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「仕掛け」を実行に移す 桐ケ谷市長、2025年を語る

タウンニュース

インタビューに答える桐ケ谷市長

2025年の幕開けにあたり、本紙は桐ケ谷覚逗子市長に恒例の新春インタビューを行った。昨年の市制70周年の振り返りと、「動き出す」という今年の抱負を語った。(聞き手=本紙編集長・香西孝哉)

--「実行の年」としていた昨年1年間、4本の柱を掲げました。まず、「子育てするなら逗子」について伺います。

「子育てについては18歳まで所得制限なしの小児医療費無料が2年目だが、市民の皆さんからの多くの『ありがとう』の声を聞くと、財政的には厳しいが効果は大きいと実感している。大学進学にむけた給付型奨学金制度は公益財団法人逗子市渡邉利三奨学金財団の運営が順調で、現在は募集人数5人、金額は年間72万円だが、今後は人数の拡大と給付額の増額も視野に入れている。『不登校』についてもまったなしの問題として力を入れていきたい。体験学習施設スマイルをひとつの拠点としていくことも考えている」

--「いくつになっても元気で安心なまち」についてはいかがでしょうか。

「イベントごとが増えてきて、高齢者の外出の機会が増えているように思う。お年寄りが『イベントがあるから出かけなきゃ』とおしゃれをしたりする。そういう気持ちの切り替えが元気を維持する源になると思う。私もいろいろな集まりに顔を出して、年配者に『ここに来ることが元気の素ですからね』といった話をする。こうした観点からも市民の皆さんにはイベント、サークルなど、積極的に参画してほしい」

小坪県有地等、前進に意欲

--「地球環境を守り、安全なまち」についての取り組みはどうでしょう。

「これはまだ道半ば。去年も大変な猛暑日が続いた。子どもたちの未来が大変厳しい環境になりそうだ。そうした中、温暖化の問題やカーボンニュートラルについて、どう理解してもらうか。CO2削減の鍵となる工場がない逗子では、家庭からこの問題にどう取り組むかが大切。昨年は東京ガスと『カーボンニュートラルのまちづくりに向けた包括連携協定』を結び、『エネチャレ』という小学校5年生を対象にした出前授業を行ってもらった。電気をこまめに消すなどのことがCO2削減につながるといった話を、子どもが家で話してくれると、『大人もやらなければ』となる。子どもの意見は大きいので引き続き取り組んでいきたい」

--市長が考える「住み心地の良いまち」とは。

「やはり『人』だと思う。海あり山ありで環境が良くても『人』がギスギスしていては住みにくいが、真逆でどうしてこんなに人がいいんだろうと思うくらい。イベントがあれば『どこからこんなに人が』というほど集まる。これは地域に開かれている亀岡八幡宮の存在も大きい。移り住んで間もない人でもイベント企画ができるような土壌があり、逗子の魅力となっている」

市制70周年を振り返って

--市制70周年の昨年1年間、イベントなども多くありました。

「ことあるごとに、逗子の原点を知ることは大事だと思い、横須賀市からの分離独立運動について話した。イベントについては市の冠がついたもが約130、自主的なものも50ほどあった。たくさんのイベントは元気なまちの象徴だと思う。70周年式典の箏演奏や、アートフェスティバルでのラップの企画が印象深い。精神科の医師が出演していて、精神障害のある人への治療の一環としてラップをやっているという。これは今後に繋げていけないかなと思っている」

--海水浴場の海の家の営業時間を実験的に延長しましたね。

「事業者だけが得したり、風紀が悪くなるようなことは避けたい。地元の自治会からは延長は控えてほしいと要望があることは承知している。一回やって、永続的にやるとか、元のままでという話ではない。行政、市民、事業者の話し合いの場を設けて落としどころを見出したい」

--46年ぶりに米軍から池子住宅地の一部土地が返還されました。

「私はバトンを引き継ぎ、目の前にゴールがあっただけ。長く返還に向け活動してきた人たちの思いが日米の合意につながった。米軍との共存ということで言えばうまくいっていると思う。先日も小坪小の側溝の泥のかきだしに米海軍が20人くらい手伝ってくれたり、逗子小と米軍イケゴエレメンタリースクールの交流が行われたりと、いい関係もできている。こうした一環で、70周年の年に返還されたことはうれしい事。(日米共同使用の)40ヘクタールについてはまた再スタートをきることになる」

--肝いり政策だった交通不便の解消を目的とした「グリーンスローモビリティ」(GSM)の実証実験が議会で否決されました。

「運行の仕方の問題で否決された。今後、地域公共交通活性化協議会で交通事業者と話し合いをしていく。逗子はバス路線はあるが、バス停が遠いとか、そこにつながる高台の団地は坂が多くて大変だとかが課題。公の場できっちりと検討し、最善の策を探りたい」

--長らく塩漬けになっていた小坪2丁目県有地(はげ山)の取得・整備が動き出します。

「2025年度購入にむけて動く。逗子の財政で市単独での取得はありえないと言ってきたが、市職員の頑張りや、県の支援もあって国からの交付金も出ることになった。スケジュール的には7月に取得し、8月に支払い、9月から整備開始を予定している。活用については市民への説明も行っており、トイレ・駐車場の整備を行う。施設ということであれば東逗子の駅前複合施設も計画ができて動き出す」

--2025年の抱負をお聞かせください。

「小坪の県有地、東逗子駅前用地活用事業など、今まで仕掛けてきたことが本当に動き出す年になる。スタートでつまずくと再スタートまで相当時間がかかるので、今が一番大事な時期だと思う。動き出せば後は時間の問題。長い間、商売をしていた経験では、段取り8分、先手必勝。段取りが悪いところに成果はない。どれだけ事前にリスクをつぶしながらまとめ切れるか。周到に準備をして、今考えられるベストというところまでやったら、あとはすっと走る。そこはしっかりと動き出せるように準備をしていく」

米軍から返還された道路

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