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​「やりたいこと」「できること」を切り分けて自己理解を深める【27歳からのキャリア戦略】

求人ボックスジャーナル

​「やりたいこと」「できること」を切り分けて自己理解を深める【27歳からのキャリア戦略】【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

「今よりもっと生き生き働ける場所に身を置きたい」「今の仕事は自分が本当にやりたいことなのか」と悩み、転職を考え始めたものの、具体的に何から始めれば良いのかわからないという人は多いかもしれません。その結果、なんとなく転職してしまい後悔しているというケースも、周囲で耳にするのではないでしょうか。

そこで今回も、転職支援・キャリア相談サービスを運営するキャリアのプロ・黒田真行さんにインタビュー。多くのキャリア支援をする中で、「キャリア構築に失敗してしまう人の共通点」にたどり着いたといいます。後悔しないキャリア形成のための第一歩、「自己理解」をどう深めていけばよいか、詳しく伺いました。

自分の"Can"を理解することで"Will"に辿り着く

Q. 黒田さんは、転職に失敗する原因は何だと思いますか?

結論からいうと、 「好きなこと」と「得意なこと」を混同してしまっていることが、仕事選びに失敗する人の共通点です 。転職する際に、自分が好きなことをやろうとする人が多いと思いますが、必ずしも好きなことが得意なこととは限らないですよね。

極端な例ですが、歌手になりたいけど歌は下手で、絵は上手いといった人がいたとします。それだけ絵が上手いなら、歌手ではなく絵描きになったら良いのに、なぜ歌手になりたがっているのだろうと、周りの人は思うのではないでしょうか。安易に好きなことに走るから、仕事のミスマッチが起こってしまうんです。

雇う側としても、不得意なのに好きだからと応募されても、仕事としては上手くいかないと感じますから、採用に二の足を踏んでしまいます。好きかどうかは一旦置いておいて、自分が得意なこと・強みがあることを選んだ方が成功しやすいので、そこを冷静に判断するために自己理解を深める必要があります。

Q. どうしたら仕事のミスマッチを防ぐことができるのでしょうか?

現時点における自分の「できること」と自分の「やりたいこと」を分けて、自己理解を深めていけばいいと思います。ここでは、 自分が価値を提供できた事実や過去の実績を"Can"、そしてCanと地続きの、現実的に手が届く範囲で挑戦したいことを"Will"と表現しましょう 。

キャリア形成においてはWillも大事ですが、Canを把握しておかなければ空回りしてしまいます。ですから、自分の得意なことをきちんと理解しておく、逆に言うと、不得意なことも把握しておく必要があります。

その上で 自分のCanをどうやって増やしていくのか、現時点におけるCanで貢献できる仕事は何かといった観点で、自分のキャリアをセルフマネジメントしていくことが重要です 。それをしっかり考えて順序立てて動くことで、Willにも近づくことができると思います。

周囲からは見える「自分ではわかっていない一面」があることを理解する

Q. まず、自分のCanを的確に理解する必要があるんですね。

さらに言えば、他人から見える自分のCanと、自分が思っているCanも異なるかもしれませんから、そこに気付くことも大切になってきます。

そのために、 「ジョハリの窓」 という心理学モデルを活用すると良いと思います。他己分析という言葉を新卒の就職活動で耳にしたことがあるかもしれませんが、これも「ジョハリの窓」を元にした考え方です。

Q. 具体的にどのように活用すれば良いでしょうか?

「ジョハリの窓」では、自分が持つ一面を4つの窓に分類します。自分も他人も知っている一面は「開放の窓」、他人から見えているけれど自分ではわかっていない一面は「盲点の窓」、他人には見せていない自分だけが知っている一面は「秘密の窓」、自分も他人も知らない一面は「未知の窓」に、それぞれ分けることができます。この時大切なのは、「盲点の窓」。つまり、他人は知っているけれど自分は気付いていない一面を理解することです。

例えば、自分ではプレイヤーとして自信が持てない状態なのに、周りからは「部下思いで指導力が高い」と評価されていて、そこに気付いていない。あるいは、「自分は新規事業の企画ができる」と思っているけれど、実際は別の人がサポートしたからできたことで、周りからは「新規事業よりも営業で力を発揮する人」だと思われているなど、自分と周囲とで抱いている印象にギャップがあるケースがよくあります。

このギャップをしっかり押さえておくことが大事です。 周囲から見える自分の強み・弱みや、自分にどんな特徴があるかを知ることは、この先のキャリアを考える上で非常に役に立つと思います 。

自分の「見え方」を第三者に聞くことが、納得するキャリアへの近道

Q. 周囲の人が自分に抱いている意見や評価、印象にも耳を傾けることが大切なんですね。

そうですね。 自分がどう見えているのかを第三者に聞くことが、自己理解を深める上で有効なのではないでしょうか 。気まずいかもしれませんが、元同僚や元上司、学生時代の友人など、自分が信頼できる人に、自分の「見え方」についてインタビューして確認してみるのが良いと思います。場合によっては取引先の人に聞くのもありだと思いますよ。そして、頑固にならず、そこでもらった意見を受け入れる器を持つことも重要です。

その上で、まずは周囲からの期待にしっかり応えていく。加えて、もし「周囲には理解されていないけれど本当はこうなんだ」という、「秘密の窓」の一面も出していきたいと思ったとしたら、周囲の理解をどう構築していけばいいかも考えるようになるのではないでしょうか。これらの手順や順番を間違えなければ、結果的に満足できるキャリア形成ができると思います。

プロフィール

黒田 真行

ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役

1988年、株式会社リクルート入社。「リクナビNEXT」編集長、 リクルートエージェント HRプラットフォーム事業部部長、株式会社リクルートメディカルキャリア取締役を歴任した後、2014年にルーセントドアーズを設立。35歳以上向け転職支援サービス「Career Release40」を運営している。 2019年、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を開始。

代表著書 『35歳からの後悔しない転職ノート』『転職に向いている人 転職してはいけない人』

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