ココスが「覚悟はいいでスーか?」などと言ってくるから、チョコミン党の祭典で数年ぶりにチョコミントを食す / スーパースースーソースの衝撃
今年も一大勢力、チョコミン党が活躍する季節がやってきた。ローソンではミント味の麦チョコやクランチチョコを新発売。ガリガリ君には「革新のチョコミント」が仲間入り。セブンイレブンでは人気のチョコミントアイスが再来だ。
ココスでも「チョコミン党フェア」を開催中。しかも今年はミント感をアップさせる「スーパースースーソース」(税込110円)のトッピングもあるという。
熱狂的なファンがいるチョコミントだが、そもそもミント・ハッカは好き嫌いが分かれる食材ではないだろうか。筆者もカラフルな色合いに惹かれて子ども時代は狂ったように食べていたのに、ある時期からぱったり食べなくなってしまった。
・チョコミントアイスを食べなくなった理由
昨年カフェチェーンの「カフェ・ド・クリエ」が行ったアンケートでは、回答者の実に9割近くがチョコミント好きであることがわかったが、一方で嫌いな理由の第2位に「食わず嫌い」「美味しくないイメージがあるから」が入った。「歯みがき粉の味」というマイナスイメージが先入観として作用しているのではないかという分析だ。
人はごく些細な理由から、特定の食べ物を避けるようになる。嫌いというよりも「なんとなく食べない」という感覚。
筆者が小学生のとき、数か月に一度「選択給食」というイベントがあった。数種類からパンを選択できるもので、事前アンケートで希望を回答しておく。
「同じメニューを大量に調理する」ことに全振りされた学校給食において、飲食店のようにメニューを選べるというのは一大イベントで、何日も前から全校生徒が心躍らせた。一番人気は「メロンパン」だったが、筆者は密かに「チーズ蒸しパン」を推していた。
あるとき、いかにも小3男子といったノリのお調子者が「ムシパンって虫が入ってるのかよw」とアホ発言を繰り出した。クラスは大爆笑だ。チーズ特有のにおいも子どもたちから嫌われる理由だった。もとから少数派だった蒸しパン勢力だが、その日から選択する人はパタリといなくなった。
筆者は蒸しパンが大好きだったが、こんなことで目立ちたくはなかった。同調圧力に屈したのだ。クラスメートの女子たちに「蒸しパンって、くさいよね~」などと話を合わせながら、子ども心に恥じ入っていた。
「チョコミントの話はどこ行った?」とな。
ともかくそんな感じで、本当は好きだったのに、なんとなく食べなくなってしまったものが複数ある。「歯が溶ける」と噂になった炭酸飲料とか、誰かが生意気にも「身体に悪いから食べない」と言い始めた駄菓子屋のジュース味の粉とか。
そしてチョコミントアイスだ。もとからアイス屋では毎回それ一択というくらい好きだったのに、世間ではどうやら「歯みがき粉の味がする」と評価されている事実を知った途端、頼みづらくなった。以来なんとなく、チョコミントは「食べたらいけないもの」に分類されてしまったのだ。
・ココスでチョコミントに再会
ココスのフェアでは「チョコミン党パフェ(税込1089円)」「純氷ふわふわかき氷 チョコミン党(税込869円)」をツートップに、それぞれのミニサイズとアイス単体が用意されていた。
注目したいのは追加トッピングソース「スーパースースーソース」だ。「想像以上にスースーいたします」と挑戦心をあおってくる。もちろんオーダーする。
テーブルに到着した途端、どこからか目に染みるような、鼻がツンとするような、刺激的なにおいが一瞬ただよった。しかし飲食店は雑多なにおいがするものだし、すぐに霧散してわからなくなった。
チョコミントの魅力のひとつは、鮮やかなカラーリングだろう。トップにあるのは定番のホイップクリームやチョコミントアイスやマカロン。
下段はきれいなグリーンの階層構造。
チョコミントアイスは、しっかりミント感がありつつも、チョコレートが強めなのでそれほどクセはない。ごく普通に甘いアイスクリームとして食べられる。
隣にはチョコアイスが並んでいる。真逆の存在に思えるのに、チョコとミントの相性のよさを発見した人すごいな。
特筆したいのは、クッキーやゼリーなどの異素材をふんだんに使って、歯ごたえの変化を楽しめるところ!
もともとチョコミントアイスの人気の秘密は、チョコチップのパリパリ感やザクザク感にあるだろう。ココスではそれをとことん追求、むしろ何倍にも増幅している。
たとえば細かく砕かれたクレープのフレークは、アイスに混じってサックサクの軽い食感を生み出している。お菓子を食べているみたいだ。
さらに下層にはココアビスケットチップやチョコブラウニーが入っていて、「クッキー&クリーム」のようなゴロゴロとした歯ごたえを楽しめた。筆者はアイスに「噛めるもの」が入っているのが大好きだ。しっかり粒感のあるクッキーで、存分に噛むことができた。
もっと下層にいくと、「ミントゼリー」や「ミントパンナコッタ」といったゼリー状の軟らかい具材が入っている。ミント味だけでここまでバリエーションを生み出せるのがすごい! ココスらしい、細部にまで工夫を凝らした創作的なメニューで満足度高し。
さて、さっきから気になるのが追加トッピングソース「スーパースースーソース」だ。
テーブルに届いてから時間が経って慣れてしまったけれど、先ほど鼻にツンときたのは、どうやらコレだ。味見のつもりでペロリとなめてみた。
ぶほっっっ△%$?※!!!
こ、こ、これっ、完全にミントガム……!!!
もはや歯みがき粉のレベルを超えている。眠気覚ましに噛むと、頭がシャキッとして鼻づまりが全線開通するアレだ。
喉がスーッと通り、その後に食べたものがすべて冷たく感じられる。常温の水でさえ、喉から胸にかけてヒヤァァァと冷感が広がる。ヴイックス・ヴェポラッブを思い出す。
メニューにも「妊娠中・授乳中の方、乳幼児や高齢の方、体調に不安のある方はお控えください」と注意書きがある。健康体の筆者でも、普通の味覚に戻るまでしばらくかかった。
ソースをかけたものは、すべて強烈に眠気覚ましガムの味になる。食べ終える頃には体温が何度か下がったような気がした。看板に偽りなしだ。これはある意味すごい……!
・「スーパースースーソース」はかき氷にマッチ
筆者も毎年チェックしているココスの「純氷ふわふわかき氷」だが、いち早く第1弾が登場し、チョコミン党フェアに名を連ねている。
頂点にはココスらしい、ふわとろホイップがかかっており、クリーミーな甘さを楽しめる。
氷も毎年お馴染み、ふわっふわに空気を含んだタイプ。ボリューミーに見えてもどんどん食べられるやつだ。
チョコやソースが別添えになっているので、好みの盛り付けができ、写真映えまでしっかり考えられている。
後から気づいたのだが、先述の「スーパースースーソース」、かき氷にかけると水分で刺激が中和されて、かなり食べやすくなる。ミントの爽やかさだけが残り、清涼飲料水のように喉ごしがいい。
しかしこちらも体感的に涼しく感じ、いつものかき氷よりも食べきるのに何倍も時間がかかった気がする。「胸のあたりがスースーする!」という感覚がしば~らく残った。
筆者の幼少期の記憶にあったチョコミントは、ほんのりミント風味がついた「ほぼチョコレート味」と言ってよく、完全に初心者向けだった。ココスはガチだ。我こそはという猛者は、ぜひ挑戦してみて欲しい。
参考リンク:ココス、PR TIMES
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.