【中央区・ブータン】県内初のカツカレー!? ひ孫が守り続ける老舗の味の裏話
浜松市の街中の裏通りにたたずむ小さなカレー店「カレーハウス ブータン」は、1963年創業の老舗。静岡県内で最初にカツカレーを提供したと言われるほど。どんな味なのか訪れてみました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへいつも見慣れた街並みも、裏を探ればそこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットをめぐります。今回は中央区・鍛治町周辺を散策します。
鍛冶町の裏通りで見つけた小さな名店
「カレーハウス ブータン」は、1963年創業の老舗。
中央区・鍛治町周辺の裏通りを歩いていると、ふと目に入る「カレーハウス ブータン」の看板。小さな店構えながら、たまらなく食欲をそそるカレーの香りが漂ってきます。
「ブータン」というお店の名前に引かれ扉を開けると、中はこぢんまりとした昭和の雰囲気漂う店内でした。
1階は黄色いテーブルカウンターの席、2階にもテーブル席があって、全14席の小さなお店です。
が、実は浜松では知る人ぞ知る超人気店なのです。
メニューを見てみましょう。
ポークカレー 800円
ビーフカレー 1100円
チキンカレー 1100円
カツカレー 1200円
キーマカレー 1100円
ヒレカツ 1600円
このほかにも辛さを変えたり、チーズや卵の黄身といったトッピングを加えることもできます。
フルーティーな甘みが特徴の手作りカレー
早速一番人気メニューである「カツカレー(1200円)」と、同じルーを使った「ポークカレー(800円)」を注文してみます。
運ばれてきたカツカレーには、サクサクのカツとキャベツ。ちょっとだけ付いている千切りキャベツがいい感じ。
店長の佐藤利昭さんから「カツにソースをかけてください」と声をかけられます。
一口食べてみると、カレーの味わいが絶妙。フルーティーな甘みとさまざまな野菜の味が口いっぱいに広がります。
カレーハウス ブータン・佐藤利昭 店長:
タマネギとかニンジン、リンゴ、ニンニクも入っています
「ハチミツも入っていますね?」と聞くと佐藤店長は「入ってます」と笑顔で即答。
予想が的中し、なるほどと納得。だからこそ優しい甘みがあるんですね。
このカレーは辛さ控えめで、フルーティーな甘みが特徴です。心がけているのは野菜のうま味や肉の甘みを引き出すこと。
ブータン・佐藤店長:
最近はやりのスパイスカレーではなく、よく煮込んだ昔ながらの日本のカレーです
静岡県内初!? カツカレーの元祖を名乗る裏話
さらに驚きの裏話が、佐藤店長から飛び出しました。
ブータン・佐藤店長:
カツカレーを出したのが県内静岡県では1番最初だという“言い伝え”があるんです。先代が言っていました
なんでそんなすごいことを、もっと目立つように言わないんですかと聞くと店長は、「証拠がない分強く言えない」と謙虚です。
控えめな姿勢ながらも、確かな自信を持ってカツカレーを提供し続けているのがよくわかります。
浜松の食文化を支えるトリイソースの秘密
カツカレーに欠かせないのがソース。
ブータンのカツカレーにはカツに「トリイソース」をかけるのが定番となっています。
ソースをかけるとさらにインパクトが大。
トリイソースは浜松市で有名なソースメーカー、創業101年の鳥居食品が手がけています。
このフルーティーなソースには、さらに興味深い裏話があります。
ブータン・佐藤店長:
私の曽祖父が創業に関わっていました。昭和の初期から洋食屋をやっていて、曽祖父が自分でソースを作っていました。曽祖父は忙しさで自分で作ることが間に合わなくなってきて、そこでリヤカーを引いてたくあんを売っていた鳥居さんという方と、一緒に作り始めたのがトリイソースです
そうして生まれたトリイソースが、今はひ孫が営むカレー店で、なくてはならない味として使われているというわけです。
歴史ある味を守り継ぐカレーハウス ブータン。日本の伝統的なカレーの味わいと、縁が深いソースが織りなす絶品カツカレーは、地元の人々に長く愛され続けています。
■店名 カレーハウス ブータン
■住所 浜松市中央区鍛冶町320-8
■営業時間 11:00~17:30
■定休 木
■問合せ 053-454-0085