釜石の園児へ「絵本、楽しく読んでね」 岩銀取引先・中妻岩友会、10保育施設に贈る
釜石市中妻町の岩手銀行中妻支店(安田重行支店長)の取引先でつくる親睦団体「中妻岩友会」(小泉嘉明会長、会員53事業者)はこのほど、市内の幼稚園や保育園、こども園10カ所に幼児向けの絵本計210冊を贈った。19日、代表として同市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児89人)の園児を同支店に招き、贈呈式を開催。小泉会長は園児に絵本を手渡し、「楽しく読んでね」と声をかけた。
「おっ!」「ぱかっ」「ひみつのたからもの」「にじいろのさかな」「のこったのこった」―。テーブルの上に真新しい絵本がずらりと並ぶ。パラパラパラ…。甲東こども園の鮎田恭介くん(5)、板澤梨瑚ちゃん(5)は次々と絵本に手を伸ばし、ページをめくる音を響かせる。贈呈式で見られた一場面だ。
同園では「甲東文庫」と称した読書活動があり、園児は週1回、約5000冊の中から好きな本との出合いを楽しむ。2人は「多読賞」をもらうほどの“絵本好き”。「見たことない本、あった。うれしい」「いっぱい読みたい」と笑顔を重ねた。
付き添った園関係者によると、絵本が好きな子は多く、「同じ本を何度も借りたり、すぐに汚れたりしてしまう。本は消耗品」とのこと。子どもに人気の本は「すでに園にあったとしても何冊あってもいい。助かる」と喜んだ。
同会の地域貢献活動の一環。子どもたちが本に親しむきっかけを増やすとともに、保育施設での読み聞かせ活動を支援しようと願いを込める。2023年に続く取り組みで、小泉会長は「絵本に触れ、子どもたちに伸び伸び成長してもらいたい。情操教育をバックアップできればいい」と期待。他の園には同会の事務局を置く岩銀釜石支店(安田支店長)の行員らが絵本を届けた。
新型コロナウイルス禍以降の取り組みは絵本寄贈のほか、▽JR釜石線全線開業70周年を記念したラッピング列車の運行企画の提案・協賛▽定内公園へのベンチ設置▽釜石高校への理科実習用機器の寄贈▽中妻地区見守り隊へのベンチコート寄贈▽能登半島地震への義援金寄付―など。まちの活気づけ、地域活動の応援を続けている。