【実録】ひとり参加は浮くってマジ? 100人規模の「ハイスぺ限定婚活パーティ」に潜入してみた
2025年も気づけば年末。街中ではマライア・キャリーが流れ始め、世間は完全に恋人たちの季節を迎えつつある。
今年こそはクリぼっちを脱出したい……! そんな想いのもと、私はある場所へ向かった。
そう、婚活パーティである。
・婚活パーティとは
今では聞き慣れたワードかもしれないが、あらためて説明すると、恋愛や結婚を望む男女が一気に集まり、短時間でわちゃわちゃ交流するイベントのことを指す。
平たく言うと「合法的に知らない異性と出会えるイベント」である。
パーティの形式はさまざまで、少人数で順番に話す回転寿司スタイルから、大人数が立ちっぱなしで動き回るサバンナスタイルなどある。
そして今回私が飛び込んだのはそのサバンナ、参加者100人超えの大型婚活パーティだ。
・パーティの参加条件
今回のパーティは20〜40代の独身限定。
女性の縛りは特になかったが、男性は医師・大企業・経営者・公務員など、いわゆる「ハイスぺ枠」に絞られている。
参加費は女性が約3,000円に対し、男性は約7,000円ほど。「出会いにも課金が必要」という現実を突きつけられる価格差である。
また、参加には事前登録が必要で、服装はスマートフォーマルという指定がある徹底ぶりだ。
・いざ戦場へ
会場は某オフィス街にあるおしゃれレストランの貸切。場違い感をごまかしつつ受付に進むと、なぜかトランプの切れ端を渡され、断片でペアを見つけろという謎ミッションを課される。ふーん、面白そうじゃん。
いざ会場に足を踏み入れると、まず人の圧がすごい。男女比はほぼ半々で、年齢層は全体的に30代が多めな印象。
「ソーシャルディスタンス」という言葉が流行った時代だったら、間違いなく大炎上していたであろう密度。男女ともに清潔感がある人ばかりで、想像以上に美男美女率が高い。これがハイスぺ空間か……。
そして噂では「大規模婚活はグループ参加ばかり」と聞いていたが、実際は男性はほぼ全員ひとり参加。女性は友達同士もいたが、ひとり勢もだいぶいる。「ひとり参加は浮く」説は、少なくともここでは半分嘘だった。
また、ここでのドリンクは飲み放題だったが、さすがの人数ゆえ、テーブルに並べられたドリンクをカップ交換制でセルフで取る仕組みだった。
気分を落ち着かせるため、とりあえず生ビールを一杯。
また、悪酔い防止なためなのか、ハイボールやカクテルなどは居酒屋で作られるものよりだいぶ薄く作られていたのが印象的だった。
・パーティ開幕の時
さて、ここからが本番である。
このパーティは完全立食形式で、気になった相手へ自分で声をかけていくシステム。マッチング発表などはなく、連絡先交換も自由。すべては自分の行動力にかかっている。
ちなみに私はMBTIでいうと「運動家タイプ」で、人見知りはしない。初対面の人と話すこと自体は得意なはず……なのだが、それでも今回はかなり空気に飲まれた。
なぜなら、会場全体から漂う「品定めオーラ」がとにかくすごかったからだ。
・その姿、まさに狩猟民族の如し
男性陣が女性陣を見て、気に入った子へ一直線に向かう。別に悪いことではない、むしろイベントの趣旨としては非常に正しいのだが、その光景は完全に静かなる狩りであった。
そこに司会の方が「男性は積極的に!」と煽るもんだから、なんとなく女性側は声をかけにくい雰囲気に。
さらに、このパーティは「なるべく多くの人と交流させたい」という運営の意図があるようで、15〜20分おきに強制シャッフルされる仕組みだ。時間が経過する毎に、大量の人が大移動する光景はなかなか独特だった。
男女とも意外と誰とも話せず固まっている人も見えた。あの空気なら確かに石化する。
・本パーティの成果はと言うと……
かく言う私は、7人と会話をし、最終的には6人と連絡先を交換するという結果で着地した。職業は公務員から会社経営者、中には「ホワイトハッカー」なんてあまり聞き馴染みのない職業の方までいた。
この成績が良かったのかは正直よくわからないが、色々な職種の方と交流できたのは素直に楽しかった。
ただ、この方たちと恋愛に繋がるかと言われれば、現時点では首を横に振るだろう。
理由は単純で、ひとりあたり15分の交流時間では、どう頑張っても外面しか見えない。人の本質なんて、そんな短時間では出てこない。
つまり──、今年のクリスマスも、無事にクリぼっちが確定した模様である。
なお、トランプの切れ端は最後まで役に立たなかった。悔しい。
・結論:ひとりでも参加は可能
ひとりで参加しても浮くことはまったくなかった。ただし大人数型の婚活パーティは、とにかく話す時間が短い。うかうかしていると一生誰とも話せないまま終わるので、積極性は必須だ。もう一度行きたいかと聞かれたら、正直微妙である。
次に挑戦するなら、もっと平和そうかつ、長時間交流が図れる「婚活バスツアーあたり」にチャレンジしてみたい。
執筆:大島あさ未
イラスト:いらすとや
Photo:RocketNews24.