「怖いわ…」父の動向に怯える母。しかし、探してほしい願望もあるようで #母の認知症介護日記 217
アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
自分のパーキンソン病を診てもらいたいと言い、母・あーちゃんが通う病院の予約を取ろうとした父。しかし、そこは認知症の専門病院。あーちゃんの動向を確認するために父が予約を入れようとしているのは明らかです。ワフウフさんが先生や病院のスタッフに父の思惑を話すと、父の申し出をきっぱりと断ってくれると言い、希望通りに対応してくれました。さらに、しばらくは父とあーちゃんが鉢合わせをしないよう、ワフウフさん姉妹だけの通院でも薬は調整すると言ってくれて、ワフウフさんはこの神対応に感動していました。
複雑な乙女心
ワフウフさんがあーちゃんのもとを訪ねると、あーちゃんはまた昼寝中。ワフウフさんは起こして散歩に連れ出したのですが、途中でスタッフルームに寄る際、別の部屋からおじいさんとおばあさんがゾロゾロ出てきて鉢合わせになりました。すると、その中にいたワフウフさんが要注意人物だと感じたおばあちゃんがいて、険しい顔であーちゃんに近寄って怒鳴ってきたのです。どうやらあーちゃんは、施設でカラオケに誘われていたのを忘れてしまったようです。あーちゃんはすぐに謝っていましたが、おばあちゃんは激怒して許してくれそうにもありません。横で見ていたワフウフさんは、あまりの意地悪さにドン引きしていました。
施設に入居して3週間。あーちゃんは、訪ねるたびに何回も父に居場所がバレていないか聞いてきて、とても不安そう……。
※たんたん:ワフウフさん姉妹の父。あーちゃんの夫
怒った父が暴走するのが怖いと言います。
しかし、そんな言葉とは同じくらい、父は自分のことを探しているだろうとうれしそうに言うのです。
父には病院に絶対についてきてほしくないと言っていたのに、いざついてくると明らかにうれしそうに浮かれていたあーちゃん。
そんな様子を見て、嫌悪感を募らせていた私たち……。あーちゃんは、見つかりたくないけれど、見つけてほしいという複雑な心境なのだと思います。
しかし、父はといえば、認知症の病院に現れたきり、電話もメールも自宅突撃もなく、怖いくらい静かです。
それを伝えると、あーちゃんは強がった様子を見せますが……。
父があーちゃんの財産をそんなに簡単に諦めるはずはないと言うと……。
自分の財産が狙われている事実に驚がくするあーちゃん。いや、この話、何度目よ……。
父があーちゃんの財産を狙っている話、いつになったら定着するんだろう……。
あーちゃんが施設へ入居して3週間。毎日のように訪ねているのですが、そのたびに何回も父には場所がわからないか、父が来ないかどうかを確認されます。あーちゃんは、父は怒り狂っているだろうから、見つかると何をされるかわからなくて怖いと心配している様子。ちなみに、認知症の病院に姿を現して以降、父は何の動きも見せていません。メールや電話もこなくなり、私たち姉妹の家に押しかけてくることもありません。いったい何をしているのでしょうか……?
父の動向を心配しているあーちゃんですが、そのわりには「きっと狂ったように私のことを探しているわね」と、少しうれしそうに言うこともあります。父には病院についてきてほしくないと言いながらも、実際についてこられたときにはうれしさを隠し切れない様子だったことを考えると、見つかりたくはないけれど、必死に探して見つけ出してほしいという気持ちも持っているのかもしれません。
万が一、父が施設を突き止めた場合に備えて、営業さんには入居前に父のことを話し、父とあーちゃんを絶対に会わせないようにお願いしており、さらに施設にも話を通してくれることになっていました。しかし、改めて施設長さんと話をしたところ、何も話が通っておらず驚きました。念のために確認しておいてよかった……。
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あーちゃんは施設でまだ親しい人がいないので、父が必死に探してくれていると思うことで、自分が誰かに必要とされていると感じられてうれしいのかもしれませんね。ただ、決死の覚悟で引き離してくれたワフウフさん姉妹のことを考えると、たとえあーちゃんがうれしくても、どんな形であれ父との再会は実現してほしくないと思ってしまいます……。
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