就寝中の男性の鼻からゴキブリが侵入、気管内に3日留まり口臭や咳(中国)
中国に暮らす58歳の男性の気管内から先月、ゴキブリが摘出された。就寝中に鼻から侵入したとみられており、男性は咳や黄色い痰、口臭が3日間続き、医師の診察を受けて事態が発覚した。中国のニュースメディア『QQ News』などが伝えた。
【写真】男性の気管内に留まっていたゴキブリ(虫が苦手な方は閲覧に注意してください)
先月11日午前4時頃、海南省海口市在住の男性(58)は就寝中、鼻の中を何かが這うような奇妙な感覚に襲われ、目が覚めた。男性はその後、何かが喉の奥へ入っていくような気がして咳き込んだが、気にせず再び眠りについた。
ところが翌日、いつものように出勤した男性はひどい口臭に気づき、しばらくすると黄色い痰を伴った咳が出るようになって不安になった。そこで海南医科大学第一附属医院の耳鼻咽喉科を訪れ、上気道(鼻、咽頭、喉頭)の検査を受けたが、専門医から「異常なし」との診断を受けた。
それでも先月14日、男性は「やはり何かがおかしい」という直感に従い、同医院の呼吸与危重症医学科の副主任医師、林玲氏に助けを求めた。
男性はそれまでの経過を説明し「口内からゴキブリのような臭いがする」と訴えていたそうで、林医師は「患者はすでに上気道の検査を受けていることから、下気道に異物が混入した可能性がある」と考えた。そして胸部CT検査を実施した結果、右肺下葉の後肺底区に影があることを発見。異物があると確信し、術前に気管支鏡検査を実施した。さらに翌日には局所麻酔による異物の摘出手術を行ったそうで、当時のことを次のように振り返った。
「男性の気管支の中には、羽を持った何かがハッキリと見えました。その異物は痰にまみれていましたが、痰を吸引すると異物の姿が明らかになりました。それは1匹のゴキブリだったのです。」
なおゴキブリは比較的柔らかいうえ、下気道に位置していたため手術は困難で、林医師は3度に分けて摘出した。また、ゴキブリの分泌物がなくなるまで気管内を繰り返し洗浄し、痰を取り除く施術も行っており、男性は口臭が少し残っていたものの咳や黄色い痰が減ったという。
しかしながら痰の検査の結果、患部がヒトや動物の大腸内常在菌であるウェルシュ菌への感染が確認され、薬を5日間服用する必要があった。ただ、その後の回復は順調で、すでに退院し1か月後に経過観察を予定している。
男性のケースについて、林医師は「非常に珍しい」と驚愕しながらも、「下気道に異物が詰まっていると思われる場合には、できるだけ早く医師の診察を受けることが大切です」と語った。
ちなみに昨年9月には、南米コロンビアの研修医が女性患者の左耳からゴキブリを取り出す様子を捉えた動画がTikTokに投稿されて注目された。女性は激しい耳の痛みに襲われ、耐えられなくなって病院を訪れたと報じられていた。
画像は『QQ News 「海南一男子支气管有异物就医,检查发现竟是蟑螂!」(记者 王洪旭 摄)(受访者提供)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)