「板挟みで限界…」38歳マネージャーに、キャリアのプロが授けた“2つの突破口”
「上司からは成果を出せと迫られ、部下からはタスクが多すぎると不満が出る」
「マネージャーになったけれど、自分のスタイルに自信が持てなくなってきた」
そんな声を上げたのは、営業職のマネージャーとして4年目を迎える38歳男性。昇給やキャリアアップを期待して管理職になったものの、上からも下からも板挟みにされ、心がすり減っているといいます。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
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相談内容
38歳/男性
営業職のマネージャー4年目です。上司と部下の間に挟まれて、いつも板挟み状態です。上からは「もっと成果を出せ」とプレッシャーをかけられ、部下からは「タスクが多すぎる」「残業はしたくない」と不満の声が上がります。
自分の時代とは違い「成果を上げるためなら残業する」という気持ちもなく、それとなく伝えるのもハラスメントになりそうで、悩みすぎていつも一人で胃をキリキリさせています。自分の可能性や昇給を期待してマネージャーになりましたが、こんなことならプレーヤーで伸び伸びと仕事をしたほうがよかったとすら思います。上司の期待に応えつつ、部下が安心して働ける環境を作るには、どうすればいいのでしょうか? 自分のマネジメントスタイルに自信が持てなくなってきました。
まずは理論を学んで“教科書”を持つ
坂井さんは、この悩みを抱える多くのマネージャーが陥るのは「過剰負荷問題」だと指摘します。
「プレッシャーに押され、自分のやり方に自信を失っているときこそ、マネジメント理論という“教科書”を持つことが大事です」
「 マネジメントには“教科書”があります。理論を学べば、自分のやり方が正しいのか、改善すべきなのかが整理でき、自信を持って進めるようになる 」
理論を学べば「自分が間違っていたのはここか」「やってきたことは正しかったんだ」と整理でき、自信を取り戻すきっかけになります。 人を潰さないためにも、そして自分を守るためにも、知識を持つことは欠かせません 。
理論をメンバーにも共有する
もう一つの突破口は、 学んだ理論を自分だけで抱え込まず、メンバーにも普及させる こと。
「マネージャーだけでなく、部下も『組織で何が起きているのか』を理解できれば、不満をすべて上司のせいにしなくなります」
例えば「インシビリティ(ハラスメント未満行為)」といった概念を知れば、自分も加担していたと気づく部下も出てくるはず。理論を共有することで、組織全体が“お互いに成長する土壌”を持てるのです。
まとめ:板挟みを逆転のチャンスに変える
✓ マネジメント理論を学び、“教科書”を持つ
✓ 学んだ理論をメンバーに共有し、組織全体に広げる
坂井さんは最後にこう力強く語ります。
「 人事の動きを待つ必要はありません。自分から施策を提案し、まずは部署で実践してみればいい。理論を武器にすれば、板挟み状態から抜け出せます 」
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太
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