ヤクルト石川雅規の年度別球速推移データ、通算200勝目指す45歳の飽くなき挑戦
通算186勝の球界最年長左腕いざ24年目シーズンへ
現役最年長のヤクルト・石川雅規投手（45）が24年目のシーズンを迎える。
秋田商高から青山学院大を経て自由獲得枠で入団したのが2002年。プロ1年目から12勝を挙げ、史上初めてルーキーイヤーから23年連続で積み上げてきた白星は186に上る。
身長167センチと小柄ながらプロの第一線で活躍を続けてきた要因は、熟練の投球術だけではない。基礎的なトレーニングや心身のケアなど、たゆまぬ努力の結晶だ。
昨季は9試合登板で1勝4敗に終わり、推定年俸は6750万円から4000万円にダウン。最高2億円を稼いだ大ベテランは、あと14勝に迫った通算200勝に向けて最後の力を振り絞る。
ストレート、スライダー、シンカーの球速推移
一言で「熟練の投球術」と語るのは簡単だが、石川はストレート以外にシンカー、スライダー、カットボール、シュート、カーブ、チェンジアップと6種類の変化球を自在に操る。
それぞれをコーナーに投げ分けて的を絞らせず、バットの芯を外す投球が真骨頂。だからこそ140キロに届かないストレートでも打ち取れるのだ。
では、実際に各球種の球速はどのように変化しているのだろうか。データのある2004年以降で、投球割合の高いストレート、スライダー、シンカーの平均球速と最高球速を年度別に比較したのが下の表だ。
ストレートが初めて平均130キロを割った2024年
入団3年目の2004年はストレートが平均135.8キロ、最高142キロ。キャリア最速だった2005年と2009年でも平均136.1キロ、最高143キロだった。
その後も多少の変動はあるものの130キロ台前半をキープ。ただ、41歳となった2021年からは132.4キロ、132.2キロ、131.4キロと少しずつ下がっており、2024年は平均129.9キロと初めて130キロを割っている。昨季は最速でも134キロだった。
スライダーも2004年の平均124.5キロ、最高132キロから、2024年は平均119.8キロ、最高125キロに低下。シンカーは下がり幅は小さいものの2004年の平均121.1キロ、最高132キロに比べると、2024年は平均118.5キロ、最高124キロに落ちている。
折れ線グラフで見ると下の通り、緩やかに下っていることがよく分かる。
45歳となった今から球速アップは望めない。逆にこの小さな体で、それほど大きく下げずに球速を維持していることに頭が下がる。
ここからは相手打者というより自らの衰えとの戦いだろう。チームメイトだった青木宣親や同じ左腕の和田毅が引退し、石川に次ぐのは今年41歳になる中村剛也と栗山巧の西武勢2人となった。45歳の石川は飛び抜けた大ベテランだ。
今春キャンプも一軍で完走。開幕投手に意欲を示すなど順調に来ている。選手の大型化が進む中、日本プロ野球界が誇る「小さな巨人」の飽くなき挑戦はまだまだ続く。
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記事：SPAIA編集部