「大根×魚醤」 漬物日本一
全日本漬物協同組合連合会(東京都江東区)が漬物の日本一を決める「漬物グランプリ2024」で、湘南台にある飲食店「YASSAIMOSSAI」店員の渡辺恭利さん(36)が考案した「湘南大根の鵠沼魚醤漬け」が個人の部でグランプリに輝いた。藤沢産の食材を使い、葉や皮も余すことなく活用しており、渡辺さんは「藤沢の新たな名産になれば」と期待する。
大会は日本の漬物文化を伝えようと、2016年から開催。「法人の部」「個人の部」「学生の部」があり、それぞれグランプリを決める。
渡辺さんは、45人がエントリーした個人の部に出品。大会へは3度目の参加だった。
湘南大根の鵠沼魚醤漬けは市内で生産されるダイコン「くらま」を干し、地元で水揚げされたカタクチイワシを原料にした鵠沼魚醤をベースにした特製の液に浸して作る。ダイコンの皮の歯ごたえのある食感や、葉の爽やかな風味、魚醤のくせのない旨味が感じられるのが特徴だ。
過去2度の出品では、藤沢産の梅と紅ダイコンを使った「梅香る2種の湘南大根のピクルス」や、湘南産の7種類の食材を使った「湘南∞福神漬け」で金賞を受賞。「次こそはグランプリを」と構想を練っていたという。
今回のレシピでは食材を余すことなく使った。ダイコンの生産者から「一番うれしいのは、生産した食材を残さず食べてもらうこと」と聞いたことから着想を得て、SDGsの理念も取り込んだという。
地元愛を熱弁
同大会では、自己PR文などを提出する1次審査と、審査員の実食などの2次審査を経て、決定戦に5人が選ばれる。
2分間のスピーチをする決定戦では、「地域や食事、生産者への愛」を熱弁。「レシピのことよりも地域の生産者と消費者をつなぐ架け橋になるという気持ちを伝えたかった」と渡辺さん。「優勝できて店や家族、お世話になった地域の人への恩返しができた」と喜びをかみ締めた。
税込520円。1品料理として同店のみで提供する。問い合わせは同店【電話】0466・46・1831。