立憲民主党代表選挙、野田佳彦・枝野幸男の勝敗を分けた要因は?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、9月23日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。この日に投開票が行われた立憲民主党代表選挙についてコメントした。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「立憲民主党代表選挙は1回目の投票では決着せず、決選投票で野田佳彦氏が枝野幸男前代表を破りました。野田氏が232ポイント、枝野氏が180ポイントでした。野田氏は次の衆議院選挙での政権交代を目指して陣頭指揮をとります」
角谷浩一「野田さんは雰囲気から、どっしりして安定感がある。このイメージはそのとおりです。12年前に総理大臣だった。そのとき安倍(晋三)さんと党首討論して『選挙しようじゃないか』と言って選挙になって、みんな落っこちて。政権から転落した。だから野田さんにはどうしても禍根が残る、と。落選している人の面倒見があまり良くないんです」
長野智子「ああ~……」
角谷「支部長をすぐ決めてあげないとか。宙ぶらりんで政治活動ができなくなって、『維新なら出られる』と言って維新に流れた人もいるんです。その中でも『本当は一緒にやりたかったんだ』と思っている人はいます」
長野「野田さんは維新と会うなどしていますよね」
角谷「大阪は維新に任せてこっちは立憲がもらいますよ、みたいな棲み分け論みたいなことを言っている。それはいま、出ようと思っている人にもね……。きょうの1回目の投票では国会議員票が野田さん90、枝野さん66。なるほど、と思うけど地方票は野田さん139、枝野さん123。泉(健太)さんが地方票59なんです」
長野「少ない……」
角谷「驚くほど現職の代表が少ない。それから泉さんは次期立候補予定者が84、そこそこいっている。枝野さんではなく泉さんに公認をもらっている人は泉さんに義理がある、という気持ちになるんですね。全体に俯瞰してみると、野田さんは圧倒的に有利に選挙を進めました。決選投票も枝野さんに52ポイント差と大きい。ただ枝野さんは希望の党騒動のとき『枝野、立て!』と言われて立憲をつくりました」
長野「はい」
角谷「そのとき『枝野よくやった』と思って、宙ぶらりんになっていた国会議員がここに入って助かった。それから『よくやった、リベラルの灯を消すな』と言って党員になった人たちは枝野さんがいいと思っていた。でも直前に選挙が迫ると野田さんが強くなった。これが議員心理というものなんですね」
長野「そうなんですか」
角谷「選挙がしばらくなさそうだと思えばもう少しゆったりした気持ちで選ぶかもしれない。自民党もそうでしょうけど、選挙の顔となると中道保守系のほうが幅広く票がとれるんじゃないか、という考え方が、支援者も含め党内の空気にあるのだろうな、と」