今までにない=前代未聞の食感だったが…【家そば放浪記】第275束:東急フードショーで買った、おびなた『信州 二八そば とろろ入り』398円(1人前199円)
275回も続く当連載では、今回を入れてこれまで25回も「おびなた」の蕎麦を紹介してきた。
しかしながら、おびなたが「二八(八割)」をうたった蕎麦は4回のみ。今回で5回目となるので、20%の確率となる。
ほかは10割だったり、それ以外だったり……と、よく言えばオールマイティ、悪く言えば「何が長所なのかわからない」のが、おびなたというメーカーだ。
【画像】そば湯は、「八割」と聞いて予想していたよりも薄かった。
今回の二八そばは、スーパーでよくパッケージを見かけた印象がある。気のせいだったらスマンだけど、なんか、いろんなところで見た気がする。
ちなみに作り方としては、もみ洗いの項目で「氷水」を指定している。これは本格的な「蕎麦」の予感がするぞ……。
期待を胸に、いざ調理開始!
デカい鍋に湯を沸かし……
6分ゆでて……
氷水でシメて……
ハイ完成。
して、そのお味は──
ん〜。これはちょっと違うかなと。少なくとも、私が勝手に期待していた「蕎麦」ではなかった。「氷水シメ」は何だったのか……みたいな気持ちにもなった。
パッケージは「今までにないつるつるとしたのどごしの良い食感をお楽しみください」と書いてある。たしかにツルツルなことに間違いはない。
どれだけツルツルなのかというと、ツルツルした箸なら蕎麦が逃げていくほど。ゴワゴワしたワリバシでないと追いきれないくらいのツルツル加減。
そのツルツルすぎる食感は、まさに「今までにない=前代未聞」レベルであり、平たく言えば「ゼリーやコンニャク、一歩手前の食感」に私は違和感を覚えた。
幅広の麺も好きなんだけど、ツルツルすぎて、その幅広そばが、そこはかとなく「きしめん」的な印象に。私は一体なにを食べているのか。
さらに、「二八」なのに、ビックリするほど蕎麦感がない。せっかく氷水でシメたのに、ゼリー的な感触なので「えっ」となり、君は何がしたいのか、という感情になった。
すべてがチグハグ。何をやってもうまくいかない、「すべてのギアが噛み合っていない日」みたいな蕎麦だった。きみは一体、何者なんだ?
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24