善部小児童 デフ五輪、壁画でPR 認知度アップに一役
旭区の善部小学校(朝川健太郎校長)の6年3組の児童が3月10日、ろう者の国際スポーツ大会「デフリンピック」に関する壁画を善部町の一角で描いた。今年11月の東京開催に向けて、国内で認知度の低い同大会を多くの人に知ってもらおうという取り組みだ。
デフリンピックは「耳が聞こえない、聞こえにくい」アスリートの大会。国際ろう者スポーツ委員会の主催で、4年ごとに開かれている。1924年に始まり、今年の東京は100周年の記念大会となる。
6年3組は2024年度、総合的な学習の一環として、ろう者とコミュニケーションを図る手話を学んできた。その中でデフリンピックについて知り、種目や市内出身の選手などを学習。2月にはブラジル大会の空手組手で銅メダルを獲得した湯澤葵選手などを学校に招いた。
壁画の制作は、デフリンピックの国内認知度が約16%という現状を知った児童たちが企画。同校では、電気工事などを手がける(株)スリーライズ=善部町=の協力のもと、卒業生が同社の壁に絵を描く取り組みを続けていたため、そこで地域にPRすることとなった。また、ポスターも制作し、自治会の掲示板や区役所に貼ってもらえるよう協力を呼びかけた。
10日は6年の各クラスがそれぞれ壁画を創作。3組の児童は、「耳の聞こえない人が出るオリンピックだよ」「11月開催!」と紹介するとともに、競技の絵も描いた。
「一目でデフリンピックの内容が分かるように説明を加えました」「21種目のなかからサッカーや水泳などを選んで描きました」と、新井佳芳さんと西冬真さん。望月優衣さんと小柳晴二郎さんは、「耳が聞こえない人がたくさんいるということを大会を通じて知って欲しい」「みんなが暮らしやすい世のなかを作ることにつながれば」とそれぞれ期待している。