キャンプ座間 米陸軍軍楽隊が解散 市民との親善のシンボル
キャンプ座間の在日米陸軍軍楽隊が10月15日に解散する事になり、9月25日に座間市役所で同市演奏家連盟と最後のコンサートを開いた。約80年の歴史の中で市の様々な行事に協力、基地と市を結ぶ象徴的な存在だった。
同隊は世界に30以上ある米陸軍軍楽隊のうちのひとつで1941年に第96沿岸砲兵音楽隊として発足、多い時は42人の隊員が所属した。今は4人となり部隊編成の一環で解散が決まったという。
これまでキャンプ座間での盆踊りフェスティバルや米国独立記念祭に出演、周辺自治体の学校や病院などでも市民と交流を重ね、ハーモニーホール座間でのコンサートは抽選となる人気ぶりだった。5月の大凧まつりではイベント後に消防関係者や運営スタッフを集め、ねぎらいの曲を演奏。佐藤弥斗市長は「暑さの中で力を出し尽くしたスタッフもノリノリだった。疲れが吹き飛んだ」と振り返った。
この日はマシュー・デイビッド上級准尉(クラリネット・ボーカル)と、ニコラス・ミラー二等軍曹(パーカッション)、コラボ協演を重ねてきた座間市演奏家連盟の真崎佳代子さん(マリンバ)が競演し、名曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」で締めくくると拍手に包まれた。
隊員と握手した伊藤惠美子さん(東原在住)は「ずっと大好きでよく基地に行った。中学校の頃からファンでした」と名残を惜しんだ。デイビッド隊長は「大凧まつりでは観客との距離が近く地元の踊りにも参加できた。寂しさもあるが才能ある人々と協演できて嬉しい」と笑顔を見せた。真崎さんは「音楽は文化の違いが出る。彼らのサウンドに入ることは刺激的で、演奏家としても誇りでした」と話した。