五輪メダルに感激「私もオリンピックに」
柔道女子韓国代表としてパリ五輪に出場し、混合団体銅メダルを獲得した姫路市出身の在日3世、金知秀(キム・チス)さん(23)が10日来穂。小学生のころ出稽古に通った赤穂柔道スポーツ少年団にメダル獲得を報告した。
女子57キロ級で出場した東京五輪に続いて2大会連続でオリンピックの畳に上がった金さん。けがに苦しんだ中、1階級上の63キロ級で韓国代表の座を勝ち取り、パリでは個人2回戦で世界ランク1位のオランダ人選手を倒した。個人戦は惜しくもメダルに届かなかったが、混合団体で3位になり、初めて五輪の表彰台に上がった。
若いころ柔道の強豪選手だった父の影響もあり、小学1年で柔道を始めた金さん。すぐに「オリンピック出場」を目標に掲げ、県内各地の道場を武者修行に巡った。赤穂にも毎月のように訪れ、年上の選手と組み合って技を磨いたという。その縁で交流は続き、パリ五輪代表選考前の昨年2月にも来穂。子どもたちは応援の花束を贈って激励した。
「赤穂のみなさんの応援が自分の力になっていて、本当に感謝しています」と金さん。この日はパリで着用した柔道着で同少年団の稽古に参加し、得意技の大内刈りや体落としなど技の手本を見せ、乱取りで子どもたちに胸を貸した。練習後はメダルを披露して笑顔で記念撮影に応じた。
五輪メダルを触らせてもらった板屋町の小学4年、井端唯乃(ゆの)さん(10)は「メダルはきれいに光って重たかった。私もオリンピックに出られるように強くなりたい」と感激。金さんは「まずは柔道を楽しんで。そのうち『強くなりたい』という気持ちが出てくれば結果はついてくる」と話し、自身は「オリンピックで金メダルを獲るという夢を実現するために4年後のロス五輪を目指します」と次の目標を掲げた。