「核廃絶へ歩み止めない」 「高校生大使」が活動報告
核兵器廃絶や平和な世界の実現を目指して活動している高校生らの活動報告会が4月20日、神奈川県高等学校教育会館=西区=で行われた。
報告したのは、「高校生平和大使」として約1年間活動してきた青葉区在住でフェリス女学院高校=中区=3年の萩有彩さん(17)ら。「高校生平和大使」は、全国の平和活動団体が1998年から国連に派遣しているもの。県内では県立高校の教職員らによる派遣委員会が2005年から生徒を送っている。
国連軍縮本部を訪問
萩さんらは昨年7月に駅頭などで核兵器廃絶などを目指す署名活動を実施。萩さんは全国の他の平和大使とともに、8月にスイス・ジュネーブの国連軍縮本部を訪れ、全国から集まった9万6428筆の署名を届けた。
スイスでは、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使と面会。「核兵器のない世界」がゴールである点は平和大使も日本政府も一致しているが、政府は核兵器禁止条約に署名・批准しない方針を崩していない。面会時に平和大使は「批准はしなくても、締約国会議にオブザーバー参加し、日本政府の姿勢を示すべきでは」と市川大使に質問したが、「オブザーバー参加も核保有国を巻き込んでいない時点で無意味で、核兵器に反対する国と依存する国の溝が深まるだけ」との回答があったという。
萩さんは「日本政府の断固たる姿勢に、自分たちの活動の意義を問い直した」と振り返りつつ、「異なる意見を持つ相手と話す時は、意見の背景を理解し、同意はできないが理解はできるという状態こそが対話の第一歩となる」と面会で得たものも大きかったとした。
ほかにも、11月に長崎県・対馬で韓国の高校生と「日本軍『慰安婦』」について意見交換を行ったことも報告した。
萩さんは「核兵器廃絶は達成しなければいけない未来で、活動の歩みを止めてはいけない」と話し、「高校生や若い人の活動が大人へのプレッシャーになる」と今後も世界平和を目指した活動を続けていくとした。