バサジィ大分 連敗スタートとなったが、課題と収穫のあった2試合 【大分県】
勝機は十分にあったものの、「決定機で決めきれなかった」(橋本澪良)、「細かな部分でミスがある」(仁部屋和弘)など課題が見つかった開幕から2試合。2連敗スタートとなったが、収穫がなかったわけでもない。中でも、昨季の王者を迎えた2戦目の後半の攻撃には、見るべきものがあった。個々の能力が高く、攻撃力の高い名古屋に対し、相手エースに陣川凌、アタッカーに青大祐をマンマークで付かせた。これによって守備が安定し、カウンターから4度の決定機をつくった。
守備力の高い陣川、スピードのある青を入れ、リシや仁部屋の守備の負担を減らした。攻撃に注力できたことが、この布陣の狙いだった。セット(メンバー)が変わっても、守備からカウンターの意識は強く、2度のポストに当たったシュートが1つでも入っていれば、結果は違うものになっていたに違いない。狩野新監督は「名古屋よりシュート本数は上回っていたし、攻撃の厚みがあった」と手応えを語っている。
開幕2試合は、今季のテーマとして取り組んできたことが攻撃面では出せていた。狩野監督の目指す「攻守の切り替えの速い、攻撃的なスタイル」が表現できている。堅守速攻だけでなく、パスを織り混ぜて組み立て、流れるようなパス回しでゴールに迫るシーンはいくつもあった。ただ、セットプレーのイージーなミスからの失点や簡単に裏を突かれる場面には不満も残る。決定機を逃すシュート精度の甘さ、40分間の運動量などにも課題がある。
それでも攻撃のシーンで、ゴールを意識して新しい形を何度も実践できたことは、何よりの収穫であろう。新スタイルの売りである攻撃面の完成度を上げていきたい。
(柚野真也)