ人気出ているね」って言われたんだよね。
「どうやったら日本で成功できるの? 日本のマーケットって突破するの難しいって聞くけど」って聞かれたりもしたよ。
「簡単だよ、18年かければいい」って笑って返したけど(笑)。
でも実際、ツアーしたい国にはちゃんと向き合う必要があると思ってる。
キャリア初期の頃から、フランスとイタリアがすごく好きで。
ドイツやオランダではもう人気が出てたんだけど、フランスとイタリアにもっと行きたくて、その2つの国にフォーカスして動いたんだ。フランスやイタリアのアーティストと曲を作ったり、テレビに出たりしたんだ。その国の文化が好きだったし、その文化とつながりたかったから全力で取り組んだんだよね。その結果、今ではその地域でアリーナクラスのライブができるようになった。日本もそれと同じように、行くたびに好きになるし、個人的にも世界で一番好きな国のひとつ。
和食が大好きで、アメリカの料理より食べてるかもしれない。文化やアート、その美しさにもすごく惹かれる。
子どもの頃、90年代とか、まだ『怪獣8号』が形もなかった頃から、地元のコミックショップにアニメやマンガが置いてあってさ。
アメリカのテレビでもたまに『カウボーイビバップ』や『幽遊白書』が流れてて。
日本のアニメカルチャーがどれだけ大きな存在かっていうのは、昔からずっとわかってたよ。だからアニメの世界で何かやれるチャンスがあるなら、絶対にやろうって思ってた。
アーティスト仲間に「どうやって日本の人たちとつながってるの?」って聞かれたら、
「本気でやることだよ。単に曲を作るだけじゃ足りない」って答える。
いい曲を書くのは当然だけど、それ以上に文化的な何かが必要なんだよね。
よく言ってるのは、「日本は完結してる国」。
エンタメも、テレビも、映画も、音楽も、全部そろってる。
外から何かを「必要としてる」わけじゃない。
だからこっちが本気で文化に飛び込んで、ちゃんと足を運んで、そこに関わる必要がある。
アメリカのファンとつながりたい日本のアーティストが、アメリカに行って何がウケるかを探るのと同じ。
うちの小さい子ども2人とその友達がマンガ好きで、親戚にもめちゃくちゃマンガとかアニメにハマってる人が何人かいるんだけど、自分たちが『怪獣8号』の主題歌をやってるって知った時、みんな信じられないって感じだった。アメリカだとまだマンガってサブカルだからね。だんだん大きくなってきてるけど、日本みたいな存在感はまだないから、「え、なんで自分の大好きなシリーズに関わってるの!?」って、どうしてそんなことになったのか理解できなかったみたい。それがすごくおもしろいと思った。
Interviewer:素敵なお話をありがとうございます。
次に、「Nobody」が流れるEDを初めてご覧になったときの感想を教えてください。
Ryan:思わず拍手しちゃって、「JAPAN, LET’S GO!」って叫んだよ。
今になって、自分の日本語のタトゥー全部にちゃんと意味がある気がしてきた。
これまで費やしてきた時間にも、ちゃんと意味があったんだなって思えた。
ほんとにテンション上がりまくって、叫びっぱなしだったよ。
Interviewer:ではその流れで、第2期のED曲「Beautiful Colors」について伺いたいです。
「Nobody」を作った経験を経て、今回のEDを依頼されたときの気持ちや、曲作りにあたってカフカの視点など、特に影響を受けたアニメの要素などを教えてください。
Ryan:最初からカフカに惹かれてたし、彼の物語にすごく共感してた。実は「Nobody」を書いた時も、そこが出発点だったんだよね。
TVや映画向けの曲をよく書いてて、そのメディア自体がすごく好きなんだ。特にアニメとの組み合わせは格別で、今回はカフカの物語の続きだから、主軸になるキャラクターに忠実である必要があると思った。
第2期で何が起こるのか、大まかな流れや設定は共有されていて、より感情にフォーカスした楽曲にする必要があるってわかってた。怪獣の中にも美しさがあるとか、色彩の持つ意味とか、そういったことも歌詞にリンクしていて、主軸はあくまでカフカに置こうって意識的に決めたんだ。
自分にとってカフカの旅は、自分自身の旅でもある。ソングライターとしての自分の道がカフカのキャラの道と重なってるというか。映画でトム・クルーズが主役だとしたら、歌の中の声はトムの声として響くように考える。それと同じ感覚で『怪獣8号』シーズン2にも取り組んだんだよね。
「Nobody」があって、「Invincible」があって、「Invincible」ではキャラクター達の成長と同じようによりクールで尖った感じ、ちょっと大人っぽさも出てきてるし。でもカフカにとってまだ描かれてない感情があって、それが「嬉しいけど切ない」みたいな、なんて言うんだろう、日本語でどうやって表現すればいいのかわからないけど。美しい色って、見ると幸せだけどちょっと泣きたくなるような、そんな感情を引き出してくれるものだと思うんだ。今回はそういう鳥肌が立つような感情を届けたかった。
「Nobody」はテンポがあって、「Invincible」はよりクールなアップテンポ。でも今回はもっとスローで、感情をしっかり捉えるものになってる。チームとしてもそういう曲が求められてたし、自分としても「Apologize」みたいな初期のOneRepublicの雰囲気に近い、ピアノやクラシック的なアルペジオを入れた曲になってる。確かに怪獣の話なんだけど、自分にとってはカフカの旅の物語なんだよね。
Interviewer:本当にありがとうございます。とても感動しましたし、改めてRyanさんのカフカというキャラクターへの愛がよく伝わってきました。さて、『怪獣8号』に関連するお話として、今年1月に日本で「Nobody」と「Invincible」を披露された際のことをお伺いしたいです。
ステージで日本のファンの皆さんがとても盛り上がっている様子をご覧になって、どのようなお気持ちでしたか?
Ryan:本当にすごかった。今や「Nobody」って曲は、東南アジア含めていろんな国でヒットしていて、マンガや『怪獣8号』の文化的な広がりがあってこそなんだけど、日本でどうなるかは全然予想できてなかった。でも、いざライブで歌ったら、観客がめちゃくちゃ盛り上がってくれて。 自分の国からめちゃ遠くにいて、大好きな国で、自分の曲をお客さんが一緒に歌ってくれるって、最高の瞬間だよね。鳥肌立ったし、ずっと満面の笑みだったと思う。それに「Invincible」を初披露できたのもすごく特別だった。普段、ああいうステージ規模での新曲披露ってあんまりしないんだけど、今回はあえてそれをやった。
8月の大阪のサマーソニックは、気温42度とかで、ステージが暑すぎて倒れそうな人もいたくらいだった。 「Nobody」を歌ったときもめちゃくちゃ暑くて、あれはたぶんキャリアで一番暑いライブだったと思う。
でも観客はそんなの気にしてなくて、汗かきながら、水飲みながら、それでもノリまくってくれてた。本当に最高だった。
Interviewer:その経験で、アニメやファンの方に対する考え方は変わりましたか?
Ryan:一つわかったことがあるとすれば、日本だとアニメやマンガのファンって、ほんとに「誰でもあり得る」ってことだったんだよね。つまり、通りすがりの普通の人がそうだったりする。
アメリカだと、たとえばロサンゼルスとかテキサスでライブして、もし『怪獣8号』のファンだけを集めたら、そういう人たちはもう少し「わかりやすい」感じなんだ。
コスプレしていたり、特定の服装をしていたりして「あ、この子アニメ好きだな」ってすぐわかる。モールとかで見かけてもピンと来る。
でも日本だと、見た目じゃ全然わからない。サラリーマンもいれば、女子高生も、アスリートもいて、ほんとに「誰でも」いる感じ。
だからライブでそれを実感した時は驚いた。「えっ、全員ファンなの?」って。
Interviewer:とても興味深いお話をありがとうございました。
さて、そろそろお時間となりますが、最後にもう一つだけ質問させてください。
『怪獣8号』シーズン2のエンディングテーマ「Beautiful Colors」を、たくさんの日本のファンが心から楽しみにしています。
そうしたファンの皆さんに向けて、ぜひメッセージをいただけますか?
Ryan:『怪獣8号』第2期を楽しみにしてくれているみんなに伝えたいのは――心から、この新しい曲「Beautiful Colors」も、「Nobody」と同じくらい気に入ってもらえたら嬉しいってこと。
曲のスタイルは全然違うけど、このシーズン、この作品のために込めた想いをちゃんと感じてもらえたらと思っている。
見終わったあと、より深く感情を揺さぶられるような、そんな曲にしたかったし、ちゃんと響いてくれたらいいなって。
「Nobody」では一緒に跳ねて踊れたけど、「Beautiful Colors」では、もしかしたら一緒に泣けるかもしれない――そんな曲なんだよね。
Interviewer:本日は本当にありがとうございました。
日本だけでなく世界中の『怪獣8号』ファンにとっても、Ryanさんの想いやお話を聞けることはきっと特別な体験になると思います。
この作品のために、素晴らしい楽曲を生み出してくださって本当にありがとうございます。
改めて、Ryanさんへの尊敬の気持ちが深まりました。
ありがとうございました!
Ryan:(日本語で)ありがとうございます!
『怪獣8号』は毎週土曜23:00~テレ東系列ほかにて放送中 Xにて全世界リアルタイム配信