「野の色研究室」橋本倫枝さん(流山市)
そのままでは朽ち果てる野の花や落ち葉。それらの命をいとおしみ、「色と形を残せないだろうか」との思いから、橋本倫枝(ともえ)さんの「野の色研究室」が始まりました。
花や葉をその形のまま白い布に染め移す
美大を卒業後20年間、デザイナーとして会社勤めをしていた橋本さん。
「デザインして製品にするのが仕事ですが、物を作るにはいやが応でも環境への負荷があり、環境汚染につながるとの思いがぬぐい切れませんでした」
5年前に退職し、草木染めの研究を始めました。
華やかな色彩の花々よりも、野の花や落ち葉に心引かれたそうです。
「草木染めは染めた時の色が全てではないのです。時とともに色が変化していきます。さらに季節に合わせて色を染め重ねることもできます」
通常の草木染めは草花の色を中心に染め上げるものですが、「その形も残したい」と研究を続ける中で、花や葉っぱを押し花にして、その形のまま白い布に染め移す方法に出合いました。
海外の文献も探し出し、試行錯誤を繰り返す日々だったと振り返ります。
キッチンで癒やしの時間を
「料理で使う焼きミョウバンを媒染液にして、キッチンにあるものでできますよ」と方法を教えてくれました。
手袋を着用し、十分な換気を行って作業してください。
1軽めの重しで押し花を作る
2 ミョウバン液に天然素材の白い布を2時間以上漬ける
3タオルに2の布を挟んで水分を取り、1の押し花を布の上に自由に置いて、巻き寿司のように巻く
4ひもできつくぐるぐる巻きに縛る
5蒸し器で15分蒸し、広げて陰干しにする
6完全に乾いてから、中性洗剤を使ってすすぎ洗う
橋本さんは「作る過程が、またとない癒やしの時間です。不定期ですが、地域のイベントなどでワークショップを開催していますので、見かけたら体験してみてください」と笑顔で話してくれました。(取材・執筆/敏恵)
メール/echi.wa.to416408@gmail.com 橋本
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