いづも巳之助の一株コラム:第1四半期であっさり下方修正した髙島屋は、新しい商売モデルを模索せよ
2026年12月期の連結営業利益を前年比13%減の500億円にサッサと下方修正したんだね。早く見切りをつけるのはいいけど、株主だったら、このアッサリ感はなんか頭にくるはず。そして、やっぱりここ数日の株価は駄々下がり。もしかしたら近いうちに「ヤーメタ!」という株主が増えて1000円を切ってしまうかもよ。
もともと配当利回りからはじまって、PERもPBRも自己資本比率も競合他社比較では結構低いので、これじゃあ東証からチェックされる可能性もある。長期に渡りPBR1倍割れが続くと、東証から企業名を出すぞ!との脅しも今年からあるから、きちんと対応策を開示した方が良いレベルだ。前にも書いたが、この様子では確実にアクティビストがやってくる可能性が高い、いや既にわからないように水面下で画策しているかもよ。
さて、これからの髙島屋をどうしたらいいのかな?ここ数年はコロナ以来、外商を強くして顧客をしっかり囲み、インバウンド売上が上がるようにあらゆる戦術を尽くし、ハイエンドを中心とした取引先を最優先にし、とにかく富裕層にフィットするように頑張ったね。でも、円高や商品の値上げであっさり国内外のお客さんが離れていった(競合他社も横一線ですが)。これでは強固なビジネスモデルとは言えないよ。
ところで髙島屋は、名古屋に素晴らしい成功例があるじゃないか。JRとの合弁ではあるが、「タカシマヤゲートタワーモール」は百貨店とショッピングモールを見事に直結した。大概は、経営母体が百貨店とSCで違うから、なんか直結していても一貫性がなく楽しくないが、名古屋は同じフロアを移動しても関連性があり、2階から9階までみなリズムが一緒で、なかなか理想的だ。
髙島屋の不動産子会社の東神開発があってこその成せる技だと思う。全階直結&モール一体化ができる特別な建物だからなのかもしれないが、他の髙島屋でもモール比率を50%位にグッと上げてみるとか、本館と新館を別々に分けず、ひとつの館で百貨店とモールを組み合わせてみるとか思い切ってやって欲しい。髙島屋だったら、まとめられる可能性は大だ。
と書いてみたが、いやー、巳之助も陳腐な提言で申し訳ない。やっぱり新しい商売モデルがひとつでもないとイマジネーションが湧かないなあ。
▶︎巳之助メーター 1ニョロ 素通り
今のままでは、新しい商売が出にくいねー
*注釈 1ニョロ:素通り 2ニョロ:監視 3ニョロ:今だ!
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前から分散投資を手がけ、まもなく保有株式評価額1億円。流通株を得意としている。たまに神社仏閣への祈祷、お祓い、占い、風水などスピリチュアルな方法で、売買を決定する時がある。