【ネタバレあり】〈守りたくて 強くなれた〉絆斗の命がけの覚悟が胸を打つ――Vシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』“風味絶佳”な見どころまとめ
2025年11月28日(金)より劇場上映中のVシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』。2025年8月に幕を閉じたTVシリーズ最終話の“その先”を描く正統続編です。
物語の中心に立つのは、辛木田絆斗(からきだ・はんと)/仮面ライダーヴァレン。ヴァレンの新フォーム「仮面ライダーヴァレン パルフェモード」の初披露をはじめ、ショウマ/仮面ライダーガヴたちが倒したグラニュート界の大統領令嬢・リゼルに焦点を当てたストーリーも描かれます。
公開後、Filmarksや映画.comなどの感想サイトでは軒並み☆4以上の高評価を得ている今作。本記事では、ネタバレありでストーリーを振り返りながら、心に残る場面や注目ポイントをたっぷり紹介していきます。
今作ならではの〈とにかくDelicious!〉な魅力を、一緒に味わい直してみませんか?
※本記事にはネタバレが含まれます。鑑賞前の方はご注意ください
【写真】Vシネクスト『仮面ライダーガヴ』見どころまとめ【ネタバレあり】
悪を倒して終わりじゃない。ショウマたちが背負った“その後”
今作で描かれるのは、TVシリーズ最終回から少し時間が経った後のお話。
ストマック社で闇バイトをしていたグラニュートたちは改心し、甘根幸果(あまね・さちか)が社長を務める「なんでも屋はぴぱれ」で働くようになっています。
一方、ボッカの一人娘・リゼルは人間界に取り残され、家出少女のような身寄りのない子どもたちが集まる場所で孤独な日々を過ごしている様子。ショウマや絆斗に「お父さんを殺したあんたたちのことは一生許さない」と言い放つリゼルでしたが、幸果につなげることで、少しずつ心の距離を縮めていきます。悪を倒して終わりではなく、そこに巻き込まれた存在の未来まで背負おうとするショウマ、絆斗、幸果。その姿はまさに“真のヒーロー”と言えるでしょう。
中でも心に残ったのは、幸果のシーンです。石を食べるグラニュートのリゼルを「宝石ならおいしく食べられるかも」と宝石店へと連れていきます。そこでリゼルが選んだのは、なんと61万円の宝石!
たった一度の“食事”のために、大金を分割して払おうとする幸果の姿に「やっぱり幸果はこの作品の太陽だな」と改めて感じさせられました。そんな幸果の真っすぐさに心を打たれたリゼルが徐々に心を開いていったのも納得です。
新ゴチゾウのかわいさ爆発&ヴァレン覚醒! 新フォームの魅力が止まらない
初登場の「チョコらっパゴチゾウ」は、チョコアイスやいちごなどパフェのトッピングが乗った姿がとってもキュート! これまでのゴチゾウの中でも1番おしゃべりで、チョコらっパゴチゾウの何気ない一言にクスっと笑ってしまう場面もありました。
そんなゴチゾウの力を借りて絆斗が変身するのは、仮面ライダーヴァレンの新フォーム「パルフェモード」です。マントをまとった姿は、甘さとカッコよさが合わさったスタイリッシュな雰囲気。
新フォームでのバトルは、マントを使ったアクションが特に印象的で、両足蹴りからの頭突きで敵を仕留める流れは「これぞヴァレン!」と言いたくなるほど“らしさ”が滲んでいたように思います。
学生時代、自分の面倒を見てくれたライターの師匠・塩谷のように、“かっこいい大人”でありたいと願い、それを叶えるために敵に立ち向かう絆斗。覚悟と決意がつまったバトルシーンは何度も劇場で見たくなるほどカッコよかったです!
変わらない笑顔とそれぞれの決意に心打たれる
人間界に残されたグラニュートたちの面倒を見続けるショウマと幸果、困っている人に自然と手を差し伸べる絆斗、グラニュート界を静かに見守るラキア。TVシリーズが終わった後も、それぞれが“自分にできること”を真っすぐに続けていた4人。ラキアも交えて、久々に顔をそろえた「チームはぴぱれ」は、TVシリーズと同じ笑顔で私たちをホッとさせてくれました。
絆斗は発作が起こる危険性を抱えつつ、「また何かあればヴァレンとして戦う」と改めて決意。さらに今回の一件で、グラニュート界につながる扉が見つかり、ラキアとも会えるようになったのだと思います。孤独に暮らしていたラキアが、いつでも大切な3人と会えるようになったことが嬉しいファンも多いのではないでしょうか。
涙も衝突も戦いも乗り越えたショウマ、絆斗、ラキアの3人。そして、彼らの居場所をそっと照らし続けた幸果。これからの彼らの日々が、どうか平和で、笑顔が絶えないものでありますようにと願わずにはいられません。
胸の奥が温かくなる『仮面ライダーガヴ』らしい“区切り”
作品ファンとシリーズファン、どちらの気持ちにも寄り添う構成力と、60分間ずっと夢中にさせてくれるストーリーが際立っていた今作。ヴァレンのマスクオフ変身・面割れなど、これまで仮面ライダーシリーズを追いかけてきた人なら思わず“ここ好き!”とテンションが上がる演出もたくさん詰まっていました。
TVシリーズを通して描かれてきた『仮面ライダーガヴ』の物語は、ここで一区切りとなります。しかし今作はの寂しさよりも、「この先もきっと彼らは大丈夫」と信じられるような、あたたかい余韻に浸れる終わり方でした。
12月21日(日)には、“IFルート”を描くTTFCオリジナル『仮面ライダーヴラム ルートストマック』の配信が控えています。今作を見終えた今だからこそ、ラキアの“もしも”をより深く味わえるのではないでしょうか。
今後の『仮面ライダーガヴ』の展開も見逃せません。あったかい飲み物とおいしいお菓子を用意して、スピンオフの配信を待ちましょう!
[文/五六七 八千代]