【観光列車、どれに乗る?】二つの新列車、「ひなび(陽旅)」と「SATONO」で、東北の風土をゆったりと味わう
12年にわたって津軽・下北半島を運行した「リゾートあすなろ」が、2023年にリニューアル。車窓いっぱいに東北の風土を映し出して、新たな道を走り始めている。
「ひなび(陽旅)」「SATONO」のルートはこちら!
2023年12月デビュー。北東北を駆ける「ひなび(陽旅)」
12年以上にわたり津軽半島・下北半島を運行した「リゾートあすなろ」が2023年8月に運転を終え、リニューアルを経て、新しい二つの観光列車に生まれ変わった。
一つは盛岡~釜石間、盛岡~宮古間、八戸~大湊間などの北東北をめぐる「ひなび(陽旅)」。2023年12月にデビューした車体は、かつての気動車の“盛岡色”である白地に赤いライン、花吹雪や水引の梅結びの入ったデザイン。
1号車はグリーン車の1~4人掛けのボックスシートで、他人の目を気にせず、のんびりとリラックスできる。2号車は普通車で2名掛けのリクライニングシート。運転台後部には大型窓の展望室がある。盛岡~釜石間では甲子川(かつしがわ)沿いの山間を走り、険しい仙人峠を越えていく様子を存分に堪能できる。
モバイルオーダー「うけとりっぷ」を利用すると、『釜石もち屋くどう』や『とおの結屋(むすびや)』など地元店の食事が予約できる。沿線の自然を眺めつつ、ご当地グルメを楽しみたい。
「ひなび(陽旅)」列車information
●運転日/土・日・祝中心
●運転区間/青い森鉄道・JR大湊線 八戸~大湊間、JR東北本線・釜石線 盛岡~釜石間、JR山田線盛岡~宮古間 全車指定席
●ねだん/運賃2310円+指定席840円(盛岡〜釜石間) ※グリーン車指定席は2000円
●発売箇所/駅の指定席券売機、みどりの窓口、えきねっと、JR東日本の主要窓口、主な旅行会社
●問い合わせ/JR東日本お問い合わせセンター☎050-2016-1600
●モバイルオーダー「うけとりっぷ」/https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/uketrip/
2024年4月デビュー。南東北をめぐる「SATONO」
もう一つの新しい観光列車が、2024年4月にデビューした「SATONO」。郡山(こおりやま)~喜多方間を「あいづSATONO」として運転しており、10月からは仙台〜山形間を「いろどりSATONO」が運行中。
車体は南東北の豊かな自然を表し、1号車が山や森をイメージした緑色、2号車が空・川・雪をイメージした青色。1号車はグリーン席で1~4人掛けのボックスシートを中心とした配席、2号車は普通席でリクライニングシートになっている。
各車両の前後には展望スペースが設けられ、猪苗代(いなわしろ)湖や磐梯山(ばんだいさん)など、沿線の自然を存分に感じられる。車内には赤べこや起き上がり小法師など、会津地方の民芸品も。
こちらの列車でも「うけとりっぷ」で予約して、『田季野』の輪箱飯(わっぱめし)や『日々餡』のおはぎなどを味わいたい。
「リゾートあすなろ」から生まれ変わった二つの観光列車で、どこかほっとする、東北のローカルな魅力に浸ってみては。
「SATONO」列車information
●運転日/土・日・祝中心
●運転区間/「あいづSATONO」JR磐越西線 郡山~喜多方間 「いろどりSATONO」JR仙山線 仙台〜山形間 全車指定席
●ねだん/運賃1520円+指定席840円(郡山〜喜多方間) ※グリーン車指定席は2000円
●発売箇所/駅の指定席券売機、みどりの窓口、えきねっと、JR東日本の主要窓口、主な旅行会社
●問い合わせ/JR東日本お問い合わせセンター☎050-2016-1600
●モバイルオーダー「うけとりっぷ」/https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/uketrip/
文=朝倉由貴 写真=JR東日本
『旅の手帖』2024年10月号より