“ラグビーのまち”を体感 釜石の小学生 タグラグビー大会で躍動 SW選手もコーチでアシスト
釜石東ロータリーカップ「釜石市小学校対抗タグラグビー大会」(釜石ラグビー応援団主催)は16日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催の機運醸成を―と2017年から始められた大会は7回目を迎えた。市内5校と釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから約120人が参加。日本製鉄釜石SWの選手23人がアシスタントコーチとしてチームをサポートし、“熱い”戦いと“温かい”交流にたくさんの笑顔が弾けた。
開会式で中田義仁大会長(釜石ラグビー応援団団長)は「釜石ラグビーには皆さんを成長させてくれる大きな力がある。ラグビーW杯が行われたこの素晴らしい芝生の上で、他校の仲間とも友情を深めてほしい」とあいさつ。釜石SWの河野良太主将は「練習の成果を全て出し切れるように頑張って。選手もサポートするので一緒に楽しもう」と呼びかけた。
参加14チームが3ブロックに分かれて予選リーグを行った後、上位8チームによる決勝トーナメントで優勝を競い合った。1チームは4~6年生の男女5人で編成。選手の入れ替えは自由で、登録選手全員が出場するのがルール。予選リーグは1試合7分、決勝トーナメントは前後半5分ずつで行われた。各ブロックの下位チームもフレンドリーマッチで交流を重ねた。
平田小からは3チームが参加した。4年生5人でチームを結成した猪又葵央斗さんは「みんなの心がつながって決勝トーナメントまでいけた」と初の大会に手応えを感じた様子。普段はミニバス少年団で活動。球技にはなじみはあるが、「ラグビーはボールを後ろに投げるのが大きく違うところ。タグを取るのが面白く、取れた時は『よっしゃー!』って感じ」と心を躍らせる。同級生と「来年も絶対出る」と声を合わせ、「2位ぐらいまではいきたい」と目標を掲げた。
今大会では各チームにSW選手が1人ずつアシスタントコーチに就いた。試合の合間には一緒にパス練習をしたり、戦略を話し合うメンバーにアドバイスを送ったり…。試合中は応援にも熱が入り、トライまで持ち込むと両手を挙げて喜びを分かち合った。川上剛右選手(31、WTB)は釜石小のチームをサポート。「学校の仲間と協力しながら(タグ)ラグビーに触れ合う姿がとても新鮮で、釜石ならでは」と感激。(ラグビーの)才能を感じる児童も何人かいて、「SWジュニアへの入団に興味をもってくれた子もいた。この中から将来、SWで活躍する選手が出てくれたらうれしいですね」と顔をほころばせた。
注目の決勝は小佐野バーバリアンズ(6年)と平田ゴブリンズ(5、6年)が対戦し、7-1で小佐野が勝利。大会2連覇を果たした。小佐野バーバリアンズの野田大耀主将は「連覇でき、とてもうれしい。たくさん声をかけ合って、負けても崩れない明るさがチームの持ち味」と自負。重点的に練習したアタックも「作戦がうまくいった。後輩たちにも3連覇に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。
小佐野小の菅原祥太教諭(29)は「いつも仲良く練習していた。作戦も自分たちで組み立て、ポジティブな声がけが多い素敵なチーム」と児童らの取り組み姿勢をたたえた。今大会最多の4チームが参加した同校。タグラグビーの活動は年間を通して行っていて、各種大会に出場している。合言葉は「良きプレーヤーは良き生活者」。日常生活の態度がプレーに直結することを表した言葉で、児童らは肝に銘じて実践。競技力向上につなげているという。次の目標は12月14日のSMBCカップ全国小学生タグラグビー大会県予選(奥州市)。昨年、準決勝で敗れた悔しさをばねにさらなる高みを目指す。