大阪市自然史博物館で<琵琶湖・淀川水系にすむ多種多様なドジョウ>の展示 種類の多さは日本一?【大阪府大阪市】
大阪市自然史博物館は7月19日、展示「種類の多さ日本一!?琵琶湖・淀川のドジョウたち」を開始します。期間は8月31日まで。
日本で最もドジョウ類が多様な水系のひとつである琵琶湖・淀川水系。ここに分布するドジョウ科全種類の標本や写真を展示します。
琵琶湖・淀川水系ではドジョウが多種みられる
琵琶湖・淀川水系は日本で最もドジョウ類が多様な水系のひとつで、13種類(種・亜種・系統)ものドジョウ類が分布。豊かに存在してきた多様な水辺環境や琵琶湖・淀川水系が生物分布の境界付近に位置することが関係していると考えられています。
しかし、近年の河川改修などに伴う水辺環境の悪化・減少により、多くのドジョウ類の存続が脅かされています。なかには、既に絶滅してしまった可能性の高い亜種や集団も知られています。
さらに、ドジョウ類は食用やペット、釣りの活餌などさまざまな目的で流通しており、これらが野外に持ち込まれることによる外来生物問題も生じています。
今回の展示では、琵琶湖・淀川水系に分布するドジョウ科の全種類の標本や写真を展示するとともに、存続の危機に陥っている種類がいる現状や、外来ドジョウ類によって生じている問題などについて紹介するそうです。
ドジョウの系統は大きくわけてふたつ
ドジョウには、種内に大きく異なる2系統が存在しています。
一つは日本固有の在来系統、もう一方は中国大陸由来の外来系統であることが知られています。
在来系統(上)、外来系統(下)(提供:大阪市博物館機構)
展示では、大阪府を中心に、在来系統・外来系統の分布状況を解説するといいます。
琵琶湖・淀川水系に生息するドジョウ類
今回展示されるドジョウの仲間から、2種類ピックアップして紹介します。
日本固有種<アユモドキ>
琵琶湖・淀川水系に生息するアユモドキは日本固有種です。
琵琶湖・淀川水系および山陽地方にのみ分布する淡水魚で、中・下流域の流れのある砂礫底の環境を好みます。
しかし、生息に適した環境の悪化・減少により、種の存続の危機に陥っています。
淀川水系の固有亜種<ヨドコガタスジシマドジョウ>
ヨドコガタスジシマドジョウ(提供:大阪市博物館機構)
ヨドコガタスジシマドジョウは、淀川水系の固有亜種です。
中・下流域の緩やかな流れや河川敷の水たまりなどに多く分布していましたが、1996年の記録を最後に、約30年間見つかっていません。
琵琶湖・淀川水系のドジョウを学ぶ
テーマ展示「種類の多さ日本一!?琵琶湖・淀川のドジョウたち」は、大阪市立自然史博物館の本館1階にあるナウマンホールで開催されます。期間は7月19日(土)から8月31日(日)です。
琵琶湖・淀川水系の環境について、知る・考え直すきっかけとなる展示になりそうですね。
詳しくは大阪市立自然史博物館のホームページから確認することができます。
※2025年6月18日時点の情報です
(サカナト編集部)